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異世界召喚者は、超膨大な魔力をひた隠す。  作者: 鬼瓦
第1章 異世界召喚

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81. 伝言

 グレン達【銀狼の牙】のパーティーは、グラッサの町からセシール村まで移動する相乗り馬車の護衛を引き受けていた。


 先日の騒動でグラッサに出入りしている商人達は、大忙しの様相を見せている。

 セシール村行きの相乗り馬車だけではなく、王都行もそれ以上に需要が増えている。

 今回の一件はこの領地の所有者であるダリア辺境伯にも報告されており、辺境伯は事態を重く見ており王都へ報告に行く準備を整えていた。

 辺境伯は私兵を持つことが許されているので都市の守備の強化と、隣国との防衛の要である砦の強化を国王に進言するつもりでいる。

 暫らく情勢が落ち着くまでは人の出入りは多くなる為、護衛依頼の報酬は上乗せされる事が決定している。

 冒険者に取っては有り難いが、それよりもギルドへの貢献度が大きくプラスされ今後の昇級には大いに影響するので、ますますギルドは活性化するだろう!

  

 朝早く、出発の時刻が来ると各方面行きの馬車は移動を始めた。 

 セシール村行きの先頭の馬車にはグレンとガルテノが、後方の馬車にはリナとユナ、それにミエールが護衛に就く。

 前回と同じく5日間の移動になる。

 道中は野盗や魔物の群れに出くわすのは当たり前だ。

 但し、名の知れた冒険者が護衛にいる馬車には野盗は手を出さないし、レベルの高い冒険者がいる場合は客が魔物の姿を見る前に討伐されるので、乗り合わせた客は安心できるそうだ。


