9・5 おまけ4(ヒロシ専用パイプ椅子)
ハミデール国王に呼ばれたヒロシは、悩んでいた。
国王と謁見か……面倒だな……。
そんなもんより、光る泥ダンゴ・フェスティボーに行きたい……。
走るパイプ椅子(ヒロシ専用)のスペック表を見ながら、ヒロシが溜息をひとつ。
~ヒロシ専用|パイプ椅子『サイドワインダー(ヨコバイガラガラヘビ)』スペック~
型番:PC86SW
ボディカラー:シルバー
エンジン:魔導核1基
トランスミッション:3速AT
ブレーキ:なし(ヒロシの足で制動)
馬力:5・4
最高時速:80キロ(ブースター使用時は200キロ)
ハンドリング:3
スピード:1
加速度:1
オプション:アナログコントローラー
特徴:オンロード専用・10連CDチェンジャー・ひじ掛け・背もたれ収納BOX装備
その他:街乗り用、車検・車庫証明不要(折りたたみ式)、ヘルメット不要(自動車扱い)
対王女用にガトリング銃でも装備したいところだが。
いや、メイド長の追撃を振り切る機能をつけるか。
よし。イスを改造してこよう……。
「メイド長、あとはヨロシク!」
「俺はパイプ椅子の改造がてら、光る泥ダンゴ・フェスティボーに行ってくる」
「このド畜生がぁ!」
メイド長が、専用パイプ椅子でヒロシの後を追った。
★
街中をパイプ椅子で爆走するヒロシ。
メイド長が、ヒロシとの距離を詰めてくる。
ちなみに、メイド長専用パイプ椅子はこうだ。
~メイド長専用パイプ椅子『クレイジー・ライノセラス(頭のおかしいサイ)』~
型番:PC85B TypeR
ボディカラー:ブラックパール
エンジン:魔導核1基
トランスミッション:4速AT(スポーツモード搭載)
ブレーキ:なし(メイド長の足で制動)
馬力:20
最高時速:160キロ
ハンドリング:3
スピード:2
加速度:2
オプション:湯沸かし器
特徴:オンロード・オフロード両用、ベルティーナ・スレイヤー(ハリセン)格納ホルスターx4個装備
その他:街乗り用、車検・車庫証明不要(折りたたみ式)、ヘルメット不要(自動車扱い)
真向勝負は分が悪い。
あれをやるか……。
「ステルスモード、オン!」
ヒロシ専用パイプ椅子は、見事に不可視化する。
だが、ヒロシは消えていない。
どうみても、ただの空気イス……が走っているだけ。
「おい! ヒロシ本体が丸見えじゃねぇか!」
メイド長は、スポーツ・モードでヒロシを追撃する。
ヒロシの椅子(ヒロシ本体)が時速80キロに到達したときだ。
並走するメイド長が、淹れた紅茶を差し出す。
「ヒロシさま。お茶をどうぞ!」
「なんで今?」
「三時なので」
「惨事になるからヤメロっての……」
カーブを抜けた先の直線の道が、ヒロシの視界に飛び込んできた。
「好機! ブースター、オン!」
加速するヒロシのパイプ椅子。
「おい、ヒロシ! お茶の時間だって言ってんでしょうがぁ!」
かくして、ヒロシの逃亡劇が始まる。




