第十三章48 【覇王杯/オーバーロード・カップ/ミリア・ニア・トゥルーヴェリティチーム】21/【代用事象】9
【木村 楓】は【山梨県】の実家から、歩いて【談合坂サービスエリア】に行くことにした。
そこで、【ヒッチハイク】をするためにだ。
バスに乗れれば、【平和橋/富士急バス】で徒歩4分の距離になるが、ルールとして食費以外の持ち金の使用は禁止されている。
なので、徒歩36分という距離は少々きついが頑張っていくしかない。
だが、その前に、【楓】が【旅に出る】準備をしなくてはならない。
まずは、【バイト】をしばらく休むと言う連絡を入れなくてはならない。
それ以外にも同居している父、母、姉の3人にもしばらく出かけると言う事を伝えなくてはならない。
そう言った諸々の準備を一週間前から色々手を回して居たが、それを伝えると中継時間が無くなるので割愛させてもらうが、過不足無く、準備を整えて予定日である8月18日に出発した。
次に【楓】の容姿についてだが、あまり特定の芸能人で似ていると言う事は言われた事はないが、有名イラストレーターが描いた【美人】のイラストに雰囲気が似ていると言われた事がある。
だが、探せば、芸能人でも似ている雰囲気のタレントは居そうな感じである。
有名なタレントでは見られないと言う感じで、どこにでも居そうな一般人の美人と言った印象だ。
【赤紙のミリア】が彼女を選んだ理由は、あまり美人過ぎると、(車に)乗せてくれる人もちょっと身構えるだろうと考えて、そこそこの美人というチョイスをしたのだった。
この勝負は美人なら良いと言う訳ではない。
親しみやすさを持った美人の方が有利だと判断したためである。
【楓】はとりあえず、【西】を目指す事にした。
問題は誰の【車】に乗せてもらうかだ。
【ヒッチハイク】の定番とも言えるのは行きたい場所を【ボード】などに書いて、乗せてくれる【車】を探すと言う事だが、いきなり最終目的地の【鹿児島】と書いても乗せてくれる【車】は見つからない。
とりあえず、まずは関西方面を目指して、と言うことになった。
関西の何処?と決めてしまうと乗せてくれる車も少ないから、とにかく、西に行ければ何処でも良いと判断して、【関西方面】と書いたのだが、考えを改めた。
行き先を【新大阪】に設定した。
何故、【新大阪】か?
それは【山陽新幹線】に乗るためである。
【ヒッチハイク】のルールとして、【車】じゃなきゃ駄目だと言うルールはない。
電車でも【移動のためのお金を出して】もらえるのであれば、それは有りという事になっている。
なので一か八か、【新大阪】から【山陽新幹線】で、【博多】を目指そうと思ったのだ。
【博多】ならもう【九州】に入っているから、後は南下して行って【鹿児島】を目指すと言う形だ。
元々持っているものであれば、持参する事も可能なので、【電車の時刻表】と【全国のロードマップ】は、持ってきている。
幸い、彼女の父親が持っていたのでそれを借りたと言う事になる。
そうやって彼女の【ヒッチハイク】はスタートする事になる。




