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異世界召喚者は、超膨大な魔力をひた隠す。  作者: 鬼瓦
第2章 異世界生活

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85. 新冒険の始まり

祝・40000PV達成!

今回から第2章の始まりです。

 異世界に召喚されてから、かれこれ3ヶ月は立っただろうか?


 召喚されてからこの場所に移動されるまで一瞬だったが、実際は約1ヶ月過ぎていたので正確ではないだろう!

 状況が全く呑み込めないまま異世界に召喚されたが、ゲームの知識で運よく過ごせている。

 

 今の俺を支えているのが従魔で神獣の黒蜘蛛シノ、パーティー仲間のレイナ・ココ・テレサに同じく召喚されたタカ(聖女)が加わり、さらにタカの妹設定のラン(シノの子供で父親は俺らしい)の女性6人と男1人の世帯だ。

 セシール村を拠点に、ここグラッサの町で情報を集めながら活動をしている。


 正式にテリオス商会で雇われた2人(俺とタカ)は、工房の仕事を覚える為に一番下っ端がする仕事から始めた。

 

 俺と彼女は雑用の仕事を引き受けて、技術や知識を盗み取るように覚えていった。

 仕事は見て覚えろと散々言われたのが自然と身についている。

 世間では指示が無いと動かない人も稀にいるが、俺も彼女もそんな優良企業ではない場所で働いていたお陰で、精力的に短期間で仕事をこなしていった。

 ただ、工房内では一切魔力は使わないと決めていたので、他の薬師達からは魔力が無いから使えないと邪魔者扱いされたが、慣れたもので全然気にせず黙々とこなしていると、いつの間にか誰も小言を言わなくなり、我々の存在が当たり前の様になっていた。

 特に彼女の評判は痒い所に手が届く感じで、事前準備の手際がよいと評価されていた。 

 工房全体の仕事をこなすのは大変だったが、今まで働いていた会社よりむしろやり易い環境だった。

 さらに、特別に与えられた専用室の居心地の良さは格別だ。

 休憩時間に彼女と2人きりの空間が、彼女歴がない俺には掛けがえのない祝福の時間になった。

 これは頑張っている自分へのご褒美だと言い聞かせ、彼女との会話を楽しんでいた。

 彼女も仕事上の事だと割り切っているのか分からないが、嫌な顔をせずに俺の相手をしてくれた。

 ただ、彼女との会話の中で召喚前の日常生活が重なる事があり、親しみを強く感じさせられていた。


 レイナとココ達と合流するまでの約10日間、休む事無く工房での雑用をこなした結果、テリオス商会の工房部門の作業工程は全て覚える事ができた。

 

 ギルドから知らせが来た日、ソフィアにパーティー仲間がグラッサの町に到着した旨を伝えた。

 ソフィアからは今後の仕事依頼はギルドに指名依頼を出すので、工房の仕事と平行にギルドの仕事も受けて欲しいと頼まれた。

 ちなみにギルドを通して依頼を達成すると、ギルドの評価が上がりパーティーの昇格に繋がると言うソフィアの配慮だそうだ。

 直接依頼した方が簡単だと思うが、我々のパーティーのレベルが低いと依頼出来ない仕事があるという事実を後ほど知ることになる。


 久々と言っても10日程しか経っていないが、【迷える子羊亭】の食堂で【黄金の大地】パーティー全員が顔を揃えた。

 但し、テレサは妹の看病がある為、セシール村で新たに知り合った3人の可愛らしい冒険者達の面倒を見る事になっており、ここには来れない。

 その分セシール村の仕事はテレサにお願いしている。

 レイナとココ、それに今回からシノとランも人族化で女将さんに紹介する事にした。

「一段と賑やかになったわね~ここを自分の家だと思って頂戴!」

 女将さんには今日からパーティー全員がお世話になる事を伝えており、その分の料金も事前に支払っている。

 女将さんからは、お金はある時でいいよと言われたが、この世界では娯楽も無いし生活出来るだけのお金があれば生きていけるし、余ったお金は使い道がないので前払いをさせてもらっている。

