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僕はこの国が好きだ  作者: 花浅葱
No.6 僕の戦い、君の戦い
25/44

第25話 触手遊戯

弁財天 能力主:市川真美

絶対音感・・・7秒先の未来を見ることが可能。

酒呑童子・・・5分間だけ身体能力を大幅にあげることが可能。ただし、その後10分は動けなくなる。

美味美味・・・自分と、自分と親密な関係の人の傷を治すことが可能。


布袋尊 能力主:小田海斗

予言的中・・・数日後の正しい未来を50%の確率で見ることが可能。

疾風迅雷・・・風と雷を起こすことが可能。

幸福分別・・・今欲しいものが手に入る。一日一回使用可能。

 

 6本もの根っこが俺を狙って攻撃してくる。触れたら体から何かを吸われてしまう。

「酒呑童子!」

 市川が叫ぶ。

「URYYYYYYYYY!!!!!!!!オラオラオラオラ!根っこだろうが茎だろうが、へし折ってやるぜぇぇぇぇ!」

「ま、真美ちゃん?」

 市川の豹変ぶりに津田も驚いている。


 主根 能力主:津田延

 根子延々・・・体の末端から根を伸ばすことが可能。

 栄養吸収・・・生物からの栄養を根から吸収することが可能。

 心成長点・・・人間として成長することが可能。一度のみ使用可能。


 市川は何事もないかのように根っこを触る。そして、根っこを千切っている。

「なっ...真美ちゃん!どうして僕の根っこを引き千切るんだよ!僕の愛人になりたくないの?」

「お前のようなのが愛人だったら、市川家の恥として一生呪われるねぇぇぇ!」

「なっ...真美ちゃん...言っていいことと悪いことがあるの...知らないの?」

「お前にはどれだけ罵声を吐いてもいいんだ!」

「あぁ...そうなのか...僕も本気、出してみようかな?」

 根っこが合計、10本になる。全ての手の指先から、根っこが出ている。


 ”ガシッ”


 ”ガシッ”


 市川は根っこに捕まり、動きを封じられる。

「いやぁ...僕は本当に偉いね!栄養吸収を使わないなんて、なんて優しいんだろう!」

 市川に1本の根っこが巻き付く。

「ほらほらぁ?海人君?真美ちゃんが捕まっちゃったよ?どうするの?ねぇ?どうするのぉ?」

「俺がどうこうする問題じゃねぇからよぉ...俺は立ち止まって見ているんだぞ?わからないのか?」

「URYYYYYYYYYYY!!!!!!!!!こんな根っこなんざ引き千切ってやるぜぇぇぇぇぇ!」

「なっ!」

 市川は根っこを引き千切って、解放される。

「顔面...ガラ空きだぜ?」


 ”バンッ”


「ごふっ...」

 市川の強力なパンチが津田の腹に突き刺さる。津田は後ろによろけた。

「そんな痩せた体で...勝てると思っていたのか!愚かだ!同じ空気を吸っているだけでも汚らわしいぜぇぇ!」

 市川は何度も津田を殴る。このまま、殴り殺せるだろうか。

「あ...まずいぜ...能力が...」


 ”バタッ”


 津田の上に市川は倒れる。”酒呑童子”の能力が切れたのだ。まずい。このままでは、また市川は捕らわれる。

 俺がなんとかしなければ。


「あれぇ?真美ちゃん?さっきまでの威勢は...どこにいったのかなぁ?」

 津田はゆっくりと立ち上がる。そして、4本の根っこで市川を拘束する。

「は...はは...海斗...ごめん...」

「真美...俺に任せとけ!助け出してやる!」

 市川の服の中を1本の根っこが動き回る。


「津田...お前はクズだよ...物凄くクズだ!飯田を殺した挙げ句...真美に酷いことをしやがって...」

「真美ちゃんだって、僕のこの綺麗な顔面を殴ったさ!」

 津田は眼鏡を上げる。位置を調節したのだ。

「僕は海人君には容赦しないよ?生憎、僕は同性愛者じゃないんだ...」

 更に根っこが増える。合計で15本。5本は市川の方に行ってるので、合計で20本出ている。

 手足の指先を全て使っている。多分、出せる根っこはこれで最大数だ。


「頼むぜ...幸福分別!津田に勝てそうな物が欲しい!」

 俺の手元には縄が現れる。

「な...縄?」

「おいおい!縄なんかで僕を殺すのかい?僕に自殺する趣味はないから...海人君は、諦めて自殺でもするのかな?」

「しねぇよ...この縄を使えば...勝てるんだ...なら、勝ってみせるよ!」

 俺は縄を振り回す。根っこに当たってもダメージは無いみたいだ。かと言って、根っこに結んでいたら他の根っこに触れられてしまう。


「どうするんだ...縄の使い道...」

 俺はとりあえず、振り回しながら進む。縄の長さは5mくらいだろうか。


 ”タンッ”


 自分の体に縄が当たる。だが、あまり痛くない。胸ポケットに何か入っている。

「これは...コンパスの針?」

 そこには、円を書く方のコンパスの針の部分だけがあった。

「これなら...」

 俺は縄を自分の体に巻き付ける。そして、コンパスの針を持った。


 ”ブスッ”


 根っこに刺して、津田の方へ走っていく。すると、根っこは半分に亀裂が入った。貫通とまではいかないが、3ミリほどの穴が空いた。そこから、何かの液体が漏れ出る。

「あぁ!養分が!養分が漏れ出ている!よくも!」

 他の根っこが俺に差し迫ってくる。このままでは逃げれない。どうすれば...

「残念だな!海人君!もう逃げ場はどこにもない!」

 俺の前後左右、そして、上には根っこがある。完全に根っこの中に入ってしまった。どうにかして、抜け出さなければ。


 ***


 市川は必死で口を閉じる。口を開けたら喘いでしまいそうだ。1本の太い根っこが、私の性器の中に侵入して来ている。手足を縛られて抵抗ができない。根っこを出し入れされる。何度も。何度も。もう2回はイッているだろうか。まだ10分経たない。早く”酒呑童子”を使わなければ。



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― 新着の感想 ―
[一言] おい・・・・最後・・・・。 いや、これは作品だ。芸術としての、「美」だ。 これは、人間の「美」を書いているだけだ。 うん、そう思おう。
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