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機動女神エターナル・レッド ケモ耳ニャン子は俺の女神様?  作者: さば・ノーブ
第2章 ブルーブラッド
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アサシン・シンバ その1

学校でも言い寄ってくる嵐に参っていたユージ。


バイト先なら・・・と、考えたのでしたが。


甘かったようですW

ドアクダーの襲撃があったバイト先だったが、今はもう危険は無い筈だ。


ドアクダーも暫くは襲っては来ないだろうし、襲われたにしたって心強い仲間が居るんだ。


「奥宮ぁ~!トッポイボーヤに構っていないで配膳しろぉ!」


でもね、困った事になっていたんだよ。


「野良ぁ~!さっさと注文を受けて来い!」


バイトチーフでもある京香先輩の逆鱗が墜ちてしまった。


「は、はい!今直ぐ」


俺はしなだれかかって来るらんさんを振り切って、受け持ちエリアへ駆け出したんだ。


「あ~ん、ゆー君待ってよぉ」


振り解かれた嵐さんは、俺と同じ制服を着ている。

つまり・・・


「こらッ!いい加減にしないかラン」


京香先輩が目くじらをたてて怒鳴ったよ。



京香先輩と同い年には到底見えないんだよなぁ。

昔は同級生で仲の良い親友だったなんて、どう見ても観えないんだよ。


奥宮 嵐さんは4年間も時間の狭間に潜んでいた。

時間の概念が無い場所に居た為か、俺と同い年にしか見えないんだ。


本当なら二十歳以上になってる筈の躰は、時が停まって高校生のままなんだ。

でも、時折俺に対して年下扱いして来るのは、京香先輩と同じ年なのを自覚しているからだろう。


俺が<びっくりモンキー>でバイトしている時間帯に、京香先輩へ頼んでシフトに入れて貰ったらしいけど。

こうもべったりされると感じ善くないなぁ。



「全くランの奴ときたら・・・」


ブツブツ文句を溢す京香先輩が、人目を避けるようにして俺の傍に来ると。


「すまんなトッポイボーヤ君。

 あんなにベタベタする奴じゃなかったんだが」


ランさんを知る先輩が謝ってくれたんだ。


「あはは、俺もランさんじゃ無いように思えちゃいましたよ」


結界の中で変身して闘った少女だとは思えない。

白拍子の衣装を纏い、ドアクダーに挑んだなんて思えない程だよ。


「うむ。私も頼まれた時はこうなるなんて思いもしなかった。

 ランはもう一人のトッポイボーヤ君に用がある筈なのだからなぁ」


そうなんだよなぁ、俺にはランさんを解放する異能なんて有りはしないんだから。

いくら待ってて貰っても、どうする事も俺には出来ないんだけど。


勇者剣士(ブレイヴナイトが現れるのは、戦闘中だけですからね」


先輩の謝意に、逆に謝るしかなかったよ。

普段の生活中では、もう一人の俺が目を覚ます事すらないだろうと思って。


「ふむ、その事だがな。

 どうやらそうとばかりは言えないようだぞ」


「へ?!それってユージニアスとか言う奴が戦闘以外でも現れるって言うんですか?」


そう言えば嵐さんが初めて現界した時には、俺は意識を失っていたんだっけ。

萌達が観ていたのに、俺には記憶が無かった。


ランさんは俺の中に居る奴に話しかけれたんだ。


「俺には記憶が無いけど、嵐さんは話せたんでしたよね」


「そうらしいぞ。アイツに因れば、君の中に居る奴と話す事が出来たみたいだ」


うん?そこ・・・過去形?


「どうやら時空の狭間に居た時には感じ取れたようだが。

 ここではもう、君から何も感じ取れないと言うんだ」


それって、どう意味なのでしょう?


「ランが言うには、時間の狭間に居る時に偶々見つけられたらしい。

 微かに感じ取れた勇者剣士の異能に引き寄せられたのだという。

 何かが近くに存在している時にだけ、君の中に居る奴が起きている様なのだ」


何かが存在していた?

勇者剣士が目覚めを意識する存在というと?


「もしかしたら、モエルさんじゃないでしょうか」


彼女は既に萌の中で目覚めかけている。

俺と話せたことからみて、先ず間違いないだろう。


「勇者剣士が求める宝だとかいう娘だな?」


「そうです、彼女は萌の中で目覚めかけているみたいですから」


答えた俺に、京香先輩は難しい顔になって考えている。


「もしも妹ちゃんの中に宿る娘が目覚めたというのなら。

 どうしてもう一人の君は起きないのだ?

