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異世界召喚者は、超膨大な魔力をひた隠す。  作者: 鬼瓦
第1章 異世界召喚

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26. 合同パーティー

 クエストボード前で、カウンターからグレンが来るのを待っていた。


「オゥ!また会ったな、順調に稼いでいるか!」

 グレンは気さくに声を掛けてきた。

「またいい女を連れていて羨ましいな~俺の連れはガキ2人だ。」

「お兄ちゃんには私達がいるから、お兄ちゃんを誘惑しないでよ!」

 2人に睨み付けられたテレサは、苦笑いして困った表情になっている。

「リナにユナ!他の人に迷惑をかけるな!」

 グレンが2人の頭を撫でると、少女達はシュンとした表情で下を向きグレンの両腕にしがみ付いた。

「2人が迷惑をかけたみたいで申し訳ない、この通りだ。」

 グレンが頭を下げる。

「迷惑なんて!謝らないで下さい。」

「それより、お二人を連れて討伐の依頼をうけるのですか?」

「そのつもりだ!そちらは討伐の経験をしているが、俺らにはまだ経験がない。ただ安全な薬草採取だけではレベルも上がらず報酬も少ないんだ。」

 グレンがいう事は冒険者であれば当然で、早くレベルを上げて報酬額が高い依頼を受けたいだろう!

 ただ、あまりにも無茶でリスクが大きい。

「グレンさんは背中に斧をお持ちですので戦士だとお見受けしますが、彼女らの職業は?」

「彼女達は双子の姉妹で、姉のリナが魔法使い、妹のユナが僧侶でレベル1だ。」

「ちなみに俺は戦士で同じくレベル1の初心者だ。」

「全員がレベル1の戦士に双子の魔法使いと僧侶!」

 人の事は言えないが、討伐依頼自体受ける事は出来ない!エリスが認めないはずだ。

「あなたの噂は聞いている。たしかコウ殿で職業は薬師だったかな。」

「名乗るのが遅くなりました、私はコウ・こちらはテレサさんです。」

 社交辞令ではないが、パーティー名【黄金の大地】のメンバーでリーダーを務めている旨を伝えた。

 グレンは、双子の少女達と自分は同じ孤児院で育てられた血のつながっていない兄妹で、お金を稼ぐために冒険者になった事を教えてくれた。

「コウ殿、折り入ってお願いがあるんだが聞いてくれないか。」

 グレンは真剣な表情で俺の目を見て話し始めた。

「見ての通り、レベル1の俺と彼女達では討伐の依頼を受ける自体無理があるのはわかっている。現に受付では断られた。しかし俺が稼がないと彼女達も孤児院の子供達も生活に苦しむんだ。」

 ヤバイ、俺はこの手の話しは弱いんだ。

「本来なら危険が少ない依頼から受けてレベルを上げてからが定番なのだが、今の時間でも子供たちが飢えに苦しんでいるんだ!冒険者になれるのは12歳からで彼女達は12歳になるとお金を稼ぐと言い出し、勝手に登録して冒険を始めようとしたんだ。」

