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みんなで幸せになりませんか。悪役令嬢もヒロインもご一緒に

作者: 書庫が好き

「今日で終わりだサファイヤ。今までよくも僕のダリアをいじめ続けてくれたな。婚約破棄だ。公爵令嬢だから何をしても許されると思うなよ。」

よくある出だしから始まる悪役令嬢ものですが、誰もが幸せになる結末を目指します!


誤字報告ありがとうございます。

「今日で終わりだサファイヤ。今までよくも僕のダリアをいじめ続けてくれたな。婚約破棄だ。公爵令嬢だから何をしても許されると思うなよ。」

「姉さん、いやサファイヤ。あなたの悪事はすべて記録し、証人も確保しています。卒業式の終了とともに成人するあなたを裁判にかけることができます。そうすればあなたは爵位剥奪の上、一生牢獄で過ごすことになるでしょう。その前に自ら修道院に入りませんか。そうすれば公爵家への情状酌量はあると思います。あなたも貴族なら家名が大切でしょう」

「サファイヤ嬢、いや、サファイヤ。お前をぶった切りたいと思っていたんだ。オーバルが裁判など生ぬるいことを言うから我慢しているんだ。逃げ出したらいつでも切るからそう思え」

「ダリア姉さん、これからも僕が姉さんを守るよ」

「みんな。私のためにありがとう」


◇◇◇


「まって、私が一番アルフォンス様のことをお慕いしてるのですっ」

がばっと身を起こすと天蓋つきの豪華なベッドの上だった。

「はぁ、はぁ、私は。。。今の夢は一体」


震える手で水差しをつかみ、コップに移し替えることなくゴクゴク音を立てて、直に飲み干す。メイド長が見たら卒倒しそうな人生初めての悪事である。

そろり、とベッドから降り、鏡に向かうとそこには見慣れた私の顔、黒髪黒目のサファイヤ10歳の顔があった。


どうやら、屋敷の者たちに先の叫び声は聞こえなかったようだ。もしくは、叫んだつもりが声になっていなかったのかもしれない。

顔をぺたぺた触りながら先ほどの夢を思い起こす。

華麗だけれど見慣れぬ大広間。金髪碧眼で凛々しいアルフォンス王子、緑髪緑眼の弟であり宰相の長男でもあるオーバル、青髪青灰色眼の勇敢で知られる辺境騎士団団長の三男シンと、見慣れない可憐な少女・少年の姿があった。

「卒業式、ということは16歳?」

ここ、アスファエル王国では12歳の時に魔力を計測し、将来有望とされるものは王立魔道学園へ入学、寄宿舎で16歳まで過ごす。

「美人だけれど見慣れない顔、ということは平民かな」

魔力のある貴族同士が婚姻を重ねるため、魔道学園に入学できるものは貴族が多いが平民であってもたまに魔力が強いものが生まれることがある。

自慢ではないが私ことサファイヤ・オックスウッドは社交の練習ということで、軒並み貴族の顔と名前を覚えさせられている。名前を呼び間違えると公爵家であっても、いや、公爵家だからこそ相手貴族に汚点をつけたということでそれこそ修道院送りにされてしまう。


ピンク色のふわふわした髪と空色の瞳の可憐な少女に寄り添う、茶髪茶眼の意志の強そうな少年を思い起こす。

「アルフォンス王子より頼りがいがありそうね。なにより生命力に溢れているわ」


アルフォンス王子は強い魔力を持っているが病弱である。成人まで持つかどうかと噂されている。言い直そう。貴族は軒並み病弱である。より強い魔力を求め、縁戚同士で血を混ぜ合わせた結果だと歴史の先生は話していた。その先生は異端ということで去年領地外に追放された。

