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異世界召喚者は、超膨大な魔力をひた隠す。  作者: 鬼瓦
第1章 異世界召喚

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36. 覚悟

 翌朝、体も心も満たされた状態でギルドの受付に出向いた。


「コウさんおはようございます。」

 エリスが笑顔で声をかけてくれる。

「おはようございますエリスさん。今日から指導を始めます。」

「ありがとうコウさん、よろしくね!」

「ところでコウさん、今日はやけに機嫌がいいわね。」

 エリスに言われてドキとしてしまった。

 昨日の夜は、ココとレイナ・それにテレサも暫くパーティーを離れるので寂しくなる気持ちを読み取ったのかわからないが、シノが積極的に迫るので性欲を抑える事が出来ず夜更かしをしてしまった。

 そのおかげで落ち込まず、気持ちを切り替える事ができている。 

 童貞ではないが、彼女歴がない俺にはシノが接する対応に今まで感じた事がない喜びを噛みしめていた。

 今まで味わえず知らなかった世界、側に女性が一緒にいると言うだけでこんなに心が満たされるのかと不思議に感じていた。

思い出しただけで顔が熱くなっているのが自分でも解るのを、必死にごまかそうとしていたら~

「昨日は誰と一緒に過ごしたのかな~」

 エリスの突っ込みに笑ってごまかし、その場から逃げるように奥のカウンターに移動した。

 移動する途中に女性3人組の冒険者とすれ違った。

 装備品から見ても上級の冒険者だとすぐにわかる。

 彼女達はエリスのいるカウンターで話をした後、2階の部屋に案内され移動していた。


 奥のテーブルに移動すると、今回の主役であるメンバーが揃っていた。

「皆さん、おはようございます。」

「おはよう!私達のお願いを聞いてくれてありがとう!」

 リナとユナが笑顔で挨拶をする。

「コウ殿、2人から話を聞いて申し訳ない。」

「グレンさん、怪我の方は大丈夫ですか?」

「怪我の方は大したことはないんだが、2人が責任を感じていて対応に困っているんだ。」

「それはグレンさんの事を本気で心配しているからだと思います。」

「私は今回指導を行うだけで、出来るか出来ないかはグレンさん次第です。」

 今回の指導で一番大変なのは、グレンのリーダーとしての役割を覚えてもらう事だ。

 みんなのレベル上げは回数をこなせば上がるし、スキルを覚えれば応用範囲が広がり戦闘が楽になる。

 ただ、応用範囲が広がれば広がるだけリーダーの判断が大事になる。

 判断ミスが命取りになることを知っておかなければならない。

 グレンには過酷な試練になるかもしれないが、グレンなら成し遂げれると信じている。

 グレンに期待の言葉を掛け、犬人族の2人にあいさつをした。

「初めまして・・ではないですね。」

「俺は犬人族のガルテノです。コウさんの噂は聞いています。今回はよろしくお願いします。」

「私はミエール、私達は強くなりたいです。ご指導お願いします。」

 2人共、印象通りの真面目な若者だ。

「出来るだけの事はさせてもらいます。」

「まずは目標を決めたいと思いますので、皆さん現在のレベルとスキルを教えて下さい。」

 指導できる時間は少ないので、最低限の目標を定め効率よくしたいと考えていた。

 「まず俺から伝えよう!」

 最初はグレン、この中では最年長で職業は【戦士】・斧の使い手でレベル4。

 次に双子の姉妹で、姉のリナ・職業は【魔法使い】・スキルは水魔法でレベル2。

 妹のユナは職業【僧侶】・スキルは聖魔法でレベル2。

 犬人族のガルテノは、職業【盗賊】で武器はナイフ・レベル2。

 同じくミエールは、職業【弓使い】レベル2。

 2人は恋人同士と言いう事で、双子の姉妹はグレンの妻と言っている。

「全員のレベルは把握しました。今回私を含めた6人のパーティーを結成します。」

「パーティー名は【銀狼の牙】でリーダーはグレンさんにやってもらいます。」

