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異世界召喚者は、超膨大な魔力をひた隠す。  作者: 鬼瓦
第2章 異世界生活

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90. 情報共有

 ギルド出張所の室内の隅で、【黄金の大地】パーティーのメンバーで話し合いが行われていた。


 パーティーの方針として依頼内容を十分に検討し、色んな意見を出し合って情報を皆で共有してから行動を起こすと決めていた。

 ただしシノとランは身の回りの世話をするだけで、話し合いには加わらず言葉も殆ど話さない。

 それが当たり前になっており、皆は全く気にしていなかった。

「防御魔法は無いのかな?」

 魔法職がいるパーティーでないと依頼達成は不可能だと言っていた事を思い出し、物理攻撃がダメでも魔法は有効ではと思いついた。

 俺の言葉で魔法についてレイナが説明してくれた。

「僧侶職の魔法に障壁や結界魔法があります。私自身もレベルが上がれば防御魔法を取得できますが、現在では回復魔法だけでコウ様のお役には立てなくて申し訳ありませんわ。」

「そんな事はありませんよ~レイナ様の攻撃力と防御力は我々の要です。スライムには分が悪いと言うだけでブラックウルフの討伐は頼りにしていますよ!」

 レイナは少し機嫌が良くなった。

「私も結界魔法は使えませんが、土壁の魔法を覚えましたので酸の攻撃は防ぐ事が出来ると思います。」

 タカはシノによる魔法訓練で、土魔法のアースウォールを取得し練習をしていた。

「タカさんが土魔法が使えるなんてすごいね!防御は土壁で攻撃の魔法はどうする?」

 ココの疑問にまたもや俺が自信満々に答える。

「俺の火魔法と水魔法でスライムを倒そう!」

「コウ様の魔法攻撃なら、簡単に倒せますわ!」

 レイナの言葉に浮かないタカの表情が気になった。

「何か気になる事がありますか?」

 タカに聞いてみた。

「万が一に魔法が効かなかった場合はどうするのかな~と思ったの!」

「スライムは魔法に弱いと冒険者の皆が口を揃えて言ってたけど、何の魔法に弱いのかは誰も言わなかったような!」

 ココも少し首を傾けた。

「コウ様の火魔法は強力ですわ!スライムはひとたまりもなく燃え尽きますわ!」

 何故かレイナが自慢している。

「レイナ様~俺の魔法はそんなに威力はありませんよ~タカが心配してるように、別の方法も考えておきましよう!俺の火魔法で対処できるならそれに越したことはありません。」

「コウ様がそうおしゃるのなら~」

 レイナのトーンが低くなったが、何か思いついたようにココが大きな声を出した。

「アッ!そう言えばスライムに遭遇したけど無傷で逃げてきた冒険者達の話を思い出したよ!」

 ココの言葉に皆が注目した。

「たしか・・・襲われた時にケムリを発生させる玉を投げつけて、食料や水が入っているバックや松明などあらゆる物を投げつけたら襲われなくなって逃げられたと言っていたよ!」

