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異世界召喚者は、超膨大な魔力をひた隠す。  作者: 鬼瓦
第2章 異世界生活

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88. 依頼内容

 指名依頼の詳細を聞くために、ギルド出張所に向かって移動をしている。

 

 ダンセット遺跡入口の付近に新たに出来たギルド出張所は冒険者の人数も増えた様で、セシール村と繋ぐ街道も良く整備されていた。

 行き交う冒険者や商人の姿を目にしながら、1時間もかからず出張所に着いた。

 ギルド出張所はダンセット遺跡に地下迷宮が発見された事により、魔物の流出を事前に防ぐ為の防衛施設を兼ねた場所で、今は引退しているがベテラン冒険者のロイドが責任者として任されている。


「暫らく来ない内に施設が充実しているな~」

 以前建築中だった建物も完成しており、営業も軌道に乗っているようだ。

「あっ!食堂のお店が出来ているよ~隣は雑貨のお店の様だよ!」

 ココが食堂からの匂いにすぐ気付いたようだ!

 ギルド出張所の建物も増設されており、一通りの機能は揃っている様だ。


 ギルド出張所の中に入ると受付カウンターが増設されており、冒険者の姿を多く見られる。

「指名依頼を受けた【黄金の大地】のパーティーです。」

 受付嬢に挨拶すると、奥の部屋から若い女性の声がした。

「コウさん~」

 声がする方を見ると当初から居る新人受付嬢のサランだった。

「コウさん~お待ちしていました!・・・あの~隣にいる女性は?・・・その女の子は?」

「はっはっはっ~パーティー仲間でー」

「コウの妻でタカと言います。隣は私の妹のランです。同じパーティーに所属しておりますので夫同様によろしくお願いしますね!」

 俺の言葉をさえぎるようにサランに対してすぐさま説明をしていた。

「ほっほっほっ~これはしっかりしておる奥方じゃのう~」

 サランの後ろから男が声を掛けてきた。

「ロイドさん!お久しぶりです。お元気でしたか?」

 元冒険者だけあってがっしりとした体格で、一段と風格が増していた。

 彼は副ギルド長のトーマスからの信頼も厚く、新人冒険者からは頼れるおじいさんという存在だ。

「お前さんも元気でなりよりじゃ~」

「お陰様で何とか今日まで無事に過ごせています。」

「冒険者としても中々活躍しているようじゃの~」

「そんな事はないのですが、我々のパーティーに指名依頼が来たと聞きましてお話を聞かせて下さい。」

 ロイドに案内されて奥の部屋に移動した。

 詳細説明には俺の他にレイナが付き添い、他の仲間は施設内の見学をする様だ。


 小ぢんまりした部屋だが居心地がよく落ち着ける空間に案内され、3人はソファーに腰を下ろした。

「早速だが依頼内容の説明をしておこう!」

 ロイドの表情がさっきと打って変わり厳しい表情になった。

「ダンセット遺跡の奥にナダル鉱山があるのだが、近ごろ鉱山への街道にブラックウルフの魔物が出現してきた。」

「ブラックウルフですか?・・・Eランクでも対処できるパーティーは結構居るはずですが、どうして我々に指名が来るのですか?」

「君らのパーティーを含めて6組のEランクパーティーがセシール支店に登録されているが、パーティーメンバーに魔法職がいるのは2組だけじゃの!残りの4組は人数や構成は違うが魔法を使うメンバーがいない。」