1歳下の弟、オーバルも3日に1日は熱を出しているので夢に出てきた颯爽とした少年に育つのであれば修道院で一生神に祈りをささげてもいい。

「神頼みをしている場合ではないわ。これからどうするか。」


夢が予知夢であれば、アルフォンス王子は成人することができ、私こと婚約者のサファイヤを牢獄もしくは修道院送りにするようである。

「その原因があの少女。ダリア、だったかしら」


自慢であるが、一度見た顔と名前は忘れない。公爵令嬢である私が名前を忘れていたら相手は面目を失ってしまう。領地から一生出ないか、巡礼の旅に出るであろう。そうさせてしまった私も修道院送りである。

今後の方針を決めないと。

「バイオレット・セーラー侯爵令嬢とルビー・ケント伯爵令嬢の姿もあったわね。あら、でも二人ともおびえた顔をしていたわ」

美しいがゆがんだ顔をした二人の令嬢の姿を思い出す。あまり話をしたことはないが、階級的に魔道学園で一緒に過ごしそうではある。

「では、彼女たちも修道院送りなのかしら。将来はわからないけれど、現在悪い評判はないわ。もし冤罪なら阻止しないとね」


自慢であるが、公爵令嬢は情報通でなければならない。話の内容一つ間違えると相手の地位を奪うことになる。その結果は(以下略)。


オックスウッド公爵家の力をもってしても、魔力測定前の平民の少女と少年を探し出すことは難しいが、貴族の子息・令嬢を調べることはたやすい。

「これから2年、どのように成長し、どのような関係を築くのか調べないと。それから先生、ダーウィン先生を連れ戻さないと」


温和で少しメタボな先生の顔を思い出す。

「歴史と、遺伝学?とやらを学ばないと。シンと立ち向かうには剣の練習も必要かしら。」

入学までにやることを頭に刻み込む。忙しい2年になりそうである。


◇◇◇


馬車が揺れる。あれから2年。公爵に願ってダーウィン先生を連れ戻してもらった。歴史に魔術学の基礎、経営学や土木学などを学び、礼儀作法とダンスの合間にと、渋る父公爵を説得して剣の練習もした。

結果は剣の才能はないことが分かっただけ。。。水の属性は剣とは合わないので仕方ないわね。いえ、体力をつければあと少しは。

弟のオーバルも7日に1度寝こむぐらいに元気になり、門の前で手を振って見送ってくれた。今年11歳、4年後には颯爽とした少年に育ちそうである。

アルフォンス王子とは時々王妃のお茶会で顔を合わせていた。女の子と話をするのは軟弱だと思い込んでおり、会ではオーバルと一緒にいることが多かった。ふたりとも病弱だけどね。

魔力の測定では火と風の属性があり、国を繁栄させると将来を期待されている。

シンは火と土の属性。辺境騎士団で団員相手に剣を振り回して遊んでいるらしい。らしい、というのは辺境騎士団は基本的に境界を守っており、めったに王都にやってこないからである。

少女の身元も判明した。王都近くの町の少女で、光の属性を持つ稀有な存在。パン屋の両親を手伝う笑顔がかわいい看板娘らしい。そして、ダルという今年11歳になる弟がいる。


「ごきげんよう、サファイヤ様」

馬車から降りると、隣の馬車からバイオレット嬢とルビー嬢が一緒に降りてきた。従妹同士で一緒の馬車に乗っていたらしい。


「ごきげんよう。あっ」

ルビー嬢の後ろに御者の手を離れた馬が走ってくる、危ない、と声をかける前に


ドシン


目を開けるとそこにはルビー嬢を抱える精悍な少年の姿。


「お手柄だな、シン」

拍手をするアルフォンス王子。その横におびえた顔のピンクの髪の少女。


「役者がそろいましたね」


小さなつぶやきは誰にも気づかれることはなかった。


◇◇◇


どうやら、ルビー・ケント伯爵令嬢はシン・ボーディー辺境騎士団長三男に恋をしたようである。

バイオレット・セーラー侯爵令嬢はわが弟、オーバルとの縁談がある。

馬はピンクの髪の少女、ダリアが乗ってきたもので、平謝りにしているところをあなたは乗っていただけだからと仲裁、ルビーと和解させた。そんな私を王子が面白そうな顔をしてみていた。

