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機械の技術が発展した異世界に召喚された僕が記憶屋として成功するまで  作者: 凪笠シメジ
スベラル王国編

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初めての危機。別行動。

宿に戻るとニコラが慌てた様子で僕たちを迎えた。


部屋を見ると、ギルメイ達が帰ってきているようだった。


それを見れば、何となくは想像がつく。


見つけてた、または情報を手に入れたのだろう。


「ちょっと事情が変わったかもしれん」


「その慌てよう、尋常ではない事態だな?」


ニコラは一呼吸置いた後、ギルメイ達が帰ってきてからの報告について話し始めた。


まず、ギルメイはギルドでアドニスタさんの情報を集めていたと言う。


だが、なかなか情報は得られずと言った時にハーティが合流。合流後は手分けして情報収集をしていた時だった。


それまで見向きもしなかったギルドだったが、とある人物が情報を知っている、と名乗り出たと言う。


その男はギルドメンバーでもありつつも、裏の世界にもある程度通じており、言わばスベラルの裏社会を認知している人間だ。


情報屋とかを頼るよりはそういった情報網も大事だろう。


ギルメイ達は男からアドニスタの事を聞き出した。


どうやら前国王亡き後、王宮内で一斉の辞令が下ったらしい。


内容は様々だが、前国王とギルメイの世話係だったアドニスタは特にその煽りを受けたらしく、王宮は追い出され、その後の行方は知れずだったと言う。


だが、ギルメイが容姿について色々説明している時に男は記憶の中に心当たりがあったと言う。


二週間前。男がギルドの依頼をこなす為にスベラル領内の王国から少し離れた平地を訪れた時だった。


あまり人気がないその場所は不自然な程に魔物の気配が薄かったという。


男は不思議に思い、周囲を探索した結果、人の住む小屋を見つけたと言う。


だが、この辺りに小屋がある、人が住んでいるという情報は全くなかった。


男はギルドへ情報を持ち帰ろうとした時、小屋から顔を出したと言う。


アドニスタと思わしき人物が。


彼は少し年老いて見えたが、髪色の特徴や背丈、そして何より特徴的なイヤリングを付けていたのを男は覚えており、ギルメイにその情報を提供した。


だが、男はその時は気づかなかったが、後々になって気づいたのは、男がボロボロだったということ。


また、片手が無く、杖をついていたこと。


それでもギルメイの説明した特徴に合致する部分も多く、小屋までの詳しい道筋もそこで男に聞いたらしい。


だが、それだけだと嬉しい情報に思うが、ニコラ達は少し眉をひそめていた。


どうやらタダではすまないらしい。


ギルメイとハーティが情報を持ち帰り、宿に帰宅した時、ニコラは少し慌てていたと言う。


宿にはある程度国の情報が集まってくる。それは、宿と併設されているバーが関係しているだろう。


バーには色々な人が集まり、情報を集まる。


ニコラは暇を持て余して居た時間にバーで少しでもも情報を集めていたらしいが、そこでひとつ情報を聞きつけたと言う。


それは、周囲の一斉鎮圧を国が考えているということ。また、実行までそこまで日がある訳では無いということ。


周囲の鎮圧は暴徒などの鎮圧が目的だろう。


スベラルから少し離れた地帯には暴徒と思わしき団体が鎮座している、という情報をニコラは聞いていた。


そして、暴徒の鎮圧の話をニコラは関係ないと思い聞いていたらしいのだが、ギルメイからの情報で話が変わった。


アドニスタの目撃情報のあった範囲、それは鎮圧が決行される範囲内にあるとの事だった。


アドニスタは半ば国を追われる形で外に出た⋯と思われている。


もし、スベラル領内にまだ居ることが国王の耳に入ったら、おそらく国王はいい思いをしないだろう。


アドニスタは否定派。前国王が推進派に取り入られたあとも、必死に説得を続けていたと言う。


もし、そんな男が生きているのを知ったら間違いなく暴徒に紛れて殺されてもおかしくない。


