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異世界召喚者は、超膨大な魔力をひた隠す。  作者: 鬼瓦
第2章 異世界生活

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91. ナダル鉱山①

 我々【黄金の大地】パーティーは、ギルドからの指名依頼でナダル鉱山の魔物討伐に向かっている。

 

 今回の依頼はEランクパーティーとして事前に情報収集を行い、ある程度の準備をしている。

「このまま進むと、ブラックウルフが出没する場所に着くけど、その前に一旦休憩しよう!」

 鉱山への道のりは山を越えた先にあり、道幅も狭く勾配がキツイ箇所もある。

 休憩するには丁度よい場所を見つけ、全員で休む事にした。

「丁度いい機会だから皆のレベルを確認しておこう!」


 パーティー名:【黄金の大地】Eランク   

 リーダー  :コウ 【薬師】  (人間族・16歳・男性)   レベル14

       :レイナ【クルセイダー】(人間族・16歳・女性) レベル14

       :ココ 【ティマー】(猫人族・14歳・女性)   レベル14

       :タカ 【僧侶】  (人間族・16歳・女性)   レベル 3

       :シノ 【魔法剣士】(人間族・16歳・女性)虚偽 レベル14

       :ラン 【魔法使い】(人間族・12歳・女性)虚偽 レベル 1


「順調にレベルが上がっているな!」

 タカとランはパーティー登録してから初めての参加になる。

 本来ならばこのメンバーにテレサが加われば全員揃ってたが、あいにく別の依頼を受けていて不在だったので今回は参加していない。

 パーティー人数には制限はないが、人数が多すぎると報酬金が少なくなるので低いレベルでは3人~5人が妥当で、それ以上の人数になると報酬金の分配でもめ事が多くなる様だ。

 ただ、レベルが高くなると報酬金が高い依頼を受けお金に余裕ができ人数も多く組めるので、支援系や生産系などの後衛職を入れたり、用途に合わせて奴隷を雇ったりするらしい。

 用途に合わせた奴隷だが、当然色々ありだ!

 俺達のパーティーでは奴隷は必要ないし過剰戦力の様な気もする。

 男が俺1人なので女は必要ない・・・というか男が欲しい・・・勘違いしないでほしい!

 男好きという訳ではない!俺は健全な男で、女の子が好きだ!ただ男1人だと色々不便で男同士の話しが恋しくなる。

 取り敢えずこのメンバーにココの従魔であるクロとシロ、俺の召喚魔であるロキにダークナイト・それに人族化していない黒蜘蛛の子供達が6匹いる。

 この人数だが、はっきり言ってお金のトラブルは全くない。

 レイナもココもお金には興味がなく冒険者として生活が出来ればいいようで、どちらかと言うと伴侶を探しているような行動が見受けられる。

 シノ達従魔にはお金は必要ないし、タカは元の世界に戻るまで協力し合う間柄だ。

「Fランクにしては魔法系が多くて過剰の様な気がするが、安全性を考えれば最高の組み合わせだな!」

「ココだけ魔法を持ってない!」

「そんな事はありませんわ~ココさんにはクロとシロが魔法を覚えるようになりますわ!」

 ココが悲願で愚痴をこぼすと、レイナがホローする。

「そうだよ~ガルテノが言っていたじゃないか!クロは火魔法系、シロは治癒魔法と水魔法系を覚えて、2匹共角がはえると雷撃も放つようになると!」

 ガルテノの言葉を思い出し、ココを慰める。

「そうですわ~従魔の魔法はすなわち主であるココさんの魔法ですわ!」

 落ち込んでいたココを見てレイナも持ち上げる! 

「そうだよね~ココにはクロとシロがいるからね!頭も良くとても強いし、大人になれば魔法も使えるようになるからココが一番最強だね!」

 ココの機嫌が良くなった!

