第十三章68 【覇王杯/オーバーロード・カップ/レリア・ニア・トゥルーヴェリティチーム】16/【代用事象】17
【黒髪のレリア】と【緑髪のマリア】が【謎】の勢力として使う力、【代用事象】として、【太陽系】から約123光年離れた位置にある所で行われている3つ巴の最終戦争を喧嘩の結果(往復ビンタという結果)とする事とした。
それではその【最終戦争】を少し覗いてみよう。
「・・・敵は2つ居るんだぞ。
どちらか一方とだけ相手なんか出来るか」
一人の男がそう、告げる。
その男の名前は、【ミカルエ】と言う。
彼は、【神機】/【サマオカミ】のパイロットである。
彼が撃墜した【魔機】は37機、【仏機】は43機である。
いわゆる【エースパイロット】と言うやつである。
【神機】は、【神】の【奇跡】を動力としている【機体】である。
【神】への【信仰心】の高さが、【神機】の性能、基本スペックを上げるとされているが、生憎、彼は、【魔機】の軍に所属する男性と【仏機】の軍に所属する女性の間に産まれた混血児であった。
どちらからも迫害され、結局、彼はそのどちらでもない【神機】の軍に所属する事になった。
彼は、【魔機】の軍からも【仏機】の軍からも【裏切り者】として憎まれている。
また、【神機】の軍からもその才能を疎まれている。
彼にとっては安住の地はこの3軍の何処にも無く、精神的に孤立していた。
だが、そんな彼にも唯一心を許す存在が居る。
【神機】の軍に所属する少女、【聖女】/【ユリーカ】である。
【ユリーカ】は、【神機】の軍の【信仰】を高めるための【象徴】の一人であり、【恋愛】は御法度である。
彼女は【地球】で言えば、【シスター】などの様に、【神】との【結婚】を宿命づけられている。
それは【神】のために生き、【神】のために死ぬと言う事も意味していて、人生において自由は一切ない。
だが、それでも【ユリーカ】は、【ミカルエ】に優しくしてくれた。
【信者】の多くが、
「行けません、姫様(【ユリーカ】の事)、
穢れが移ります。
この者は【魔】と【仏】の混血児。
どんな病気がうつるか知れたものではありません。
離れてください」
などと蔑んだが、【ユリーカ】は、
「救いを求める者に、【神】も【仏】も【魔】も関係ありませんよ。
迷える子羊よ、祈りなさい。
さすれば、救いの手は貴方にも平等に訪れるでしょう」
と言ってくれた。
迫害を受け続けてきた彼にとって、それは救いの一言だったのだ。
それから彼は彼女のために命を使う事を決意した。




