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機動女神エターナル・レッド ケモ耳ニャン子は俺の女神様?  作者: さば・ノーブ
第2章 ブルーブラッド
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ブルーブラッド・蒼き貴公子 その1

遂に彼の姿が?!


彼・・・勇者剣士ユージニアスが?


「がぁ~はっはっはっ!もはやお前達に勝機はないぞ!」


おっさんドアクダー、キンギンが嘲りやがる。


「さぁ、大人しく仲間の元へ行くが良い」


差し出して来る瓢箪の首先。

下手に返事してしまえば、忽ちにして飲み込まれてしまう。


「いいか、絶対に返事しちゃぁ駄目だからな!」


残された萌に嵐、そしてセッカに言い聞かせる。

もしも瓢箪に飲み込まれてしまえば、萌・・・いや、モエルさんを守る事が出来なくなるんだ。


それに、二人を助け出す事だって。


「うん、分かったよゆー兄ぃ」


背後に居る萌の声が聞こえた。

このピンチにモエルさんは出ては来ていないようだ。

きっとキンギンに、自分の存在を教えないように務めているんだな。


狙いは<地図の巫女>であるモエルさんなのだから。


「でも、こうなってユージニアスに出張って貰えないのは辛い」


俺の中に居る勇者剣士の異能なら、たちどころの内にキンギンなんて打ち負かせられる筈なんだ。


「おい、もう一人の俺。出るのなら今だぜ?」


他人を宛にするのは良くはないが、今はそんな悠長な話をしている時では無いんだ。


「二人を救うには、アンタの王者の剣が必要なんだよ」


審判を下す魔法剣。

それがあれば、きっと瓢箪の中から助け出せる筈なんだ。


「魔法剣にあるべき場所へ戻らせれば済むんだから」


それに・・・キンギンもフッ飛ばしてやるのに。


「出て来れないのなら・・・俺に剣を貸せよな!」


そう・・・使いきれないとしたって。


「俺にも王者の剣が使えるのなら、お前の代わりに萌を・・・いや。

 アンタの守るべき存在を、きっと護ってみせるぜ!」


モエルさんを。

<地図の巫女>って娘を・・・護り抜いてやるぜ!


心の底で。

俺は萌の微笑む顔を思い浮かべる。


それはボブカットにする前、栗毛だった頃の姿。

長い髪を靡かせて微笑んでいる少女の姿。


「きっと・・・護ってやる。そう誓ったんだよ俺は!」


義兄妹ぎきょうだいになる前。

出逢ったばかりだった頃の<もえ>に約束したんだ。


あの日、あの晩。


萌を襲った怪異を叩きのめした後。

覚えていないけど・・・思い出した。


「俺は・・・萌に・・・約束したんだよ。

 必ず・・・いついかなる時だって・・・護るって」


何かが俺の中で開かれていく。


重い扉を抉じ開けて、何かが出て来ようとしている。


蒼い輝・・・


蒼き光を纏う奴が・・・・





 キィイイイイイィ~~




光の中から出て来たのは・・・・







挿絵(By みてみん)


「「ユージ・・・さぁ・・・行きましょう」」


萌の中でもう一人の萌が手を差し出しました。


「「この子達に・・・授けましょう」」


輝の中で揺蕩う乙女・・・その名は。


「「私・・・この時を待っておりました。

  モエルはこの子達に委ねたいと想うのです」」


光の中、差し出された手の先には?


地図の巫女モエルが告げる相手とは?






 キイィイイイイィ~





扉が開きました。


溢れる蒼き光の中、扉の中より歩を進める者が。


「「そなたが望むのであれば・・・」」


蒼き甲冑に身を包んで・・・




 ギャキンッ!



背に負った大剣を抜き放ちます。


「「我が剣を以って・・・誓いとなさん」」


蒼き鎧に身を包んでいるのは?


「「我が剣は、聖なる者へと譲渡される。

  まだ未熟なれど、正義を心に宿しているのは疑う術もない」」


大剣・・・その名は?


「「我が遺志にそぐわん者よ。

  心に正義を輝かせるものよ。

  我と巫女の名により受け継ぐべし。

  審判を司る女神より受け継いだ王者の剣を!」」


審判の女神・・・ジャスティゴッデス?!


