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異世界召喚者は、超膨大な魔力をひた隠す。  作者: 鬼瓦
第1章 異世界召喚

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53. 旅立ちの前夜

 ギルドの診療所の地下には、秘密にされてある錬金術の工房がある。

 俺はこの工房の権利を貰い受け、シノと2人で下見を行っている。


魔道具の作成部屋を後にして、突き当りの扉を開けた。

 ここは洗面所で、左側はトイレ・右側はお風呂場になっている。

 先ずはトイレを覗いてみる。 

 正面の床には穴が開いている板が置かれてあるだけの場所が2ヶ所あり、その間はついたてで仕切られている。

 扉は無く、丸見えの状態だ。

 この時代はこれが当たり前の様だ。

 排泄は道端の花壇や近場の川で気にすることなく自然行為として認識されているようで、男女に関係なく見受けられた。

 ちなみに一般庶民の家にはトイレは無く、貴族など裕福な屋敷では部屋にはオマルが置いてあるそうだ。

 衛生的には非常に悪い。

 原因不明の病気や伝染病等の疫病は、この不衛生が原因だと気が付かず対策も取られていない。

 ポーションや回復魔法は傷や内臓損傷には効果があるが、感染症等の病気は直せない。 

 ただし、聖女だけが使用できる聖魔法は病気も直すそうだ。

 しかしレベルの高い聖魔法を使える人数は少ない。病気の治療薬も、開発しておかないといけなくなりそうだな。

 次はお風呂場だ。

 日本人としてお風呂は絶対外せない場所だが、扉を開けて愕然とした。

「ナニ!この空間は?」

 扉を開けた部屋は、何もないタイル張りの床があるだけの駄々広い空間だった。

 いや!真中にタライがひとつ置いてあった。

「お風呂がないではないか!」

「ご主人様、お風呂は身分の高い貴族の屋敷にあるぐらいで、タライで体を拭くのが一般的です。」

「そんなぁ~楽しみにしていたのに!」

 期待していたお風呂が無いことで気持ちが沈んだ俺は、その場を後にして寝室へと移動した。


 寝室へと繋がる控え室へ入ると、扉が3つある。

 部屋の中の作りは全て同じで、ベットが2つ設置されており、ソファーにテーブル・机などもあり2人部屋にしては十分な広さがある。

 無理すればベットが4つ分入りそうな広さだが、真中の部屋のベットの一つは明らかに違っていた。

「このベットだけ横幅が他のベットと比べて広いな?」

 キングサイズなのか、3人一緒に寝れる広さだ。

「ご主人様、今日はもうお休みになりますか?」

 シノがベットのシーツを敷き、寝床の準備を始めた。

「明日からはグラッサの街まで長い旅が始まる。しばらくは野宿になるから今日はベットでゆっくり休んでおこうか。」

 シノに告げると、慣れないポーション作りとお風呂の落胆で一気に疲れが出たのか、シノが準備したベットに腰を下ろした。

 明日からの旅に備えて、現在のレベルとスキルを確認しておこう。


 【名前】      :【コウ・シバ】          【HP】 :【 124 】

 【種族】      :【人間】             【MP】 :【 168 】

 【年齢】      :【16歳】            【ATK】:【 D 】

 【レベル】     :【レベル12】          【DEF】:【 D 】

 【ファーストジョブ】:【 薬師 】              【魔力】 :【SS+】

 【追加ジョブ】   :【 戦士】【剣士】【賢者】    【AGI】:【 D 】

 【システムスキル】 :【生活魔法】【採取】       【魅力】 :【 C 】

            【鑑定】【全属性魔法】      【LUK】:【 C 】

            【錬金術】【召喚術】            

 【経験値スキル】  :【剣技】【 初級・中級火魔法】【初級水魔法】【初級風魔法】

            【初級・中級闇魔法】【初級聖魔法】【身体強化魔法】

            【付与魔法】【隠ぺい魔法】【初級・中級ポーション】

 【従魔・召喚魔】  :【黒蜘蛛】・【シャドウウルフ】【ダークナイト】


「思ったよりレベルが上がっているな!」

 地下迷宮での経験値が反映されているようだ。

 経験値スキルは、使用回数が増えれば初級から中級・上級と使用出来るようだ。

 隠ぺい魔法も魔力を隠したい俺には必要な魔法だ。

「召喚魔に【ダークナイト】が増えているが、シノは知っているか?」

