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異世界召喚者は、超膨大な魔力をひた隠す。  作者: 鬼瓦
第1章 異世界召喚

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52. 初めてのポーション

 シノに教えてもらった手順に沿って、必要な材料と道具を準備した。


「準備が出来たので、ポーション作りを始めてみようか。」

「はいご主人様~では壺を左側の台の枠に置いてください。」

 壺は大・中・小の大きさが何種類もあり、適当に中型の壺を台の上に置いた。

「水魔法で壺の中に水をためて下さい。」

「俺は水魔法は使えないぞ!」

「問題有りません。魔力があれば生活魔法は誰でも使えます。」

 そういえば以前レイナもそう言っていたな。

 薬を作る時に生活魔法の火・水・風は必要になると。

 シノに言われるまま壺の上に手の平をかざし、水道から出る水をイメージした。

「おっ!水が出た!」

 壺に水が半分ぐらい溜まると、シノが用意した石灰石のような魔石を壺の中に投入した。

「この魔石は水を浄化させます。」

 次に台の下に置いてある魔石に向け、火の魔法を使った。

 魔石は燃えるわけなくそのまま熱を放出し始めた。

 電気によるIHコンロの原理なのか、壺の中の水が沸いてきた。

「火魔法の魔力で火力を調整します。」

「この赤い魔石は便利だな。」

 魔石には色んな種類があると聞いているが、ちなみにこの部屋の照明も魔石だ。

「ご主人様、アイテムバックにあります薬草を一束を風魔法で乾燥させ、粉末にして壺の中に入れて下さい。」

 採取した薬草をアイテムバックから10本程取り出し、風魔法の魔力を調整しながら乾燥する。

「沸騰しない火力で、ゆっくりかき混ぜながら魔力を注いで下さい。」

「魔力を注ぐ?」

「はい!手の平から注ぐ感じです。」

 シノの言葉は理解できないが、言われた通りにやってみる。

「この魔力の注ぎは、いつまでやればいいんだ?」

「壺の中の水が、魔力で飽和したら完了です。」

 そんな事がわかるはずが無いだろう!

 心の中で呟いていると、シノから「十分注がれた様です。」と教えてもらった。

 魔力をどのぐらい注いだかはわからないが、回復液が出来たみたいだ。

「出来上がった液体をろ過して不純物を取り除き、小瓶に詰めて蓋をすれば初級ポーションの完成です。」

「えっ!これで完成なのか?」

 あまりにも簡単すぎてあっけに取られてしまった。

 1時間程の作業で、中壺の液体から9本分のポーションが出来てしまった。

「普通は小壺で6時間程かけて6本程出来る作業ですが、ご主人様の魔力が膨大で最も時間が掛かる魔力注入作業が短時間で終わります。」

 手の平で魔力を注ぐ時間は10分程だったが、通常はどのぐらい時間が掛かるのだろう。

「通常の薬師は、魔力注入作業の1本分に約1時間程掛かります。それに1日に1回もしくは2回しか作成できる魔力しかありません。」

「魔力が減った感覚が無いんだが、何回でも作れそうだ。」

 シノは黙ったまま俺を見つめるので、つい調子に乗って聞いてみた。

「中級や上級ポーションも作れるんじゃないのかな!」

「魔力的には問題ありませんが、中級と上級に使用する薬草がありません。また薬草があったとしても

調薬のレベルが低いと作成できる確率が低くなります。」

「調薬のレベルはどうすれば上がるのか?」

「調薬のレベルは作成した数に比例します。初級を作り続けると中級のレベルになり、中級を作り続けると上級が作成出来るようになります。」

「作成回数をこなさないとレベルが上がらないという事か。」

 目標を達成するには定期的にポーション作りはしていかないといけないな。

 冒険者としてのレベル上げと、薬師としてのレベル上げの両方をやらないとダメという事か!

