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機械の技術が発展した異世界に召喚された僕が記憶屋として成功するまで  作者: 凪笠シメジ
アニュラス王国中立戦争

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駆け引きのうまさは比例しない。妙案。

さて、この状況はわりと詰みに近いが、どうしたものか。


右も左も逃げ場のない状況で、なおかつ動いたら相手に餌を与える。


おまけにこちらは足手まといというか弱点である馬車引きさんがいる。


戦力はハーティのみで敵の数も不明。


もし数が劣勢なら相手に動かれたらすなわち死が待っている。


気をつけて進む、という選択をとっても向こうの狙いも人数もわからないのであれば不意打ちに対応するのは難しいだろう。


さて、どうしたものか⋯ハーティも少し悩みに悩んでいるようだ。馬車引きさんなんて顔が青ざめてる。可哀想に⋯


周囲に目撃者はいない。かと言って魔物ってことはないだろう。


魔物避けをわざわざ貫通してまで魔物避けを消しに来る魔物とか聞いたことないし。


うーん、どうしようかな。


先程から地脈の記憶を読むように頑張ってるが、全部不発に終わってるし、頼れるハーティは警戒モード。


僕は僕のやれることをやるしかないが⋯


おとり作戦、は難しいだろうな。馬車引きさんが死んだら僕たちは目的地にたどり着けない。


「⋯そうだ、ギルドからの支給品は何がありますか」

「えっと、食料に魔物避けにーーあっ!」


ハーティが何かを見つけたようだ。


この状況を打開できるものなら尚更いいのだが。


ハーティは少し顔色が良くなってるからもしかしたら打開できる何かを見つけたのかも。


この世界は魔法が失われた為に索敵系の魔法はない。


道具だってそういう奴はあまりないと聞いている。


なら、囮にできる何か、とか?


「寄せ玉⋯これ、使えます」


「寄せ玉?」


「あ、テオは初めてでしたか」


ハーティは寄せ玉を使えるような状態にしつつ、僕に寄せ玉の説明をしてくれる。


「魔物避けはテオも馴染み深いものになったと思いますがこれは逆です」


「避けの逆⋯あ、なるほど」


「そうです、魔物を「寄せる」玉です」


仕組みは単純でこれの匂いを炊いてる間は魔物が寄ってくる。


それも、かなり大量に。


本来は食料が尽きそうな場合の本当に緊急時が月に数回程度あるらしく、それの対策に配るものである。


だが、確かにそれなら状況をひっくり返せるかもしれない。


魔物の大群を「盾」として利用するのだ。


馬車の後ろや周りを囲むように魔物を引き寄せ、なるべく人が近寄れないような状態にする。


そうすると、魔物を倒すしか近づく方法は無くなるが、倒してる間に僕たちはトンズラ出来る。


ということだ。作戦に抜け目はないというか、思いついたハーティは天才というか。


「寄せ玉の効力、どれくらいですか?」


「うーん、これ一個あたりだと半日、ですかね」


「馬車引きさん、アニュラスまでは?」


「こ、ここからだと二日くらいかね」


「なるほど」


寄せ玉は三つ。


どこまでもたせても隙の時間は出来てしまう。


のだが馬車引きさん曰くあと一日あればアニュラスの中でも特に国の目が光っている範囲内にはいる。


そのため、安全に行けるらしい。


ならば寄せ玉は充分持つ。


機転を効かせて戦いに勝つ。


これもりっぱな戦術だ。


ハーティは突拍子もないことを思いつくし、たまにすごく有用な作戦を思いつく。


こういう時に一番いて欲しい存在だと再確認した。


また、馬の方はかなりビビって気合いが入ったらしく、馬車引きさんいわくこの状態の馬なら一気に駆け抜けることが可能で、大幅に時間短縮可能だと言う。


見えてきたぞ⋯!アニュラス!


寄せ玉は馬車内に配置する。


馬は魔物ではないので効果がないので大丈夫との事だ。


さっそく作戦を実行し、一気に領内を駆け抜ける。


馬はまさに爆速というレベルだろう疾走の仕方をしていたので、後で沢山おたべ。


効果は絶大。


魔物が寄ってきた瞬間、ハーティの警戒が緩んだのを見て、敵対意識のある何者かが手を引いたことを確信した。


この数の魔物は流石に暗殺を狙ってるやつとかだとしても無理だろうな。


そして本来は一日かけて渡るはずの警戒ゾーンに半日で着いてしまった。


ここまで来るともはや寄せ玉は要らないので、今度は魔物避けのお香を炊き一気に魔物達におかえり頂く。


行ったり来たりさせてすごい可愛そうだが、これも人の知恵。恨んでくれるなよ。


警戒ゾーンに入った時、途中関所を通過する必要があったのだが、サブラスからの通行許可証を見てお待ちしてました。


依頼は結構来てますよ、と教えてもらうことが出来た。


どうやら中立国故にトラブルが最近は多いらしく、揉め事の仲介に記憶屋が役に立つだろうとアニュラスの国王が推薦してくれたらしく、ギルドには依頼が殺到したらしい。


また、何者かに道中命を狙われたことを話したらあなたもですかと言われた。


あなたも?と聞き返すとどうやら最近はアニュラス領内にはいる旅人を狙った人狩りが横行しているらしく、中立の立場も怪しくなっているらしい。


人狩りの目的はモドキの実験のための被検体確保のためだろうとの事だ。


なるほど、サブラス経由で僕たちがアニュラスへ来ることを知っている推進派ならば、確かに異世界人である僕の知識を狙って奴らが動くのも納得だ。


ひとまず街中で騒ぎを起こせば一気に推進派は中立から狙われるようになるから避けているとの事で、国内に滞在中の安全は一応は確保に成功した。


関所で手に入れた情報は結構デカイな。


僕は狙われてるのがわかったし、これは旅をしてるといっても一度あらかたの依頼を片付けたらサブラスに戻ってエルメロスに対策の相談をした方がいいかもしれない。


もちろん、ギルメイに知らせが行けばスベラル領内や近くの領地での推進派の動きを制限できるだろうし、ここまでの人との繋がりに感謝だな。


関所を通過し、アニュラスの門を通ると、晴れてアニュラスに無事入国出来た。


なお、馬車引きさんは安全確保の為、事情を説明したアニュラス衛兵部隊が護衛として帰りを保証するらしい。ひとまず一件落着だな。


入国できたことで気が緩んだのか、ハーティは一気に疲れが来たらしい。


ハーティはギルドの椅子で休ませ、先にギルド割り可能な宿を紹介してもらい、宿で休むことにした。


ここまで張り詰めっぱなしだったから僕もどっと疲れが出た。


宿に着いた瞬間、ベッドダイブを決める僕とパーティ。


その日はまるで死んだかのようにご飯も食べずにそのまま寝てしまった。


とりあえず、明日はアニュラスで街を見て回りながら、ギルドで色々情報共有しよう。


一応、ギルドに狙われてたことも含め相談すれば護衛はもう少し強化されてハーティの負担も減るはずだ。


まあ、滞在中だけになるだろうが。


ただ、問題は帰りだ。


行きは無理やり何とかしたが、おそらく二度同じ手は通用しない。


これはしっかり対策した方がいいな⋯


まあ、その辺の細かいのは明日、起きたらやろう。ハーティと一緒に。ご飯でも食べて。

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