「ダークナイトは防御力に優れ、召喚者の命令しか聞かない闇属性の騎士です。」

「騎士であれば護衛には持って来いの召喚魔だな。今度試してみよう!」

 シャドウウルフにダークナイトか!闇属性の召喚魔を使用出来るのは、シノの影響があるかもしれない気がする。 

「薬師が人前で魔法を使用するのはマズイので、目立たない魔法は無いかな~」

「それでは身体強化魔法はいかがでしょうか!隠ぺい魔法を掛ければ、魔力が体外に漏れないようになり怪しまれません。」

「身体強化魔法!・・・どのような状況で使用する?」

「ご自身の攻撃力や防御力を上げたり、移動速度を早くしたりレベルが上がれば浮遊も可能かと!」

「それは便利な魔法だ!この魔法は他人にも効くのか?」

「聖女様の魔法は他人にも付与出来ますが、ご主人様の付与魔法は自分自身と武具や道具しか付与できず他人には付与出来ません。」

「俺の付与魔法は魔道具を作るのに必要になるという事か!」

 シノの説明に納得し、付与魔法も楽しみに思えてきた。

 時間が立つのも忘れてシノとの会話に話がはずんでしまったが、明日の事を思い出した。 

「明日があるので今日は休むとしょう。明日は朝早く起きるとする。」

「わかりました。楽しい時間を有難うございました。それではどうぞお休みなさいませ。」

 シノとの会話は楽しい~ゆっくりと目を閉じると、身体の触れる面積に柔らかい温もりを感じた。

 柔肌の温もりが心地いいのか、感触を感じながらそのまま深い眠りについた。


 翌朝、ぐっすり寝たせいかすがすがしい目覚めとなった。

「おはようございます。」

 目を覚ました俺の真横で、小声で話す。

「おはよう・・・シノのお陰で安心して休めた様だ。」

 シノの顔を見つめながら体を拭き寄せた。

 シノは黙ったまま身を任せる。

 ぐっすり休んだせいか、今朝は元気がよい。

 ベットから起きる前に準備運動をして起きたいと、身体が勝手に動いてしまっている。

「ご主人様~声が出てしまいます~」

「気にする事はない!ここには誰も居ないし、大声を出しても聞こえない!」

 しばらくは朝の時間を楽しんだ。


「シノ~グラッサの街までは1人で行動しようと考えている。」

 シノはベットの片付けを終え、俺の身支度を手伝っている。

 できれば服を着てから手伝ってもらわないと目のやり場に困るのだが、一向に気にしない様子だ。

「わかりました。ご主人様の指示があるまでアイテムバックの中で待機させていただきます。」

 表情を変える事なく答える。

「ご主人様に危険がある場合は、念話で伝えることをお許しください。」

「俺の回りに危険がある場合はお願いする。」

「かしこまりました。ご主人様が道中お休みの時は、お傍で必ずお守り致します。」

 心強い言葉に、安心して出発できる。

 しばらくはシノを抱けないが、十分満喫したので問題はない。

「グラッサの街で落ち着いたら、今朝の様な奉仕を期待しているからな。」

 シノは顔を赤くして下を向きながら「いつ何時でもご奉仕は喜んで致します」と嬉しそうに呟いた。


 工房を出て診療所の受付に顔を出した。

 受付にはアリスがいる。

 シノは黑蜘蛛の姿に戻り、アイテムバックで休んでいる。

「おはようございます。」

「コウさん!おはようございます。昨日はゆっくり休めましたか?」

「お陰様でぐっすり眠れました。」

「お連れの方は?」

「シノは先にギルドに行っています。」

「住居の使い勝手は如何でしたか?」

「とても気に入りました。戻ってきたらここを拠点に冒険をする予定ですのでよろしくお願いします。」

「こちらこそお願いするわ!」

 アリスと世間話をしていると、相乗り馬車の出発時刻が近づいてきた。

「アリスさん!それでは行ってきます。」

「道中気お付けてね!」

「はい!それと昨日試しに初級ポーションを作成したので効能を確認してもらえませんか?」

 アイテムバックから初級ポーションを1本、アリスに手渡した。

「コウさん凄いですね!でも色の濃さが違いますね~」

「初めてなので失敗の可能性が高いです。なので問題の無いところでコッソリと検証してほしいです。」

「大丈夫ですよ。初めから上手くいくわけがありませんし、失敗でも問題ありませんよ。」

「有難うございます。安心して出発できます。」

 アリスにポーションの検証を依頼し、診療所を後にした。

 その足でギルドにも顔を出して、エリスに挨拶を済ませ相乗り馬車の出発地点の中央広場に向かった。


 


 






 





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