 俺とレイナは一息つき、タカはニコニコとほほ笑んでいる。


「休憩も済んだし、そろそろ行きましょうか!」

 俺の言葉に、くつろいでいた皆が準備を始める。

「コウ様~この先の街道にはブラックウルフが出現すると聞いていますので、私が先頭に立ちますわ!」

「私がクロとシロを連れて先頭だよ!」

 レイナとココが順番をめぐって言い争うが、2人揃って俺に決めてくれと睨む!

「斥候として私のロキを先行させ、パーティーの先頭はお2人でお願いします。その後ろを俺とタカにランが続き、殿はシノで行きます。」

「コウ様に従いますわ~」

「わかったよ!クロとシロには左右を見張らせるよ!」

 うちのメンバーは物分かりが良くて助かる!

「私達は何をすればいいの?」

 タカが尋ねてきたが、現状ではレイナとココで対処できるし、想定外の事が起こってもシノが対応するから心配はない。

 もしもタカに危害が加わるようなら、俺が身を挺して守るつもりだ!

「タカとランは初めての戦闘になるけど、パーティーでの自分の立ち位置を覚えてほしい。」

「僧侶の役割は戦闘の補助と怪我の治療ね、魔法使いのランは物理攻撃が効かない相手や、大人数を相手にする時に魔法を使うのね!」

「あと後衛職は、直接戦闘には参加せずに距離を取る事だね!」

「私達が襲われると、前衛の人達が戦闘に集中できなくなるからだね!」

「そうだね良くわかっているね~あと一番大事な役割があるんだ!」

 彼女はRPGゲームはやった事がないと言ってた割には良く知っている。

「一番大事な役割とはナニ?」

 少し間を置いて話そうとした時に、斥候として先行していたロキが戻って来た。

「ロキ~魔物がいたのか?」

 俺の足元に座り、頭を撫でると首を上下する。

「この先に魔物がいるようだ!レイナ様は正面を、ココはクロとシロを両側に展開して備えるように!」

 魔物が居ると思われる前方の左右の茂みが揺れている。

 ココの指示でクロとシロが左右を進む!

「ロキはレイナ様の傍にいるように~タカは俺の後ろに居て下さい。」

 タカは少し緊張しているのか、足取りが乱れている。

「聖女様~ご安心下さい。ご主人様なら何の問題もありません!それにランがお傍にいますので!」

 不安そうな彼女にシノが優しく声をかけ、娘のランにも指示を伝える。

「聖女様の傍を離れず、怪我一つも付けてはなりません!」

「はい、お母さま!」

 前方の茂みに隠れていたブラックウルフの集団にクロとシロが飛び込むと、驚いたように街道に飛び出して来た。

 両側から同時に襲われたら対処に困るかもしれないが、正面だけで姿が予め分かっていると対処がし易い。

「正面から突っ込んできますわ!」

「タカは魔法を使用しないように~ランの攻撃魔法は?・・・何でも構わない!威力を確かめておきたいので一度使ってくれ!」

 俺も火球の魔法をレイナの前に来る魔物に放つ。

 ランは初めてなので、魔法制御に戸惑っているようだ!

 俺の火球で何匹かは後方に飛ばされたが、まだ致命傷を与えるだけの威力はまだない。

「コウ様~援護有難うございます!」

 俺の火球に当たらなかった残りの魔物が一斉にレイナに襲い掛かる!

「ここから先は行かせませんわ!」

 レイナの気迫が伝わってくる。

 魔物がレイナに近づくその瞬間、後ろにいたランの小さな悲鳴が聞こえたと同時に、空から水魔法の矢が次々と飛んできてレイナの前にいた全ての魔物を突き刺していた。

「エッ!」「エッ!エッ~」

 レイナの声だけでなく、ココも俺も同じく驚きの声が出た!

「何がおこった!」

「何なの?空から水の矢が飛んできたよ!」

 目の前にいた全ての魔物は一瞬で地面に倒れていた。

「これは~水魔法のウォーターアローですわ!」

「すごい~誰の魔法なの?」

 レイナとココの反応に、俺はすぐに後ろを振り返った。

 俺の目に映ったのは、困ってあたふたしているランの姿に、申し訳なさそうに頭を下げているシノの姿があった。

 

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