「「月より出でし女神にして裁きを司る者。

  正義を信奉し、邪悪を阻む女神から賜った剣よ。

  我が遺志を受け継ぐ者に異能スタントを授けよ」」


ユージニアスは剣を突き上げ、天に願いました。


そう・・・宿る少年へと託す為に。






「俺の中でアイツが剣を抜いた?」


何かが起こりつつあるのが分かる。

強い力を感じ、俺が俺ではなくなるのが判ったんだ。


「つまり・・・変わるんだよな?」


意識を奪われ、奴が入れ替わろうとしているんだ。


「いつもは迷惑だったけど、今日は恩にきるぜユージニアス」


このまま、俺は意識を奪われて・・・入れ替わる。


筈だった。



だったんだけど?



「「聞こえているかアルジのユージよ?」」


初めて。

ユージニアスの声が聞こえて来た。


「ああ、ばっちりとな」


ユージニアスの声は重く・・・そして、どこかで聞いた事のある声だった。


「「お前は王者の剣を所望するか?」」


「えっ?アンタの剣をか?」


意味が解らなかったが、確かに俺は。


「ああ、今直ぐに!俺に貸してくれるのならば」


貸して貰っても使いこなせるかは分からない。


「仲間を助けたいんだ!だから今直ぐ必要なんだ」


何も出来ない内に終わらせられるのは御免だ。

みんなを助けたい・・・護りたいんだ。


「俺に使いこなせるかは分からない。

 だけど、大切な人達を護りたいんだ!

 ユージニアスのように大切なモノを俺の手で護りたいんだ!」


意識の中、光から誰かが現れ出る。

それは・・・蒼き剣士?


「「良く言った。それでこそ継承者だ」」


「え?!アンタが・・・勇者剣士?」


眼を疑うけど・・・そうらしい。

何度も見返したってユージニアスは・・・


「「そうだ、私が貴族ノラ・ユージニアスだ」」




挿絵(By みてみん)


・・・ニャ?!


金髪で蒼き瞳。

そこまでは想定内だが・・・ケモ耳が付いていやがる。


蒼き甲冑に身を包んだニャンが、俺を観てる。


「「継承者よ、この剣をお前に託す。

  審判を司る魔法剣は、邪悪を斬る為だけではない。

  間違った道を歩もうとする者をも切り裂くと心せよ」」


つまりは聖なる魔剣って話?


「「剣は異界から出でる。

  常に身に着けておく必要は無い」」


そうか?!だったら使いたいときにだけ呼び出せば良いんだな?


「「継承者たる自覚を持て。

  一つ間違えば、魔剣は己をも斬ると心しておけ」」


道を外せば、則ち魔剣として自らを斬る羽目にもなるか?


「「最後に言っておきたい事がある。

  地図の巫女を護って貰いたいのだ、私の代わりにだ。

  愛してやまないモエルを・・・護ってくれ」」


勿論だとも!

それが萌を護る事にもなるんだからな!


「「頼んだぞ・・・我が継承者よ」」


光の中、扉の中へ勇者剣士が消えていく。


それと同時に、俺の意識が戻って行った。





「そらそらどうした?最後のお祈りでもしていたか?」


嘲るキンギン。


だけど・・・半分は間違いだ。


「生憎、俺は信仰が厚くなくてね」


信じられるのは仲間達の方だ。


「だけど、最期の祈りを捧げていたのは間違いじゃない」


「?!どういう意味だ?」


キンギンが嘲るのを辞めて訊き返して来る。


「決まっているだろう?

 お前をぶった斬る為の祈りだよ!」


「ふッ、ふざけた言を・・・」


言っちゃぁいないぜ?


俺は差し出した手の中に感じていた。


心の奥で湧き出て来たスペルを唱えていたんだ。


ユージニアスから受け継いだしとを現界させる為に!

ニャンと?!

ニャンということでしょう?

勇者剣士がニャン雄だったなんて?!

まぁ、アリシアがニャン子だったから予想できたかも。


それは・・・この際措いて置いて。

ユージが手にした使徒とは?

旧約聖書にそれが記されていました・・・


次回 ブルーブラッド・蒼き貴公子 その2

使徒<サンダルフォン>?!その名にピンときたら。<命の木>で調べてみて?

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