 全員驚いた表情をしたが、無言でうなずいていた。

「コウ殿!覚悟はしている。よろしくお願いする。」

 グレンはこのパーティーのリーダーという自覚を持っているので、安心して指導が出来ると内心ホットしていた。

「お兄ちゃんなら出来るよ!」

「私達もグレンさんのパーティーの一員として頑張ります。」

「皆さんの目指したい目標は理解しているつもりですので、さっそく行動にうつしましょう!」

 クエストボードから安全な採取依頼と魔物討伐を選び、エリスに報告しておく。

「コウさん、よろしくね!それと先ほどイザベェルの森の調査が終わったと報告が来たので、イザベェル方面の街道は明日以降通行解除されるわ。」

 先ほどの上級冒険者風の3人組が調査をしたという事か!

 俺の痕跡が見つかってなければいいが?後で確認しておこう!

「コウさん、いつもの依頼も何件か受けてね!」

「エリスさん~他の冒険者が受けたがらない依頼の消化の為に、俺を利用しないで下さい。」

「そんな事を言わないで~たしかに報酬の金額は少ないけど、村の人達も生活が掛かっていて最大限に出しているのよ~他の冒険者は誰も引き受けてくれないの、だからお願い・・・」

 エリスの誘惑めいた表情に、仕方なく受けてしまう自分が情けない。

 でも村人の事情も理解しているし、今回のレベル上げと連携の訓練にはもってこいだ。

「わかりましたよ~引き受けますので、【黄金の大地】と【銀狼の牙】二つのパーティーの事お願いしますよ!」

「このエリスに任しておいて!悪いようにはしないから!!」

 エリスとのやり取りが終わり、ギルドを出発した。


 今日から5日間で5ヶ所の村のブラックモールを退治する。

 単独では受けられずパーティーのみの依頼でお金にはならないが、レベル上げにはちょうど良い。

 今回は犬人族のガルテノとミエールの連携と、ユナ・リナの魔法訓練だ。


 最初の村は比較的小さな規模で、村長さんには申し訳ないがパーティーの訓練としては丁度良かった。

「グレンさんとガルテノさんは、穴から出でくるブラックモールを一匹も逃がさず退治して下さい。」

「ユナとリナは私の隣で、ミエールさんは2人が取り逃がしたブラックモールを弓矢で仕留めて下さい。」

 穴への餌巻が終わると地響きと当時にブラックモールが穴から次々飛び出て来た。

 初めてのガルテノとミエールは驚いて慌てているが、さすがにグレンは慣れている。

 時折自分に襲い掛かってくるブラックモールを剣で叩き伏せ、ユナとリナにトドメを任せる。

 魔法使いのリナには、水魔法のウォーターボールを使わせ、僧侶のユナにはグレンの怪我の治療に回復魔法のヒールを使わせた。

 レベルが低い間は魔法の回数も威力も少ないが、このパーティーの要になる2人には毎日魔力が無くなるまで使用してもらう。

 ガルテノはさすが犬人族だけあって動きは速い。

 ただ、ナイフでの攻撃では威力がまだ無い。動きを封じる事や、トドメを刺すにはまだまだレベル上げが必要だ。

 弓使いのミエールはとても落ち着いていて、正確に矢が刺さっているがガルテノの同じく威力が無い。

 唯一奮闘しているのがグレンだ!

 攻撃力も上がり、2・3発で確実ブラックモールを倒せる。

 たまにクリティカルヒットも出て、1発で倒せる事も出来るようになっていた。

 特に今日はリナとユナの事は気にしないで攻撃だけに専念できるので、一段と動けているようだ。

 グレンに関しては、今はこれで良しとしょう。

 普段と違い、数の多い討伐をこなした為、ガルテノとミエールは疲れがハンパではない様子だ。

「お疲れ様!ブラックモールの討伐はこれで終了です。」

「村長さんに報告して、休憩しましょう!」


 村長宅の一室で労いのもてなしを受けた後、次の依頼をこなす為場所を移動する。

「この5日間は、このペースでこなしていきます。覚悟しておいて下さい。」

 みんな無言で頷いていたが、目は輝いており表情はイキイキしているように感じられた。







 


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