 ますますこの手の話しは途中でさえぎれなくなり、話を聞かないとマズイ展開になってしまった。

 グレン達がいる孤児院は地域の寄付金で賄っていたが、園長さん亡くなってからは寄付金が入らなくなり、孤児院育ちの人達の仕送りでやっていたがそれも限界が来ている。

 グレンも仕送りをする一人だったが、妹同然の2人が冒険者になって稼ぐと聞いた時はビックリしたらしい。

 ただ2人の決意は固かったため、一緒に行動し彼女達を守るのが兄の務めだという事で今に至るらしい。

「グレンさん話の経緯はわかりました。それでお願いとは!」

「話が長くなって申し訳なかったが、事情を分かってもらった上で合同パーティーでの討伐依頼を受けてもらいたい。」

「合同パーティー!」

「何組かのパーティーが同じ依頼を受ける事で、依頼達成時の報酬は各パーティーのリーダーが貢献度に見合った分配を話し合いで決める。」

「金を稼ぐには報酬の高い依頼を受けたいが、今のレベルでは受けれないし地道にレベルを上げる時間が俺らには無い。」

 グレンが何を言いたいのか理解出来た。

「時間がある時だけでも構わないし、報酬もそちらの言い値で構わない。何なら報酬はなくてもいい、

とにかく単独で依頼が受けるまでのレベル上げを手伝ってほしい。」

 グレンは頭を下げてお願いする。

 年は俺より上だろうが俺とあまり変わらない男がこんなに必死に頼んでいるのを見ると力になりたいが、俺もパーティーのリーダーで仲間の命を預かっている。

 俺が返事を考えていると、隣で聞いていたテレサが腕を掴んで小さな声で話した。

「私も同じ条件ですので、コウさんがまとめて面倒を見てはいかがでしょうか?」

「テレサさん!いいんですか?」

「私はかまいませんよ。」

 テレサの優しい言葉で決心がついた。

「わかりました!グレンさん合同パーティーを組みましょう!」

「コウ殿!有難うございます。」

 グレンと俺は握手を交わし、討伐内容の確認と合同パーティーの申請をエリスに申し出た。

 エリスは合同パーティーの内容を確認し、初心者向けの依頼を手配しすぐに手続きをしてくれてた。

 手続きが終わると、エリスは全員を笑顔で送り出してくれた。


 2組のパーティーは、村の外れにある畑に出没する魔物の討伐依頼を受けた。

 目的地までは薬草の種類や採取方法を教えるついでに、彼女らの色んな話を聞きながら歩いた。

 

 目的地の村に着くと村長さんから畑を案内された。

 広い畑のあちらこちらに大きな穴がいくつもあいてある。

「土の中に魔物がいるのか?」

 グレンが大きな穴を覗いて尋ねる。

「ブラックモールが大量に発生しているとの事で、この村から討伐依頼が出てました。」

 ブラックモールはモグラの魔物で、すばしっこく鋭い爪で攻撃しては土の中にすぐ隠れるため討伐が面倒くさい。それに報酬も少なく割に合わないので他の冒険者は受けたがらない。

 しかし危険度が少なく数が多くいるのであればレベル上げにはもってこいだ。

 それに大量に発生してると、必ず親玉がいるはずだ。

 エリスが事情を把握したうえで薦めてくれた依頼で、討伐方法も教えてくれた。

「モールをおびき寄せますので、爪の攻撃に気おつけて退治して下さい。」

 俺は穴にモールが好む餌をまいて回る。

 全員で武器を構えてモールが飛び出して来るのを待った。

 

 しばらく待っていると全長1m弱位のブラックモールが穴から飛び出た。

 一匹目はグレンが斧で殴ぐると、悲鳴と共にモールがぶっ飛ぶ。

 すぐさまリナとユナが杖で突き刺。

 一匹出てくると次々と穴からモールが飛び出して、鋭い爪で襲いかかってきた。

 テレサもモールの攻撃を避けながら小刀で切りつける。

 グレンの攻撃が空振りになってモールの鋭い爪がリナとユナに襲い掛かるのを、俺が剣で押し返す。

 攻撃は単調だが、力の弱い彼女らには結構しんどいはずだ。

 それでも弱音を吐かず、ひたすら杖を突き刺す。

 レベルが上がれば魔法が使えるが、それでもパーティーの中で役に立つには時間も忍耐も必要だ。

 他の初心冒険者達がレベルの低い僧侶や魔法使いとパーティーを組まない理由がもう一つある。

 前衛は後衛を守らなければいけない。後衛が攻撃されるとあっという間に窮地に陥る。

 初心者のうちは、前衛もレベルが低いので後衛を守りながらの戦闘が難しいのが現実だ。

 ある程度前衛のレベルが高いか、グレンのように守るべき人物が一緒にいる時のパーティー編成だけだろう。

 グレンには彼女達よりもレベルが高くなってもらいたいし、そういう俺もテレサを守る為に少しでもレベルを上げたいと思っている。

 グレンと俺はお互い守る人達を背中に感じながら、ひたすらブラックモールを倒す。


 20匹を超えただろうか、穴から出てくるモールがいなくなった。

「コウ殿、これで終わりかな!」

 グレンが息を整えながら聞いてくる。

 テレサと双子の彼女達も地面に座り込んだ。

「皆さんお疲れ様です。」

「まだ終わってはいませんよ!親玉が出てくるはずです、注意して下さい。」

 俺が気お付けるようにと言葉をかけたと同時に、地響きが伝わってきた。

 地響きが段々と近づいてくると、双子の彼女達が座り込んでいた地面が急に盛り上がって彼女達を土と一緒に吹き飛ばした。

「キャー」

 2人とも悲鳴と同時に地面に倒れ込んだ。 

「リナ・ユナ!大丈夫か!」

 グレンが直ぐに2人の前に守るように立ちふさがる。

 

 グレンの前方に3m位のビックモールが姿を表し、ジットこちらを睨み付けている。


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