彼からすると、私は他人に興味がないように見えていたらしい。この2年間、将来設計に悩んでいたから。。。とは言わない。


馬車自身は借り物だけれど、自分の乗ってきたものだからと謝るダリアの姿は、シン、そしてアルフォンス王子には好ましく映ったらしい。

入学して1週間。二人してダリアの姿を見かけると声をかけている。その後ろで、バイオレットとルビーが悔しそうに見ているのも。


「なんとなく、成り行きが分かったわ」


きっと、アルフォンス王子に恋をしていたら、私も二人と一緒にダリアを妬んでいたのでしょう。でも、今は違う。夢で見た凛とした少年を思い起こす。そして、ダーウィン先生がメンデル老師の業績を継いで描いた複雑に絡みあった貴族家系図も。

図は、王家から降嫁してきた曽祖母が、王家とアスファエル王国の繁栄を願い、魔力の高い子孫を得るための方法探しにと、衛生局を引退したメンデル老師に依頼、ダーウィン先生に引き継がれ作成された。爵位が高くなるほど婚姻先が限られ、血の繋がりの近いもの同士の結婚が増える。その結果、爵位が高くなると、魔力と夭折する確率が高くなる。逆に、養子で爵位を継いだり、外国と縁組して得た子は魔力は弱いが平均寿命を上回るものが多い。この図が流出すると国を揺るがしかねない。同様の理由で、追放されたとされていたダーウィン先生は、領地内の祖母(曽祖母から屋敷と研究の支援を引き継いでいた)の屋敷に匿われ、統計学なるものを研究している。

3年前、ダーウィン先生は両親共に王家の血を引く私とアルフォンス王子は血が近すぎると婚約に反対したらしい。もっと強く反対してほしかったけれど、家系図なしでは困難だったでしょうし、これから出来ることをしましょう。


「さて、どうしたものやら。バイオレットたちも悪い人ではないのよね。でもやっかんでいじわるすると。。。」

夢の中のゆがんだ顔をした二人を思い出す。美しくない。非常に面白くない。

「あんな風にはなってほしくないわ。。。あら、ごきげんよう」


つぶやきながら廊下を歩いていると、回廊の近くでぼんやりとたたずむダリアの姿があった。

「ご、ごきげんよう」

びくっとしながらこちらを見る子ネズミのような姿。平民も何人か入学しているが光の属性は稀有なもので、どうやら友人はできていないようである。王子たちが話しかけているのも近づき難い原因であろう。


「これからランチなの。よかったら一緒にいかが」

「はい?」


びくつく子ネズミを連れて食堂へ。入ったとたんにざわめきから静寂に変わるが気にしない。


「今日の日替わりはハンバーグですって」


貴族であってもセルフサービスである。パンやサラダを取り分け空いた席を探す。


「ご一緒させていただいてもいいかしら」


そこには、目を丸くしたバイオレットとルビーが座っていた。


◇◇◇


「こんなものだったかしら」


今日のランチ(社交)を思い返す。好きな食べ物や趣味の話を振り、授業や友人の話題は出ないよう気を付けた。

趣味の話が将来やりたいことに変わったときにはヒヤッとしたけれど、バイオレットは司法局、ルビーは衛生局、ダリアは魔法局とそれぞれ就職希望だったのでのでほっとした。でも、令嬢なら夢は素敵な殿方との結婚だと思っていたので意外。私?私はにっこり微笑めば王子の許嫁ということで理解された。本当は辺境局に入って未開地の探索と移住がしたいです。そういえば、ダルは何になりたいんだろう。

同じ絵本を読んでいて、誰が好きかという話も緊張したが、4人そろって四男坊のあずきと答えたのでみんなで笑った。二人とも、ダリアが異性を気にしていないので安心したらしい。