「ブラックウルフであれば魔法職が居なくても対処できるのでは?」

 俺の疑問にレイナも言葉を挟む。

「攻撃魔法があれば戦闘は楽でしょうけど、物理攻撃でも問題ありませんわ!それに多少の傷は初級ポーションでもあれば回復魔法がなくても対処できますわ!」

「その通りじゃ~街道の魔物は彼らでも対応可能なのじゃが問題はその先の鉱山の中に現れる魔物が厄介での~」

 ロイドは顎に手のひらをかざし如何にも困った表情をした。

「鉱山の中にどんな魔物が居るんですか?」

 俺は恐る恐る尋ねた。

「スライムじゃ!」

 ロイドの重苦しい言葉に、意表を突かれた感じに聞き返してしまった。

「スライムですか?・・・あのスライム!」

「そうじゃ!今まで居なかった魔物が突如現れたんじゃ!」

「確かに今まで居なかった魔物が現れたら驚くかもしれませんが・・・スライムですよね。」

「そうじゃ!あのスライムのお陰でブラックウルフを倒しても、スライムには歯が立たないんじゃ!」

「いやいや~あのスライムでしょう!一番簡単に倒せるんじゃないですか!」

「そうじゃの~お前さん達なら簡単に倒せるから指名依頼が来たんじゃ!」

 ロイドの言葉に違和感を感じながらも、スライムはどのゲームでも序盤に出現する誰でも倒せるのが定番の雑魚キャラのはずだが、ここでは違うのかもしれない。

「コウ様!スライムを倒す物理攻撃は上級の剣士以外は効果がありません。その代わり魔法攻撃には非常に弱いと聞いています。」

「えっ~そうなの!」

 レイナの言葉に驚いてしまった。

「特にスライムの酸攻撃は強力で、依頼を受けたEランクの冒険者は深手を負って戻ってきておる。」

 ロイドは申し訳なさそうに話す。

「スライムのお陰で鉱山の産出が止まっており、テリオス商会から納品の催促があったが理由を伝えると、お前さん達のパーティーなら解決してくれるとアドバイスを受けた経緯があるんじゃ!」

「鉱山から産出する鉱石はテリオス商会に納品するんですか?」

「そうじゃのう~約4割は商会が買取、残りはギルドが買い取り鍛冶屋や行商人に卸しておるの~」

「この鉱山からはどんな鉱石が産出しているのですか?」

「うむ~主に鉄鉱石じゃな!他に色んな魔石が取れるが、量はわずかじゃ!」

「鉱山は今はどのような状態ですか?」

「鉱山は立入禁止にしておる。逃げてきた坑夫達の話しでは、発掘場所の近くの壁に小さな亀裂が出来てそこからゼリー状のスライムが現れたそうじゃ!」

「分かりました!この依頼、【黄金の大地】が受けさせて頂きます。」

 俺の返事にレイナも頷き、ロイドと打合せを行なった後、部屋を退出した。


 レイナとロビーに戻ってみると、内のメンバーが誰一人居ない!

 受付カウンターにサランの姿があったので尋ねてみた。

「皆さんは敷地内の見学をすると言って、外に出ていますよ!」

 サランが教えてくれると、レイナが促す様に俺の手を握り外に出た。


 レイナに手を引っ張られながら外に出てみると、新しく出来た施設が目に映った。

「コウ様~私達も施設の見学を致しましょう!」

 はしゃぐレイナに引っ張られながら、先ずは雑貨屋に入った。

 店内は思ったより広く雑貨屋というよりは何でも屋の品揃えだ。

 武器・防具・魔道具・薬から日用品の服・靴・下着・鞄・洗面道具に化粧品まで置いてある。

「食料品以外は何でもあるな~」

 感心しながら気になった品物は鑑定魔法でランクをしっかりと確認していた。

「コウ様~このような服は似合ってますでしょうか?」

 レイナが少し地味ではあるが可愛らしい服を手に取り、アピールするように見せる。

「可愛いと思いますが、レイナ様は貴族でしょう!少し地味ではありませんか?」

「貴族といっても私は下級貴族の次女で、成人前に教会に預けられたのでよくわかりませんわ!それよりコウ様が気に入る服はこのような服ではないでしょうか!」

「確かに派手な衣装よりは落ち着いた方が好きですね。」

「こういう下着はお好きですか?」

 いきなり派手な下着を手に取り、俺に見せながら小悪魔な表情を見せる。

「レイナ様!!からかうのは止めて下さい!」

 突然の出来事でびっくりしたが、慌てて後ろに振り返り下着から目を反らした。

「この下着嫌いですか?」

「いや~嫌いではないけど~人目があるところではチョット困ります!」

「・・・好きなんですね・・・」

 レイナは勝手に納得した様な笑みを浮かべて、何か企んでいる表情がそこにあった。



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