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〜ローズカラー〜
「お待たせしましたー、牛丼になります」俺はいつもここでこの牛丼を食べる。美味くなく不味くなく、安定の味だ。「ありがとうございましたー」そんな店員の声に見送られ、その店を後にした。そうして自宅までの帰路に着く。だが今日は違った。「すみません、匿ってくれませんか?」なんだこの女。「どうしたんだ…あんた」「あんたじゃありませんよ。ほらそこに名前が」そこにあった名前は…【指名手配犯 森山香澄⠀】…は?「えっと…あんたは指名手配犯ってことか?」「だからあんたじゃありませんて」いや、そこじゃないだろ…「どうなんですか?匿ってくれる件」なんでこの女は俺が質問に答えてくれると思ってるのか。まぁ素性を知ってからでも警察に売るか。「…わかった。うちに来い」「やったあ!有難うございます!あの…」「なんだ」「あなたの名前は…?」「宮下守、元刑事だ」「わーお…」こうしてうちに指名手配犯が来ることになった。