午後の授業は4人一緒に並んでアルフォンス王子たちが何か言いたそうにしていたのを追い払った。3人が後ろでくすくす笑っているのが小気味よかった。


◇◇◇


あれから1年。

交流を開始したひと月後には、4人でお互い苦手な科目を教えあうことにした。

バイオレットは文学に歴史、ルビーは礼儀作法にダンス、ダリアは魔術、私は音楽である。歴史や生物はダーウィン先生仕込みだから人に教えられないんだよね。

ダリアのパン屋にも行った。両親には学園でできた友達と紹介され、パンをおまけしてもらった。

ダルにも会った。彼が水やりすると家庭菜園の生育が顕著だとか。学園に通うことになったら弟をよろしくとお願いして照れられた。そうそう、ダルと弟のオーバルはともに土の属性である。


余談であるが、穀物商に嫁いだふたりの姉ハンナは、外国を含む各地の作物の生育状況を把握しており収穫高の予測精度が内務省顔負けである。執事と料理長に取り込みを指示したら、穀物商とわずかではあるが取引を開始した。ふたりの兄ヘンリは新進気鋭の料理店で見習い中。お忍びで食べに行く計画はここだけの内緒。


◇◇◇


ダリアには友人が増えた。身分に関わりなく笑顔で接する姿が好まれるのだろう。

王子たちとの関係は可もなく、不可もなくやっている。2人以外にもダリアに気がある人達がいるようだが、ダリアは誰にも振り向いてはいない。


面倒なので、王子たちには私が彼らがダリアに気があることに気が付いていないふりをしている。

いつも友人と仲良くしてくださり、ありがとう存じます、とにっこり笑うと目をさまよわせるのが面白いから、ではない。決して。


「ダル、もっと腰を入れて。オーバルはもっと力強く」


ぼんやりしているとシンの威勢のいい声が響いてくる。オーバルはダリアに一目会った時から恋に落ちたようで、弟のダルに付きまとうようになった。そして、同じ理由でかまう根性なし、いや、王子たちとも一緒にいるのも自然なことで、今日はシンが剣のけいこをつけている。

さてもう一息、と香茶をひと口。気を引き締めて、復習ノートの作成に戻った。


◇◇◇


ついに時は来た。今日は卒業式1週間前。もうすぐ私の将来が決まる。


「ごきげんよう」

「いらっしゃい。ようこそ。今日は二人きりで話がしたかったの」

「サファイヤさんとお話なんて楽しみです」


ニコニコ笑いながら私に与えられた寮室に入ってくるダリア、いえ、ダリア嬢。彼女も、貴族令嬢の立ち居振る舞いが身についた。魔術や地政学など、時にはアルフォンス王子を抜いて1位の成績を上げている。魔法局の内定は得ているが、立派な王太子妃になれることだろう。


「6年前夢を見たの。あなたに意地悪をした私はアルフォンス王子に婚約破棄され、投獄もしくは修道院送りになるの。あなたはアルフォンス王子のことをどう思って?好きなら私は身を引くわ」

「どうって、、、お友達です。好きとか、考えたこともありません。もしかして、仲良くしてくださっていたのは」

「誤解しないでね。あなたを利用しようと思ったのではないの。あなたは私にとってお友達で、家族の一員のように思っているわ」

「家族。うれしいです」


こわばった顔から、笑顔に変わるダリア。ころころ変わる表情がかわいい。そういえば、子ネズミちゃんと思ったこともありましたね。

「夢、ですか」

そして、真剣な表情になるダリア。

「私も見たことがあります」

「え」


6年前、夢で立派な広間(今では学園の講堂だとわかっている)できれいな服を着て素敵な男性(多分アルファオンス王子)と踊り終わったのち、アルフォンス王子がとてもきれいな女性(もちろん私である!)をののしった夢を見たという。

回廊で声をかけたとき、その夢を思い出したので緊張したそうである。緊張していたのは見て分かっていたけど公爵令嬢から声をかけられて平静な人はいないから気が付かなかったよ。ごめんね。

