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第十三章69 【覇王杯/オーバーロード・カップ/レリア・ニア・トゥルーヴェリティチーム】17/【代用事象】18

 【ミカルエ】に【神機】の加護は無い。

 それは【出生】が【魔】と【仏】だからである。

 そのため、彼には【神】の祝福が得られないのだ。

 だが、【神機】の基本スペックだけで、【魔】と【仏】の軍を撃退し続けていた。

 それは、彼のパイロットとしての才能が優れているからである。

 いつしか彼は、【魔の軍】からは、【神の手先】、

 【仏の軍】からは、【神への内通者】、

 として呼ばれる事になる。

 素直に、【神童】や【神の子】などの様に褒めないのは彼が2つの軍から迫害されてきた事の名残である。

 彼を賞賛したり、凄いと認めてしまうと、自分達の事が正しくないと思えるため、彼を卑怯者の様に呼ぶ事で、間接的に彼は凄いと評しているのである。

 そして、この迫害は【彼】だけではない。

 愛し合い、彼を授かった彼の両親もまた、同軍の存在達になぶり殺しにされている。

 他軍と密通したのが許せなかったためだ。

 また、彼の家族以外にも、他の2軍と交流しようとした者達は例外なく迫害を受けてきた。

 それでもつながろうとする者達には【秘密警察】などがやって来て、拷問の末、殺害したり、投獄させたり、強制労働したり、戦争の玉避けに使ったりなど酷い事が横行している。

 戦争とはそう言うものである。

 第三者の目から見て、どんなに非道な事だと移る光景も大勢の人数になれば、その善悪を判断する思考が鈍り、邪悪な行いを肯定させる。

 特に人間と呼ばれる種族は、集団になると凶暴性を増す生き物である。

 三人寄れば文殊の知恵とも言うが、たくさん居れば、良い行動が取れるかと言うとそうではない。

 たくさん居れば、それだけ、間違った考え方が入る可能性が増す。

 その間違った考えは自分の正しさを装うために、時として、正しい事を強引に否定するため、無実の罪を着せる事がある。

 それに踊らされた周囲の者は自分達の欲望を優先させるために、本来であれば正しい事を述べている者を弾圧する。

 戦時下において、戦争が間違っていると主張する者が虐殺されるのもそう言った流れの1つである。

 戦争とは一人で出来るものではない。

 それを迎合する者が過半数を超える事によって、それは肯定される。

 間違った判断をしている大勢の集団が戦争を引き起こすのだ。

 本当は違うと思っても周囲からの同調圧力がその間違った行為を肯定される。

 それによって、正しい者の秩序は奪われ、やがて戦火を引き押す。

 一所懸命生きている者達が蹂躙され、悲劇となる。

 その悲劇が、時には、復讐心を煽り、攻撃された者が武器を取る。

 そうやって戦争は拡大していくのだ。

 だから、集団になれば賢くなるのではない。

 時には愚かで馬鹿になるのだ。

 間違った指導者が、それを煽ることによって。

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