第3話 氷結
毘沙門 能力主:久良義和
剣神乱舞・・・日本刀を出すことが可能。
千手観音・・・自分の手を最大8本まで増やすことが可能。
不動明王・・・相手の動きを一瞬止めることが可能。
池本の声が聞こえる。
《栄...久美を...頼ん...だ...ぞ...》
《梅染を...頼んだぞ!お前が守ってやれ!》
師匠の声もする。
「なぁ...酒井...」
「北島!大丈夫か?」
「あぁ...僕は大丈夫だ...梅染を...」
「梅染は連れ去られたよ!」
「梅染を...助けに行く!」
「え...どこに?」
「伊勢神宮で待っているって...言ってただろ?だから...行く!」
「北島...俺も行くよ!」
「酒井も...来るのか?」
「あぁ!北島がいなけりゃ、学校も楽しくなさそうだしな!」
「酒井...ありがと...とりあえず、帰るぞ!」
「あぁ!」
僕達は家に帰った。
***
「ただいまー!」
「おぉ!国狭槌尊!連れてきたか!」
「あぁ!」
国狭槌尊は梅染を投げ捨てる。
「こいつが梅染かぁ...私の方が可愛いな!」
誰も迦具土神の言葉に返事をしなかった。
「おい!なんで無視するんだよ!燃やすぞ!」
「そんなことより、迦具土神!能力を...授けないのか?」
「そんじゃ、その作業に入るか!」
「迦具土神、酒井忠と言う男には能力を授けてくれ...」
「あ?あぁ!わかった!」
国狭槌尊の願いはすんなりと快諾される。
「そんじゃ...能力を授けるか!」
***
僕は急いで荷物を用意する。
《北島栄の能力”食糧”の能力を削除し、新たな能力を授けます。そして名称を変更します。》
《能力授与完了》
《名称変更完了》
「うぅ...」
僕は急に頭が痛くなる。ズキズキとした頭痛だ。能力変更だと?これが、変化なのか?
「これは...」
僕の能力は進化していた。
大黒天 能力主:北島栄
黒色憤怒・・・相手に破壊力のある攻撃をすることが可能。
時間停止・・・時間を数秒止めることが可能。再度使うには何回か呼吸を挟む必要がある。
傲慢荼羅・・・自分の体重よりも軽い物質を好きなように動かすことが可能。
強引強欲・・・自分から重力を引き出すことが可能。
妬鬱怠惰・・・相手の首を絞める。使っている間は心臓が止まる。
「大黒天?」
僕はそんなことを思いながら、母親に手紙を書く。
書き終えたので、酒井の家に急いで向かった。
***
「酒井!」
「おぉ!北島!俺...能力が!」
「酒井も能力を手に入れたのか?」
「あぁ!」
恵比寿 能力主:酒井忠
物々交換・・・自分が持つものと価値の等しいものを交換することが可能。
五穀豊穣・・・1m以内にいる相手の傷を癒すことが可能。
大胆捕鯨・・・能力で作り出した鯨を呼び出すことが可能。
「恵比寿か...」
「北島は『食糧』だっけ?」
「いや、俺も進化した...大黒天らしい..」
「大黒天か...2人共、七福神か...」
「あぁ...そのようだな!」
「それじゃ、伊勢神宮に行くぞー!」
「おー!」
僕達は出発する。した瞬間───
「ここどこぉぉぉぉぉ?」
僕達はさっきまでとは全然違うところに来ていた。
{ここはー私の作った世界でーす!このまま進んでいけば、私達のいる伊勢神宮にいるので、カッモーン!}
どこかから声が聞こえてきた。
「さて...進むか...」
***
そして、時間軸は久良と堂島が戦っている今現在に戻る。
俺は4本の腕全てに刀を持っている。
「物質凍化!」
堂島は2本目の刀を創り出した。氷の密室も作っているので、多分、堂島は氷を操る能力だ。
「4刀流と、2刀流...どっちが強いか知ってる?」
堂島はこちらに走ってくる。
「そんなの多い4刀流に決まってるだろ!」
堂島は急に俺の右側に移動する。左腕では対処だきない。右腕で対処しなければ。
「あれ?」
上手く自分の腕を動かせない。新たに生やした右腕を動かしたはずなのに、左手が動いている。
「慣れてなかったみたいだな!それがお前の敗因だ!物質凍化!」
俺は堂島に触れられる。その瞬間、触れられた右半身が凍った。
「ぬあぁぁ!」
動かない。体が動かない。その場から動けない。
「絶対零度!」
寒い。寒い。寒い。なんでだ。なんでこんなに寒いんだ。歯が揺れる。顎が揺れる。少しでも温度を保てるように。凍る。凍る。凍る。
「ぶふ...」
左半身も凍ってきた。堂島は平然としている。寒くないのか。
氷結 能力主:堂島零士
物質凍化・・・触れた物質を凍らせることが可能。
絶対零度・・・-100℃もの温度を出すことが可能。
氷結耐性・・・温度変化に耐性が付く。相手にも付与可能。
「寒いか?久良?寒いよな?拙者はお前に氷結耐性を付与してあげてたんだぜ?絶対零度を使うまではな!」
俺の口は動かない。体が激しく揺れる。正しくは、凍っていない左半身だけだが。
「4刀流と2刀流...強いのは2刀流だったな!」
俺は返事をできない。死にたくない。死にたくない。死にたくない。
「寒いだろ...楽にしてやるよ...」
俺の左半身に堂島は触れる。俺の左手は凍る。俺の意識は飛んだ。
「さて、俺は帰るとするか...」
堂島は指パッチンをする。すると、氷の密室は一瞬にして消えて無くなった。
”ズサッ”
「んぁ...」
”ズサッ”
”ズサッ”
”ズサッ”
”ズサッ”
”ズサッ”
空から数多もの刀が落下してきた。堂島の頭に刀が刺さる。そのまま、堂島は死んだ。
***
久良は、刀を持っていない3本の腕の為に刀を出すと同時に、氷の密室の天井に大量の刀を出しておいた。自分が負けても堂島を道連れにするために。
久良は、勝つためなら何でもする男であった。
大黒天 北島栄
恵比寿 酒井忠
毘沙門 久良義和
弁財天 ???
福禄寿 ???
寿老人 ???
布袋尊 ???