夢でいじわるしてきた麗しい女性(私!)が現実では優しくて、夢はゆめ、と忘れかけていたとか。私?今でも辺境への脱出をもくろんでいます。

控えめだけれど、強くありたいと努力し、成長し続けるあの人の存在がなければ。。。


「アルフォンス王子は王妃様と私の母が姉妹なので幼い時から知っている、きょうだいのような存在です(本当はもっと複雑だけど省略させてくださいね)。ダリアなら王太子妃教育についていけるでしょう。はい。これ虎の巻」

辞書ほどの分厚さになった王太子教育の授業の注意書きを渡すとダリアの顔が引きつった。私も、ノートを綴じ直しながら顔が引きつっていたよ。こんな勉強する時間があったらシンに剣の稽古つけてほしかった。ほんと。


「私、わたしは、、、シン様のことが好きなんです」

「あら」


ルビーを助ける姿がかっこよかったとか。そうだね。そっか。シンか。ルビー、どうしよう。


◇◇◇


「ごきげんよう」

「いらっしゃい。ようこそ。今日は二人きりで話がしたかったの」

「サファイヤさんとお話なんて楽しみです」


ニコニコしながら入ってくるルビー嬢。既視感を覚えながら迎える私。


「早速だけど、恋バナしませんか。ルビーってシンが好きよね」

「いえ、ええっと、僭越ですが、オーバル様のことが。。。まだ婚約整っていないからと、心の中でお慕い申し上げております」

「はいっ?」


シンに倒されても打ちかかる姿が琴線にふれた模様。オーバル、よかったね。好きになってくれる人いたよ。


◇◇◇


「ごきげんよう」

「いらっしゃい。ようこそ。今日は二人きりで話がしたかったの」

「サファイヤさんとお話なんて楽しみです」


ニコニコしながら入ってくるバイオレット嬢。これもう既視感の域越しているから。


「早速だけれど、オーバルのことどう思っていらして」

「あの、縁談のお話をいただいたのは光栄なのですが、実は好きな人が、、、ごめんなさい、私、アルフォンス王子がずっと好きなんです。でも、サファイヤさんが王子とお似合いなのもわかっています。だからお仕事して、お仕事がんばって」


涙目で語るバイオレット嬢。あ、これ私悪い人?


「そうなの。勇気を出して話していただきありがとう存じます。そうと決まったらみんな集めないとね」

「え」

「みんなで幸せになりましょう。はい、これ虎の巻」


◇◇◇


「一緒に踊っていただけませんか」

今日は卒業式。本当は男性から女性に声をかけるものらしいけど気にしない。昨日、4人集まって誰が誰を好きか暴露した。そして、自分の恋は自分でつかむ、失敗したら仕事頑張るって励ましあった。いけ、今日の私。そしてみんな。


「本当に僕でいいんですか」とまどうダル。だからって公爵令嬢の手を断ることはできないよね。

「一目見た時から好きだったんです。一緒に辺境局でお仕事しませんか。それとも将来はパン屋を継ぐのでしょうか。パンを焼いたことはありませんが経営は任せてください」

「パン屋は兄が継ぎます。姉と一緒に魔法局と思っていましたが、サファイヤさんと一緒に辺境局もいいですね。あ、社交辞令じゃないです。僕も、最初にあった日からこんなきれいな人がいるんだって。。。」


恥じらいながら踊るダルと私。本来は卒業生だけの会であるが、家族枠でオーバルとダルを呼んでいた。ほかの3組も、お互いの目が合ってはそらし、また合わし、と、顔を赤く染め、ややぎこちなく踊っている。


ふと、バイオレット嬢と踊るアルフォンス王子と目が合った。


「婚約破棄、しませんか?」


読んでいただきありがとうございます。

みなさまにとって、今日がいい日でありますように。

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[良い点] ハッピーエンドのお話は大好物ですww 意外なカップル誕生で面白かったです(*´∇`*) [気になる点] 後半の16年前に見た夢・・・ 10歳で見た夢で、16年後だと、卒業時、26歳になりま…
[良い点] 面白かったです。 登場人物みんなが幸せになるのが理想的な結末だと思います。 [気になる点] 結果は剣の才能は……の行で、よくわからない文字列がありました。ご確認を。
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