⋯なにより、ギルメイは少しやらかしたらしい。


「ギルメイの素性が割れた」


「えっ?」


ギルメイが情報収集をしていたのと同時刻。スベラル王宮のものがギルドに報を入れるべく訪れていたらしい。


そして、流石にギルメイは顔も見れない相手に情報は教えないだろうと、知ってる顔が居ないからと油断して居たらしい。


ここまでフードを深く被り、なるべく帰郷がバレないようにしていた彼だったが、そこで王宮の人間に、姿がばれた。


もっとも、本人はギルドに居た時点でその事に気づいておらず、ギルメイが宿に戻る丁度直前、宿に一通のお達しが来た。


『王座を取り返しに前国王の弟が帰郷した。見つけたものには褒美を取らせる』と。


つまり、指名手配である。


目的的にはギルメイを国王に据えるのが目的ではあるのだが⋯


ギルメイが王宮の人間に姿を目撃されたのち、すぐさま国王に報告が行き、王座にこだわる現国王は地位を守るためギルメイの指名手配を決行した。


アドニスタの命が危ない上に、ギルメイも指名手配。状況はかなり最悪だった。


何より、おそらくはアドニスタの事も伝わっているだろう。


つまり、国王的にはアドニスタを通じてギルメイが王座を取り戻しに国に戻った。というシナリオに解釈されたのだろう。


ふたつの危機が同時に訪れる。


なにより、今回切り抜けられたとして、次は国王を王座から引きずり下ろすフェイズが待っている。


だが、王宮内に本来のスベラル王家を支持していた連中は軒並み排除されており、据えるにしても実力行使か、はたまた何か材料がなければいけなくなった、ということらしい。


「だからギルメイさんは目立つと言ったんです。それに、情報さえもっと早く共有してくれてれば対策できたんです!」


「し、しかしだな」


「待ってください。フードを取って聞き込みしようと言ったのは私です。私にも責任はあります!」


言い争いになった後、その言い争いを止めたのはニコラだった。


今回、このメンバーはニコラを中心にまとまっている。今回はニコラがリーダーであり、絶対だ。


そのニコラが喧嘩をやめさせ、打開策を提示する。


「テオとギルメイはアドニスタに会いに行け。ギルメイの帰郷を知れば、アドニスタも行動を起こすために協力するはず。

それに、今の王宮にギルメイの力がないのであれば、テオの力が頼りだ」


アドニスタは現国王が辞令を出すまでは国王に仕えていた。そして、その時に悪事をもし目撃しているならば立場が一気に逆転する。


その可能性が少しでもあるのならば僕にはアドニスタの記憶を持ち帰って欲しい、とのことだった。


「それは賛成ですが、残りの俺たちは?」


「俺たちが暴れて少しでも鎮圧部隊の出発を遅らせる」


「暴れるって⋯簡単にいいますが、流石に数が向こうが多ければ破綻しますよ」


「あいつらの目的は暴徒だろ?だったら⋯暴徒をおびき出して騒ぎを起こす、ってのはどうだ?」


ニコラの作戦は、暴徒の鎮圧エリアの近くにアドニスタが居るのが問題なのであれば、そもそも暴徒を国におびき出して鎮圧範囲を無理やり変えてしまえばいい。


そして暴徒をおびき出した後、ニコラ、エルメロス、ハーティがサブラスから訪れた使者であると示しが付けば、少しの融通は効くようになるのでは?ということだ。


上手くいくかは五分だけど、上手くいけば今引っかかっている問題を纏めて解決できる。というニコラの秘策とも言えるものだ。


本当にさっきまで慌てていた男の作戦だろうか。結構打開策としてはいい案だと僕は思った。


「ニコラの作戦では少し粗が目立つ。作戦については僕に詰めさせてくれ」


「私もお手伝いします!」


先程まで喧嘩していた一同はニコラの提案を聞き、状況をひっくり返せるかもしれない。


という期待が産まれたからか、少し顔が和らぎ、とっととやってしまおうと言わんばかりにすぐさま作戦会議に入った。


先程までの空気は、既にそこにはなかった。

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