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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

それはある日突然に

作者: 酢だこさん

次に奇跡が訪れるのは、あなたかもしれません

2021年5月21日の午前7時22分。そろそろ家を出て仕事に向かおうとしていた矢先に、ソレは、何の前触れもなく訪れた。


「っ・・・!」


 ソレは、純然たる自然現象によって引き起こされる災害。科学の発展した現代の技術を駆使したとしても、いまだに明確な予測もできない代物。21世紀の今でさえ、いつ来るかわからないソレに対して、ヒトは常にどこかおびえながら日常を過ごしている。そんなに頻繁に起こる事象ではないが、いつ、どこで来てもおかしくない、ソレ。

次は自分の番か―。一週間前に仲間と冗談交じりに話していたソレが、まさかここにきてこのオレに襲い掛かってくるとは。何の因果かは知らないが、いざその瞬間に出くわしてしまえば、【面白くもない冗談だ。】と笑い飛ばすこともできやしない。


ともかく、今この瞬間にしなければならないことは一つだけだ。それは、落ち着いて最善の行動をとること。

この点に関しては問題ない。なにせ、こちとらその道のプロだ。ソレを経験した数が常人の数十倍と言ってもいいくらいなのだから、いまさらこの程度ではビビらない。


なので、俺は、初動の選択肢として、すぐさま机の上に転がしたままにしていた携帯電話を手に取ることを選択。外界との連絡手段をまずは確保する。

次にすべきは自身の安全の確保。通信手段を持っていても、物理的・社会的にでも自分が死んでしまっては何の意味もない。速やかに安全地帯に逃げ込む必要があった。しかし、これも問題なくクリアする。ここは、ソレが起きたのが自宅でまだよかった、というべきだろう。逃げ込むべき場所を、オレは完璧に把握しているからだ。もし、不慣れな外でソレに襲われていたら・・・オレはおそらくあらゆる意味で死んでいた。ここがコイツの恐ろしいところだが、どんなプロでも死ぬときは一瞬なのだ。


ともかく、オレは自宅にこしらえられている安全地帯・・・トイレに入る。そして流れるような動作で携帯を起動し、上司をコールして遅刻の言い訳を簡潔に10秒で語る。

そこまですんだら、あとしなければならないことは1つだけだ。ズボンとパンツをおろして、ソレ・・・あえて言うならば、ミソの大量生産を開始した。


匂いは、強烈だった。


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