 グレン達【銀狼の牙】パーティーはEランクになりたてで知名度が低いが、運よく野盗の輩とは出くわさなかった。

 魔物の遭遇は2回あったが、相乗り馬車への被害はなく無事依頼を達成していた。


「グレンさん~護衛の依頼お疲れ様でした。」

 受付嬢のエリスから労いの言葉と報酬を受け取り、コウから頼まれた伝言をエリスに伝えた。

「コウさんからですね~伝言は伝えておきます。」

 グレンは皆がくつろいでいるテーブルに報酬金を置き、無言で報酬を分ける。

「グレンさん~大金が目の前にあるのに浮かない顔をしていますね!」

 ガルテノが彼の様子がおかしいのに気づいていた。

「心配事があるのなら話して~私達はパーティー仲間ですよ!」

 ミエールも同じく感じ取っていた。

「グレン兄ちゃん~お腹の調子が悪いのなら私が魔法で治して挙げるよ!」

 ユナが心配そうにしていると、リナがグレンの手を握って呟く。

「リナはお兄ちゃんから離れないからね!」

 グレンは皆が心配しているのが申し訳なく、心の中のモヤモヤを吐き出すかのように話し出した。

「俺はコウ殿の手伝いをしたい!」

 グレンの思いつめた言葉に、誰も驚きはしなかった。

「パーティーのリーダーはグレンさんですよ~付いて行きますよ!」

 ガルテノが言葉にしたが、他の皆も同じ考えの様で頷いている。

「今回の騒動だけではなく常に危険が伴うかもしれない、下手をすれば最悪な事態にもなりかねないかもしれないんだぞ!」

 グレンは自分の事より、皆の事を心配して悩んでいたらしい。

「我々は冒険者ですよ!危険は承知の上です。」

「コウさんは私達の師匠ですよ!お手伝いするのは当然です。」

「リナとユナはお兄ちゃんが行くところに付いて行くからね~」

 危険を承知で自分の決断に付いて来てくれる仲間に、心から感謝したグレンだった。

「コウさんのお役に立てるならレベル上げも必要ですよ!」

「リナもユナも魔法の勉強をするからね!」

「そうだな~我々のレベルが上がれば、コウ殿の役に立てるはずだ!」

 グレンの笑みが見られて事に、皆は安心したようだった。

「お兄ちゃんお腹が空いたよ~このお金で美味しい物を食べよう!」

 ユナの一言に全員が頷いた。

 今日はゆっくり休んで、明日から精力的に活動する【銀狼の牙】のパーティーメンバーだった。


 翌朝いつものようにギルドに集合したグレン達は、受付のエリスと騎士の鎧を身に着けているレイナの姿を目にした。

 エリスから伝言を受け取ったレイナは、グレン達のいるテーブルに近づき隣のテーブルに腰掛けた。

 すぐにココが合流して、その後普段の衣装のテレサが子供ら3人と一緒に現れた。

 最初に声を出したのはレイナであった。

「グレン殿、コウ様の伝言有り難いございます。できれば今までの出来事を掻い摘んで話して頂きたいのだが!」

「承知した。」

 グレンは快く引き受けたが、ガルテノがテレサの横にいる3人の子供達が気になっていた。

「そちらの子供達は?」

「子供ではないぜ~俺達は【暗黒の使徒ジュニア】Fランク冒険者だ!」

「ごめんなさいね~薬草採取時に偶然知り合ったのですが、コウさんの依頼で薬草が必要との事で、彼らに協力をお願いした所なんです。」

 テレサが子供達の面倒を見る母親のような視線で話す。

「私とココさんはコウ様の指示でグラッサの町へ赴きますが、テレサさんは妹の看病がありますのでこの村に残り、子供達と一緒に薬草を集めてもらいます。」

 レイナの説明が終わると、今度はグレンが今までの経緯を説明してくれた。


 コウが今どのような生活を送っているかの状況がある程度知りたいと、レイナはグレン達に尋ねた。

「グレンさん達はコウ様にとって信頼できるパーティーです。今後はどのような考えでいますか?」

「俺達は冒険者なのでレベルを上げて高ランクパーティーを目指すつもりだ!そしてコウ殿が困っているのであれば、いつ何時でも駆け付けて手伝いが出来るまで精進するつもりでいる。」

「いつでもコウ兄ちゃんのお手伝いをするよ~何でも言って!」

「情報収集なら俺に任せて下さい。」

「薬草や鉱物等必要な物があれば私達を使って下さい。」 

 皆が、コウの役に立ちたいと思っている様だ。

「薬草や物品の収集は私達新人冒険者の仕事です~仕事を奪わないで下さい!」

 3人の子供達の中でしっかりしている女子が、ミエールに文句を言う。

「ミエールさん~ごめんなさいね。その仕事はこの子らに頼んであるから、無理な時はよろしくお願いします。」

 テレサはミエールに謝る。

「気にしないで下さい~必要な物が手に入るならば誰が集めても構いませんよ!」

「この子らも、コウさんの依頼をこなしていけば、立派な冒険者に成長するわ!」

 テレサはこの子らの面倒を見るつもりでいる様だ。

「セシール村はコウ様の生産拠点です。必要な物はテレサさんに準備してもらいます。グレン殿はコウ様が必要とされた時の為に、レベル上げをお願いします。」

 レイナの言葉にグレンが尋ねる。

「冒険者としてレベル上げは当然だが、具体的な目標は?」

「コウ様の実力であれば、【黄金の大地】パーティーは直ぐにDランクに昇級でき、その後はCランクを目指す事になります。Bランクはギルドの昇級試験がありますので受けるかはコウ様次第です。」

「コウ殿の隣に立つには、最低Cランクを目指さないといけないという事になるな!」

「Cランクですか?大きな目標ですけどなれますかね?」

「ガルテノ~出来ない目標ではないはずだ!目指すはBランクだ!」

「お兄ちゃんなら絶対なれるわ!私達が居るから大丈夫よ!」

「目標は大きいけど、やりがいがありますね!

 目標が定まった事により、【銀狼の牙】のパーティーは一致団結で今後の仕事に挑むこととなった。


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