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異世界召喚者は、超膨大な魔力をひた隠す。  作者: 鬼瓦
第1章 異世界召喚

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番外編④ 駆け出し冒険者の報酬

外伝・・・主人公がグリッサの町へ行く途中、神獣と従魔が倒した魔物の死骸を偶然手に入れた、新人冒険者3人の続編です。


 村を出てから1ケ月過ぎ、初めて討伐依頼をこなした帰りの出来事が、彼らの行動を大きく変えた。

 

 偶然見つけた高ランクの魔物の死骸から、高く売れそうな武具や牙など解体出来る部分だけを持ちかえって来た3人は、今後の冒険に影響するとは思ってもみなかった。

 

子供達には重労働であったが、3人の表情には笑顔が見られた。

 初めての討伐依頼を受けた3人は、襲われることもなくクエストを達成した。

 ただ討伐とは関係ない魔物の死骸を見つけた事が、ギルドでは大きな話題になっていた。


「あなた達!怪我はしていないの?」

 話を聞かされて生きた心地がしなかったエリスは、心配した表情で3人の姿を確認した。

「大丈夫だよ!しばらくその場にいたが、魔物は現れなかったぜ!」

「オーガの首を刎ねるぐらいの狂暴な魔物に遭遇したら、命はなかったわよ!!」

 エリスの真剣な表情と対照的に、3人は持ち帰ったホーンラビットの肉が食べれる事しか頭になく、エリスの言葉が耳に入ってはいなかった。

 エリスも解っている様子だが、ギルド職員の立場では伝えておかなければならない事である。

「はい!今回の報酬の金貨3枚よ!それにホーンラビットの解体手数料を差し引いた買い取り金額が銀貨3枚よ。お肉は持ち帰りで良かったわね!」

「はい!肉は自分たちで食べます!」

 3人は声を揃えて返事をした。

「依頼報酬以外の情報提供料が金貨1枚、オーガーの角の買い取りが金貨2枚よ!」

「エッ!何もしてないのにこんなに貰ってもいいの!」

 ロトはただ拾っただけでこんなにお金を貰えるとは想像もしていなかった。

「魔物の情報は重要なのよ~それも高ランクや災害級の魔物は尚更よ!それとオーガーの牙は、程度が良ければ金貨5枚以上するのだけど、今回は傷だらけで欠けてる部分のあるからこの金額になるわ。」