「所で今俺が作った初級ポーションは使用できるのか?」

「液体の色から見ても問題は無いかと。」

 シノは小瓶に入ったいる薄いピンク色を見て答えるが、俺としては不安だ。

「ホントに回復するのか検証してからではないと、ギルドには提供出来ないな!」

 ポーション液を詰めた小瓶をアイテムバックにしまい込み、使用した道具を片付けた。

 それにしてもここの設備は凄いな!色んな物が出来そうでテンションが上がる。

 部屋の中の品物を見ていると、ドーム型の窓口になっている大きな焼き窯が目に留まった。

「この焼き窯は何に使うのか?ピザでも焼いて食べるのか?」

「ピザ?・・・食べ物を焼く窯ではありません。」

「では何を焼くんだ。」

「ポーション瓶を作る為の窯です。」

「ポーション瓶を作る?・・・ガラスの容器をこの窯で作るのか?」

「ガラス職人が作る瓶を使用しても構いませんがそれだと劣化が早いので、劣化防止の魔力を付与した材料でガラス瓶を作るのが一般です。」

「劣化防止の付与魔法は錬金術師しか出来ませんが、ご主人様なら問題有りません。」

「付与魔法もレベルで効果が変わるのか?」

「はい!レベルの違いで劣化の日数が変化します。」

「販売価格は?」

「普通のガラス瓶の初級ポーションだと1本3銀貨ですが、劣化防止のガラス瓶であれば1本5銀貨で販売されます。ちなみにダンジョン産の初級ポーションの販売価格は5銀貨です。」

「ダンジョン産は劣化防止の瓶という事か。・・・でもあれは美味しくなくマズイ・・・」

「ダンジョンで取れたポーションは効果も味も問題ないのですが、地上に持ち出された時点から劣化が始まり効果も味も落ちてきます。」

「ポーション瓶の作り方は知っているのか?」

「申し訳ありません、詳しくはわかりません。」

 シノは頭を下げて謝る。

「シノが謝る必要はない。ではここにある小瓶はガラス職人から購入したものかな?」

 シノと2人で棚に並べて置いてある小瓶を眺める。

 お互いに気が付いたのか、1本だけ他の小瓶と違う雰囲気の瓶に目に映った。

「シノ!この1本だけ他の瓶と違わないか?」

「はいご主人様!明らかに違いがあります。」

 手に取り、まじまじと見てみる。

「これは劣化防止の付与魔法が掛けられている瓶だ!」

「間違いないですね、明らかに違います。過去の錬金術師が作成された物だと思われます。」

「たぶん見本の様な物で、代々受け継がれた物だろうな!」

 手本となる品物があるのはこころ強い。

「グラッサの街ではポーション瓶の情報も仕入れておこう!」

 ひと通り部屋の中を確認し終わると、お腹がグッと鳴いた。

「シノ、お腹が空いたので他の部屋は後回しにして、食堂でご飯を食べよう!」

 お腹の音をゴマ化すように早口で喋り、食堂に向かった。

 シノはそんな事は気にならない様子で、俺の後ろについてくる。

 食堂に入ると大きなテーブルが真中にあり、オープンキッチンの様な台所の作りになっている。

「さすがに食料は置いてないな~」

 辺りを見ながらアイテムバックからパンを取り出した。

「今日はパンで我慢してくれ!」

「私はご主人様の魔力が頂ければ問題は有りません。」

「それは後でタップリあげるとして、人間の姿を維持するには食事も必要だからな。」

 2人でパンを食べながら、暫しの休息を取った。


 食事と休息が済むと、作業場の隣にある部屋を確認してみた。

「書斎に似た作りの小さな部屋だな。」

「結界魔法が張られています。おそらく魔石に付与魔法を与える為に部屋だと思います。」

「魔石に魔法を付与する!いわゆる魔道具を作る部屋だな!」

 錬金術で魔法が付与出来るようになったら、さっそく作ってみたい。 

 ただし今は使用する事は出来ないので、楽しみは後に取っておこう。 

 


 

 

 


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