 但し冒険者の大半は男で、その日暮らしの輩が多いのは事実。

 稼いだお金はその日の酒と女遊びに使い、貯金をする感覚がない。

 女性がいるパーティーは堅実だが、男性ばかりのパーティーはもっぱら娼館通いが多い。

 だがアデルの娼館通いは、そこいらの男とは違うと自分では言っていたが、あえて語らない。

 パーティーメンバーと打ち解けている彼女の表情を見ていると、ホット安心する自分がいた。

 シノもランも殆ど喋らないが、ココがとてもランを気に入った様でしきりに喋りかけていると、たどたどしくも一言二言と言葉が出て来て驚いた。

 ランには信頼できるメンバーの前では話しても構わないと伝えていたが、こうも早く言葉が出るとは予想外だった。

 これも可愛らしい猫人族のココの人柄のお陰かも知れない。

 シノは相変わらず話掛けれらたら応えるだけだが、自分の娘であるランが喋った時は思わず喜びの声が出ていた。

 俺以外は全員が女性なので食事は早めに切り上げ、それぞれの部屋で休むはずだったが、ココの提案で【迷える子羊亭】名物の温泉に全員で入る事になった。

 当然シノとランも裸の付き合いという事で、皆と一緒に温泉に入っている。

 俺は隣の女性風呂を仕切っている壁を見つめながら、1人静かにお湯に浸かって隣りから聞こえてくる笑い声を楽しんでいた。

「女性同士が仲が良いのは、俺も安心できるというもんだ!」

 隣からココの声がした。

「コウ~1人で寂しくない~そっちに行こうか?」

「大丈夫だよ~他の客も居るから大人しくしていてほしい!」

 ホントは誰も居なかったが、ココなら簡単にこの壁を飛び越えて来そうだったので、あえて人がいる様に答えた。

 内心は一緒に入りたいが、ここは涙をこらえて我慢はしたが体は正直に反応をしていた。

 

 宿では1人づつ部屋を準備してもらっており、タカのみ2人部屋でランと一緒だ。

 俺にとって彼女達は家族と同じの為、夜中は黒蜘蛛の子供達に各部屋の護衛に就かせてある。

 タカにはランが傍にいるので問題はないが、シノが俺の事を心配して皆に気付かれない様に蜘蛛の姿で部屋にやって来る。

 俺が声を掛けなければ朝まで蜘蛛の姿で護衛をするみたいだが、気配に気付いた俺はベットに入るように促す。

 シノはすぐに人族化になり、嬉しそうにベットに入る。

 俺も人肌のぬくもりがないとぐっすり眠れない様になっており、宿では当たり前の日課となっていた。

 夜はぐっすり眠るので、朝は寝覚めもよく元気だ!

 いつもの様に隣で肌を寄せているシノは寝ずに護衛をしている。

 俺の「おはよう~」の挨拶に「おはようございます。」の返事があると、そのまま抱きしめる。

 元気が有り余っている時は処理を頼むが、普段はキスをして体を触るだけでベットから起きる。

 シノは俺の身支度の準備を終えると蜘蛛の姿に戻り、自分の部屋に帰る。

 ちなみに朝方ベットの上でシノと楽しんでいる間に、各部屋で護衛をしていた黒蜘蛛の子供達が戻って来てシノに報告を済ませてからアイテムバックに戻っている。

 身支度が終わると、1階の食堂に降り皆が揃って朝食をとる。

 俺とタカは工房へ、レイナとココはギルドへ、シノとランは別行動を毎日繰り返しながら、暫くはこの生活を繰り返していた。


 今日も一日の仕事を終え宿に戻ると、レイナが俺に声を掛けて来た。

「コウ様!ギルドから指名依頼がありましたわ。」

 レイナの声が弾んでいる~指名依頼がとても嬉しそうだ。

「ギルドから【黄金の大地】パーティーに直接の依頼?」

「はい!依頼はセシール村のギルドからで、ナダル鉱山の調査依頼です。」

「ナダル鉱山?行った事は無いが、ダンセット遺跡の更に奥にあるとテレサさんから聞いた事があるけど~調査とは・・・何か問題が発生したのかな?」

「依頼内容はセシール村のギルドで説明するとしか教えてもらっておりませんわ~でも直接の指名はとても名誉でありますわ!」

 レイナの興奮も少し落ち着いてきたので、皆が集まるまでの時間で頭の整理をしておこう!

 この依頼は当然ソフィアがギルドを通して俺達に依頼した物だと考えられる。

 彼女と言うよりは、テリオス商会のマーロンの指示だが、何を企んでいるのか分からないがこの先の冒険が楽しみになって来ていた。


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