第十三章77 【覇王杯/オーバーロード・カップ/レリア・ニア・トゥルーヴェリティチーム】25/可能性を残したいのです2
【黒髪のレリア】は、【緑髪のマリア】に対して、【謎】と【覇王/オーバーロード】を目指す【ティシェルリア姫】の意思は5分と5分だと告げた。
その上で、
『わたくしはどちらにも可能性を残したいのです。
わたくしが、【謎】に傾けば、バランスが崩れます。
だから、貴女の申し出を受ける訳には参りません』
と言った。
【緑髪のマリア】は、
『お姉さん(【赤髪のミリア】)が【謎】に傾いたらどうするの?』
と聞いてきたが、
『断言いたします。
姉は右を向けと言われて右を向く性格ではありません。
それが例え正しくても、自分で納得いかなければ首を縦には振りません。
だからわたくしは確信しております。
姉は、【謎】には行かないと。
説得される事はありません。
なのでわたくしも返事はノーです』
『なら別の力も見せましょうか?
謎の力は【声遊】と【代用事象】だけじゃないわ。
他にもいくつもある。
例えば・・・』
『いいえ、もう結構です。
【謎】にならないと決めた以上、貴女も一応は敵になります。
例え、自分自身だとしてもね。
ならば、敵からこれ以上塩を送られる訳には参りません』
『どうしても、【謎】になる気は無いと?』
『えぇ・・・申し訳ありませんけど・・・』
『貴女も大概、頑固よね。
でも、安心したわ。
私はそうでなくてはね。
例え、敵に回っても貴女の事、結構好きになったわ。
誰かにこうしろと言われたから簡単に意見を曲げるような相手は私も必要とはしない。
自分がこういう意見を持っているから意見を曲げない。
それが例え圧倒的な力の差は大多数の意見であっても。
自分の信念は曲げないと言うことよね。
確かにそれはプリンセスとしての品格を示すものでもあるわ。
良いわ・・・
また、改めて交渉に来るかも知れないけど、とりあえず一旦、引かせてもらうわ。
交渉決裂だけど、気分は良いわ。
じゃあ、またね』
と言って去っていった。
立ち去ったのを確認すると、【黒髪のレリア】は、
『さて・・・
仕切り直しと行きますか。
これから【識者】にアピールをしないといけませんものね』
と一言告げて、【物語】を展開させるのだった。