「持って帰る途中で、ロトが何回も地面に落としたからだよ!」

 ポエムが笑いながら言う。

「それでも金貨2枚で買い取って貰えるのは凄いね!」

 ナターシャはロトが牙以外の武具類も一生懸命運んでいたのを理解している。

「牙は粉末にして、薬の調合や武具の強化材料として色々な用途があるの!」

 エリスが解かりやしく説明したが、すぐに真面目な顔付で3人と向き合った。

「今回は運が良かったと思いなさい!あまり無茶せず、自分達の実力に合った仕事をしなさい!」

 エリスの言葉に3人は素直に頷。

 エリスの心配をよそにして、3人はホーンラビットの肉を持ってギルドを後にした。


 新人冒険者の多くはセシール村のギルド出張所の広場に、新たに設けられた野営場にテントを張り、ここを拠点に活動をしている。

 3人の新人冒険者達はエリスの忠告を聞きながら、採取依頼と低ランクの討伐依頼をこなしていた。

「そろそろダンセット遺跡に行きたいな~」

 テントの前にある焚火台で焼いたホーンラビットの肉を食べながら、ロトが呟く。

「僕らはFランクだよ~ダンセット遺跡に挑戦できるのはEランク以上でなければ無理だよ!」

「そうだけど~遺跡に行けばお宝がいっぱいあるんだぜ!」

 ロトとポエムの言い争いに1人黙って考え事をしているナターシャ。

「ナターシャはどっちの意見が正しいと思う!」

「ナターシャの意見を教えてよ!」

 2人の言葉に笑顔を見せて答える彼女。

「2人共正しいわ!・・・私が両方叶えてあげる!」

 2人共彼女を見つめて黙ったまま、次の言葉を待っている。

「遺跡もレベル上げも私達に足らないのは、武器と防具それに道具類が足らないと思うの!」

「それはそうだけど~良い武器や防具は金額が高いし、役に立つ道具もそれなりの金額がするぜ!」

「それにここのキャンプ代や毎日の食事代もタダじゃないから、無駄使いは出来ないよ!」

 2人揃って彼女に反論する、

「その通りよ!そう私達に足りないのはお金よ~お金が沢山あれば全て解決するわ!」

 ドヤ顔の彼女は続けて話す。

「最近薬草の採取依頼が多いい理由を知っている?」

「いや、知らない!」

「僕も知らないけど、ナターシャは知っているの?」

「ギルド出張所のサランさんから聞いたんだけど、グラッサの町で薬草が大量に必要だそうよ!」

「どこのギルドでも薬草は納品されてあるだろう!」

「薬草が必要な理由は?」 

「理由は知らないけど、早く納品すれば買い取り金額が2倍になるそうよ!」

「2倍!」

「その情報は確かなの?」

「サランさんがコッソリ教えてくれたの~ギルドからの発表は明日だから、今日中に主な群生地で先に採取すれば大儲けだよ!」

 ナターシャの言葉を疑う事もなく、すぐに薬草採取の作業に取り掛かった新人冒険者!


 次の朝、セシール村のギルドの受付は大混乱をしていた。

「薬草の買い取り金額が2倍!間違いないのか?」

「早いもん勝ちだ!急いで行こう!」

 セシール村は冒険者の大半がFランクの新人だ!当然、皆生活が苦しいのは同じだ!殆どの冒険者達は薬草採取に出かけた。

 その中にはちゃかり混じっている3人!

 前日に大量に採取した薬草はしっかり確保しており、今日の発表と同時にまた採取に赴く。

「さすがはナターシャだな~やることがえげつないな!」

「僕は流石ナターシャだなと思うけどね!」

 昨日採取した群生地を、他の冒険者達と同じように再度採取した行く。

 ナターシャからは、コッソリ教えてくれたサランさんに迷惑が掛からないように、根こそぎ採取せずに各地の群生地で半分だけ採取して回り、今日は残りの半分を他の冒険者と同じ要領で採取している。

「昨日採取した分はどうするつもりなのか?」

 ロトはポエムにコッソリ尋ねる。

 直接彼女に尋ねればいいのに、何故か聞きにくいようだ!

「僕も分からないんだ!でも彼女の事だから任せておいて大丈夫だよ!」

「俺もナターシャを信じてるぜ!」

「何コソコソ話しているの!少しでも多く採取しなさいよ!」

 彼女に活を入れられ渋々作業をこなす彼らの回りには、他の新人冒険者達がひしめき合っていた。


「いつもより薬草が少なくないか?」

「葉の生育が良いのが見当たらないな~」

 いつもなら沢山あるはずの薬草が少ないのに疑問を持つ冒険者達!

「セシール村にいる全ての冒険者が一斉に薬草を採取しているせいで、早くなくなるのも仕方ないな~」

 チラホラ耳に入って来る言葉に動揺を隠せない3人は、すぐにその場から離れ次の群生地に移動する。


 日が落ち始めた頃、ギルドの受付カウンターは薬草の買い取り作業で溢れ返っていた。

「今日採取した分だけ買い取りに出すんだな!」

 ロトがナターシャに念を押す様に聞く。

「全部出さないで~他の冒険者達と同じ量より少なくして~」

 ポエムもそれ以上は喋らない様にして、3分の1の量をカウンターで買い取って貰っている。

 買い取りを済ました冒険者達は、簡単な薬草採取でいつもの2倍の金額に皆大喜びだ!

 大人たちはすぐに酒を注文したり、食事にお金を使っている。

 暫くはお祭り騒ぎの時間が過ぎて行く中、3人の冒険者達はエリスから買い取りの報酬を貰ってすぐにギルドを後にした。 

 3人は拠点である野営地に戻ってから、緊張の糸が切れた様に倒れ込んだ。

「バレずに済んだわ~」

 ナターシャの言葉にロトとポエムの疑問の表情を見せる。

「明日もこの調子で採取するわよ!」

「そろそろ理由を教えてくれてもいいだろう!」

 ロトの言葉にナターシャは満面の笑みで微笑んだ!


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