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異世界召喚者は、超膨大な魔力をひた隠す。  作者: 鬼瓦
第1章 異世界召喚

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番外編② 駆け出し冒険者!

外伝・・・主人公が召喚された日の、とある村から旅立つ3人の物語です。

     

 主人公が異世界に召喚された同じ日に、冒険者を目ざして生まれ育った村を旅立つ準備をしている3人の若者の姿があった。


 親達と同じ冒険者に憧れ、セシール村のギルドを目指して故郷の村を出た3人の幼馴染。


「なあ~俺たち村を出てよかったのかな?」

「やっと12歳になったんだ!俺は冒険者になって自分の力でお金を稼ぐ、そしてここまで育てたくれたおばさんに恩返しをすると決めたんだ。」

「そうよ~おばさんは・・・1人で私たち3人の面倒を見てくれたわ!これ以上は無理だわ。」

「分かっているよ!血の繋がっていない俺達子供の面倒を見てくれて感謝している。」

「だから、これからは自分達の力で生活しないといけないんだ!」

「でも・・・おばさん、寂しそうだったな~」


 3人は別れを惜しんでいたおばさんの顔を思い出して、自然と涙がこぼれていた。

「お前たちは無理して俺に付き合わなくてもいいんだぜ!」

「別に無理なんかしていないわよ、あなたを一人にするととんでもないことになるのは目に見えてるから、一緒に付いていてあげるのよ!」

「俺だけ仲間外れはないよな!」

「好きにしろ!お前たちと違って俺は人族だから寿命が短い分早く恩返しがしたいだけだ。」

「分かっているわよ!でも恩返しは3人一緒の方がいいと思わない!」

「自分一人だけはずるい考えだよ!」

「わかったわかった!3人で冒険者になっておばさんに恩返しだ!」

 3人は生まれ育った村に別れを告げて、セシール村にある冒険者ギルドを目指した。


 人族の少年の名前はロト、正義感が強く3人の中ではリーダー的な存在でいつも自分から行動するタイプだ。

 ハーフエルフの少女の名前はナターシャ、2人の面倒をみるお姉ちゃん的存在で冷静沈着タイプだ。

 ダークエルフの少年の名前はポエム、観察力が優れているが人見知りで面倒な事には首を突っ込まないタイプだ。

 3人それぞれの親達は冒険者で同じパーティー仲間であり、妊活兼子育ての為しばしの休暇をこの村で取っていた。

 3人共同じ年に生まれ兄弟同然に育てられ、いつかは親と同じ冒険者になる夢を見て育った。

 子供らが3歳になった年から、親達のパーティーは冒険を再開し、留守の間は冒険者を引退した世話係のアメールが子供達の面倒を見ていた。

 しかし子供らが6歳になった年に、親達のパーティーが帰ってこなかった。

 アメールは随分と探し回ったが、風の便りで地下迷宮に行ったきり戻らず死んだのではと噂されていたのを聞いて、残された子供達3人を女1人で12歳まで育て上げた。

 

「あっ!村が見えて来たよ~」

 先頭を歩くポエムが知らせる。

 3人はセシール村に掛かる橋を渡ると門番に声を掛けた。

「こんにちわ!ここはセシール村で間違いないですか?」

 ナターシャが門番のおじさんに訊ねる。

「ああ~セシール村で間違いはないよ~」

 門番のおじさんは優しい笑顔で答えるが、一番後ろで息を切らしながらやっと立っている男の子を見て心配そうに呟いた。

「坊や大丈夫かい!」

 心配されたロトは、カラ元気な態度を見せたが声にはならなかった。

「このセシール村に何か用事でもあるのかい?」

「僕達冒険者になる為にここに来たんです!」

 ポエムとナターシャが元気よく答えるが、ロトは拳を上に挙げただけだった。

「そうかそうか~冒険者になるのか、頑張りなさい!」

 門番のおじさんは、優しく微笑むとギルドの場所を教えてくれた。


「ここが冒険者ギルド!」

「大きな建物だわ~早速中にはいりましょう! ロト行くわよ!」

 ナターシャに言われて3人はギルドの中に入った。

 昼時のギルドは冒険者が少ない。

「広い部屋の割には人が少ないね!」

 初めてみるギルドの施設を、興味津々で眺めていた。

「君たち!ギルドは初めてかな?」

 キョロキョロしている3人に、受付からエリスが声を掛けた。

「はい!冒険者になるために来ました。」

 エリスは驚いたが、優しい言葉でカウンターに来るように手招きをした。

「ようこそ冒険者ギルドへ!」

 エリスは相手がだれであろうが、ギルド職員として対応をする。

「俺たちは12歳になったんで冒険者になりたいんです。」

 やっと喋れるまで回復したロトが答える。

「分かったわ~それじゃ冒険者登録をするね。この水晶に手のひらをかざして表示された職業から好きなのを選んでこの申込書に記入してね。」

 エリスから言われた通り3人は水晶に手のひらをかざして申込書に職業を記入した。

 ロトの場合、水晶は光らず戦士を選択。

 ナターシャの場合は、水晶が大きく光り上級職の司祭を選択。

 ポエムの場合は、水晶が光ったが魔法職を選択せず、狩人の職業をあえて選択した。

 申込書に、名前と種族・年齢と職業を記入して、渡されたカードに数滴血を垂らした。

「はい、これがあなた達のギルドカードよ!」

 初めて見るギルドカードを眺めて、感動している3人をみてエリスは優しい口調で語りかけた。

「職業については先程説明した通りで、3人でパーティーを組むにはバランスがいいわよ!冒険者ランクは一番下のFランクからになるわ。パーティー名は【暗黒の使徒ジュニア】でリーダーはロトさんでいいわね。最初は薬草採取の依頼から初めてこまめにギルドに姿を見せに来てね。当分は採取だけの依頼をこなしなさい。」

 エリスは可愛らしい冒険者につい肩入れをしてしまったが、しばらくは気に掛けるつもりで対応した。

 ここ冒険者ギルドセシール支店では、新人冒険者の登竜門であり育成に力を入れているが、最近は魔物の数が増えたのと狂暴化している影響で命を落とす冒険者が後を絶たない。

 そしてエリスの眼にかなう冒険者に巡り合えない日々が続いている。


 エリスの説明を真剣な表情で聞いた3人は、すぐに教えてもらった場所に薬草の採取に出かけた。

「あの姉ちゃん、綺麗だったな~」

 ロトが呟くと、ナターシャが不機嫌な表情で「私ももう少し大きくなればあれ位になれるわよ!」と呟く。

 それを見ていたポエムは笑いながら、「今日の飯代を稼ごう!」と2人の肩を叩いた。

 

 エリスが教えてくれた薬草の群生地は、村から近く比較的安全な場所だ。

 3人は一生懸命図鑑で覚えた種類の薬草を集めた。

 日が落ちる前に集めた薬草をギルドに納品して、報酬をもらった。

「このお金で食べ物を買いに行こう!」

 3人は報酬のお金を持って、パンを買って空き地で食べる。

「美味しい!」

 お腹が空いていたのか、無我夢中で食べる3人!

「今日はここで野宿して、明日も薬草を集めよう!」

「お金がたまるまで、しばらくはこの生活で我慢しないと。」

「でも俺たち、憧れの冒険者になったんだよな~」

「そうだね~夢がかなったね。」

 3人は空を見上げて、うなずいていた。


 

 




外伝は不定期で挿入します。

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