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異世界召喚者は、超膨大な魔力をひた隠す。  作者: 鬼瓦
第2章 異世界生活

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94. ナダル鉱山④

 コボルトの親玉を倒して、静かになった広場をくまなく嗅ぎまわるクロとシロ!

 それにココも加わって一緒に嗅ぎまわっている。

 

「ここでコボルト達は何をしていたのかしら?」

 タカが疑問に感じたようで尋ねると、レイナが答えた。

「先ほどのコボルト達もここに住んでいたようですわ~あちらこちらに食事の跡がありますわ!」

「スライム騒ぎで坑夫達が逃げ出して誰も居なくなってから、コボルト達がここを住処にしたという事ならタイミングが良すぎないかな?」

 俺はそんな偶然があるのかなと疑問に感じていた。

「コウ!凄い物を見つけたよ!」

 ココの一言で皆が集まった。

「これは!・・・鉱石だ!色んな種類があるぞ!!」

「こんなにも沢山あるなんて!ここで採掘された物かしら?」

 俺とレイナは鉱石を手に取り確認する。

「コボルト達はここで採掘していたのか?」

「採掘?・・・何の為に?」

 2人で首を傾げているとタカが尋ねる。

「鉱石は何に使うの?」

 タカの質問に、ココとレイナがそれぞれ答える。

「鉱石は高く売れるよ!採掘中には鉱石の他に貴重な魔石が出れば物凄く儲かるよ!それ目当てで生活している冒険者もいるよ!」

「鉱石は武器や防具の材料で魔石はそれらの強化材料だけではなく、魔道具の材料としてとても価値が高いですわ!」

「そんな貴重な物を集めて何をするつもりだったのかしら?」

 タカの言う通りだ!

 コボルト達の目的は何だろう?

「コウ様~この鉱石の中には見た事も無い魔石がありますわ!」

 レイナが目を輝かせている!

「取り敢えずここにある鉱石類はすべて持って帰ろう!」

 全てアイテムバックに入れ終わると、シノが待機している分岐点迄戻る事にした。


「シノ~見張り役ありがとう!変わった事は無かったかい。」

「異常はありません!そちらの洞窟内は如何でしたか?」

 シノの言葉を聞いてレイナが答える。

「シノさんが後ろに居るから安心して全力で戦えたので、奥にいたコボルトは全て討伐出来ましたわ!」

 シノが笑顔を見せるとココも近寄って来た。

「タカさんの魔法もすごかったよ~それに鉱石や魔石が沢山見つかったんだよ!」

「それは良かったです。」

 タカとランはシノと目を合わせただけで言葉は交わさなかったが、皆笑顔だった。

 

「さて本題の坑道に進もうか!」

 我先にとココが進むと、レイナも後を追うように行く。


「ご主人様!この先には魔物の気配が感じられません。それより出口の方に何やら気配を感じます。」

 シノが念話で話掛けて来た。

「わかった!シノは先に出口に向かい状況を確認していてほしい!」

「承知いたしました!」

 シノが出口に向かうと、俺達はココとレイナの後を追った。


 坑道を進むと道幅は段々と狭くなっていた。

 スライムが出て来る気配は微塵もないようだ!

「広場に出たよ~・・・この場所で行き止まり見たいだよ!」

 先頭を行くココの声が聞こえた。

 ココ達が居る場所にたどり着いたが、誰もいない!