「ケムリが効果あるなんて信じられませんわ!スライムに目や鼻はないでしょう!」

 レイナの言う事は分かる。

「ケムリの効果は検証をすればわかるけど、投げ付けたバックに何が入っていたかはわからないから検証は難しいな~」 

 俺の考えににタカも言葉を付けたす。

「ケムリ玉以外にも魔法に代わる道具があれば購入しておかない?」

「先ほどの道具屋に色んな種類の魔道具が売っていましたわ。」

 レイナが答えると、服や下着以外の物もちゃんとチェックしていたんだと感心してしまった。

「それじゃ~役に立ちそうな道具を買って鉱山に行こう!」

 ココの元気な声で出発する事になった。

「コウ様~私達は道具屋で必要な物を購入しておきますので、ギルドの手続きをお願いしますわ!」

 レイナはココとタカに耳打ちをしてから俺にそう告げると、3人で道具屋に向かった。

 残された俺は余り気にしないで、シノとランを連れて受付で討伐依頼の手続きを行った。


 依頼の事務手続きには思ったより時間が掛かってしまった。

 冒険者の数が多いのもあるが、ギルド職員がまだ慣れていないせいでもある。

 比べるのは失礼かも知れないが、ベテランのギルド職員は受付業務一つをとっても凄いと感心する。

 それでも一所懸命対応しているギルド職員を見ていると、以前の自分と重ねてしまい応援したくなる。

 この世界では安全で安定した仕事はあまりない。

 冒険者は自由ではあるが、一歩間違えば死につながる危険な仕事だ。

 その冒険者達を支えているのがギルドだと考えればギルドの仕事はやりがいのある仕事だろうし、俺達が役に立つのであれば是が非でも貢献したい。

 最初は失敗するかも知れないが気にすることは無い、失敗をしないとベテランにはなれないからな~今回の依頼もそのつもりでいる。

 頭の中であれこれと考えていると、シノが腕を掴んできた。

「ごめん~考え事をしていた!」

 シノが心配そうな表情をしていたので、気持ちを切り替えてギルドを後にした。


 ギルドから教えてもらった道順を頭に覚え込み、指名依頼と言う事でギルドからダンジョン産の初級ポーションが支給された。

 外に出ると道具屋の前に人だかりが出来ている。

 近くに行くと男ばかりの冒険者達が集まっており、その中心に見た事のある女性達が居た。

「アッ!コウ~ここだよ~」

 ココが大きく手を振りながら俺の方に声を掛ける。

 同時に周りにいた男達が一斉に俺の方に振り向いた。

「エッ!・・・どうも~」

 男達の視線が痛い!いや・・・怖いぐらい殺気を感じる。

 俺は平和主義者だ!

 重圧に耐えていると3人の女性達が俺の傍に来て腕を掴む。

「申し訳ありませんが、彼氏が迎えに来ましたので失礼いたしますわ!」

 レイナが男達に説明すると、レイナとココが俺の左右の腕を掴んだままその場を後にする。

 タカはランと手を繋ぎ、シノと共に後ろからついてくる。

 残された男達のボヤキの声が聞こえたが、聞こえないふりをして早足にその場を去った。

「いったい何をしていたんだい?」

 両腕を掴んでいる2人に問いかけた。

「パーティーへのお誘いですわ!」

「それもしつこいの~パーティーは組んでいるからと断ったら、女だけでは危険だからと言うからパーティーに彼氏がいるから大丈夫だよと言っても引き下がらなかったから大変だったよ!」

 レイナとココが説明すると、タカも困ったように話してくれた。

「いくら説明しても納得しないのでホント困りました。何故あそこまで私達に執着したのかがわからないわ?他にも女性達は居るのよ!」

 タカはそう言うが、俺から言わせればこの3人は他の女性よりオーラが違う!容姿は文句のつけようがない程美人でスタイルが良く、他の女性達と比べようもない高レベルであれば男性達が放っておくわけがない。

 ただ彼女達は自分達のレベルの高さを認識していないうえに、しがない俺に好意を寄せている。

 男性からみれば高嶺の花に見えるだろうが、何故か俺は運が良い。

 ゲームの主人公の特権だ!あとは色々楽しめる要素があればこの世界も悪くないだろう!

 嬉しさを隠しながら、ナダル鉱山へと足を進めた。

「コウ~嬉しそうだね~」

「冒険者の男達が羨ましがる美女3人と一緒に居られるのは、男として悪い気分ではないよ~」

 俺の言葉に両腕を掴んでいる2人が、体を引っ付けてくる。

「ただ気お付けてくれ!あきらめの悪い冒険者もいるからまた絡まれるかも知れないからね!」

「私達は大丈夫ですわ!」

「あんな連中襲ってきても返り討ちにするよ!」

 レイナとココなら大丈夫だろう!

「タカも気お付けてね~」

 俺の言葉に反応してタカの声が聞こえた。

「私はか弱い女性だから、コウが守ってくれるはよね!」

「私が守る!」

 タカと手を繋いでいるランの小さな声が聞こえた。


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