「魔物の気配も感じられないよ!」

 クロもシロも嗅ぎまわっていたが、すぐにココの元に戻り座って指示を待つ指草をしている。

 採掘用の道具だけが置かれてあり、気配は何も感じとれない。

「今回の依頼内容のスライムがいないのはおかしいな!一度ギルドに戻って報告をしよう!」

 出口まで引き返す判断を下し、すぐさま来た道を戻って行く。


「出口が見えたよ~」

「シノさん~」

 ココとレイナが駆け寄りシノに声を掛ける。

 シノが笑顔で対応するところを見ると、問題は無さそうだと判断した。 

 何事もなく無事戻って来た俺達は、シノの報告を聞いてそのまま鉱山を後にしてギルドに戻った。


 ギルドの出張所に戻って来た俺達は、一般の冒険者パーティーの素振りを見せながら普段通りの行動を心掛けていた。

「俺とレイナ様で報告に行くので、皆はここで待っていてほしい。」

「わかったわ!・・・でもシノさんの姿が見えないんだけど?」

 タカはシノの姿が見えないのに気付いた。

「シノは別件でここにはいないよ。」

「そうなの~・・・私、歩き疲れたので暫くここで休んでおくわ!」

 彼女はそれ以上は尋ねずに、ランとココの方に顔を向けた。

 受付で責任者のロイドさんに連絡を取ってもらうと、すぐに奥の部屋に案内された。

 ナダル鉱山の調査報告を済ませると、ロイドは顎に手を当て考え事をしていた。

「ロイドさん、スライムが坑夫を襲ったと言う話は本当なのでしょうか?それにコボルトの情報が無かったのもおかしいです。」

「コウ殿の言う通りじゃ~誰かが嘘の報告をしていたと推測されるが、調査が必要だな!」

 責任者であるロイドが今回の一件を調査してくれるのはありがたいし、我々を信用してくれてるのが嬉しかった。

「しかし~おぬしらのパーティーは有望じゃのう~益々この先が楽しみじゃの~」

 ロイドに報告を済ませた後、コボルトが隠し持っていた鉱石類は、発見した我々の回収物と見なされる事を確認した。


 今回の報酬を受付で受け取ると、またサランが駆け寄って来た。

「コウさん~調査依頼お疲れさまでした!」

 サランは元気に声を掛けると、俺にそっと近づき小声で話して来た。

「今回の件はロイド様よりお聞きしました。それに今回の一件は内密にお願いいたします。」

「安心して下さい!初めからそのつもりです。」

「コウさんなら理解してくれると思っていました~それとセシール支店のエリスさんから、調査が終わったら尋ねてきてほしいとの伝言を受けています。」

「エリスさんからですか?・・・わかりましたすぐに伺います。」

 こちらも用事が有ったので丁度良かった。

 

 皆が待っているテーブルに向かい、果汁水を飲みながら一息つく。

「お疲れ様~これからどうするの?」

「・・・少し整理したいんだ!」

 タカの言葉に少し考え込んでしまった。

 有難いことに、俺が考え込んでいる間は誰も声を出すことなく待っていてくれる。

 ある程度考えがまとまったので、果汁水を一気に飲み説明を始めた。

「ギルドからは今回の調査の事は内密にしてほしいと言われている。」

「どうして!?」

 当然の疑問だ!

「今回の件は謎が多い!誰かが意図しているなら慎重に調査をしなければ相手にバレてしまうおそれがあるからだ!」

「誰かが仕組んだかもしれないという事ね!」

「それは分らないが、それも含めて調査が必要という事だね!」

 俺とタカの話しに、レイナとココは黙って聞いている。

「それとレイナ様とココにはこのままここに滞在して情報収集をお願いしたい。もちろんその間はギルドの依頼は受けてもかまわないし、休んでいても問題はありません。」

「コウ様はどうされますの?」

「俺はセシール村のギルドに呼ばれているので、タカとランを連れて行きます。それと今回回収した鉱石や魔石の鑑定をしておきます。」

「宿はどうされますの?」

 レイナの言葉がやけに突き刺さる。

「ギルドが準備してくれてる部屋で寝泊まりするつもりです。タカとランも一緒ですが部屋は別々ですよ!」

 レイナとココの視線が気になったので、誤解がないように話しておく。

 2人共納得したのかしないのか渋い表情だったが、この機会にポーションや魔道具を製作してみたいと考えていた為、合流した時に魔道具のプレゼントを渡す約束をして納得してもらった。

 俺の提案が気に入ったのか分からないが、タカに俺の事をよろしくと3人共で楽しく会話をしていた。


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