 なぜ自らの手で宝を取りに現れない?

 そうすればランだって解放されるというのに」


顎に手を添えて考えこむ京香先輩。


「まだ早いって言ってましたけど、モエルさんも」


自分が逃げ隠れする存在なのだと教えられたんだ。

このまま萌の中で隠れ続けなくてはならないのだとも言っていた。


もしも今、邪悪なる者がモエルさんを捕えて秘密を暴かれでもしたら。


「目覚めない勇者剣士には、護り通せるのかは分からないのですから」


「矛盾だな、秘宝を手にしなければ目覚められない勇者と秘宝を隠す娘。

 二人はいつまで経ってもお互いに触れ合う事すら出来ないのではないのか?」


?! 


京香先輩の言葉の意味が知らせているのは、モエルさんとユージニアスの運命。


お互いどれだけ手を取り合いたくても、触れることすら出来ない宿命なのか?


一人は秘宝の在処を示す地図の巫女。


もう一人は、彼女を護り続ける守護者ガーディアン


二人がどうしてそうなったのかは分からない。

だけど、京香先輩の言った通りなのだろう。


二人に掛けられた呪いは、半永久に解けない・・・このままでは。

もしも宿命が果てるとすれば、二人にとって願わしくない結末になるだろう。


彼女モエルが言ったんだ。


死を賜る事すら出来ない存在なのだと。

永劫に続く逃亡の先で待っているのは、考えたくもない宇宙の破滅。


自らが滅ぶだけではなく、大切な同胞はらからをも潰えさせてしまう。

彼女が滅びを認めず逃げ隠れしているのは、未だに清い心のままだからだろう。

数万年もの時を越えても、未だに滅びを振り撒かないのは、どれ程の辛苦を乗り越えて来たのだろう。


「いつの日にか。終わりは来ますよ、誰にだって」


京香先輩は勇者剣士と巫女の話を知らない。

どれ程惹かれ合う者同士でも、どうにもならない事もあるから。


俺は終末を欲していたモエルさんの心が少しだけ分かった気がしたんだ。


手も触れ合えず、本当の姿さえも見せ合えない。

誰が好き好んで永劫の呪いを甘受しなければならない。


きっと・・・彼女は終わりを求めていたのだと判ったんだ。

モエルは勇者剣士に因って終わりを迎えたいと思っているのだろう。


邪悪なる者に使われず、宇宙の端で人知れず消え去りたいと願っているのではないか。


だとしたら・・・俺は?

モエルさんを宿した萌は?


共に滅ばなきゃいけないのだろうか?



「終わりが来る・・・確かにそうだろう。

 だけどもなトッポイボーイ君。

 幸せを掴まずに終わるのは、誰だって嫌じゃないのか」


京香先輩の声に、俺は黙って耳を傾ける。


「何も出来ず、何も手に出来ず。

 それならばいっその事、何かを残そうとは成し遂げようとは思わないのか。

 いや、成し遂げられなくても構わない。

 どれだけ全力で立ち向かうかに因って、自分の想いが残される。

 誰も観ていなくったって、生きた証が残されるのだとは思えないか」


勇者剣士と地図の巫女。

二人が消え去る前に残すのは?


「二人の間にどんな想いがあるのかは知らない。

 知らないが・・・永久に護り護られる間柄なのだとすれば。

 そこにあるのは永遠の誓い・・・絆ではないのか?」


そうなんですよね。

京香先輩の仰る通り、少なくともモエルさんはユージニアスを愛している。

数万年、守ら続けて来た。

出逢えなくともそれだけの年月を、ずっと二人で過ごして来れたのだから。


「逢いたいでしょうね。 

 会って・・・愛を語り合いたいでしょうね」


絆 ・・・共に交した約束。

誓い・・・愛を告げあう者達。



宿られちゃってる俺には、モエルさんが欲しがっていた物が良く分かる。


ユージニアスへの想いは、永久に変わらないだろうから。


彼女は既に永遠なるモノを手にしているんだって思えるんだよ。


そうさ、永遠に終わることの無い絆を心に宿しているんだ。


それは・・・きっと愛。







バイトを終えた俺に、嵐さんが言い寄って来るのを京香先輩が一撃の下に。


「ランは明日も学校だろう~が!

 へらへらしてやがるのならバイトを辞めさせてやっても良いんだぞ」


「うわぁ~?!強権?!」


首根っこを掴まれた嵐さんが、京香先輩に押し留められている隙に。


「そ、それじゃぁ。お疲れさまでした」


逃げ出すように家路についたよ。


シフトの関係で今日は早めの帰宅になった。


見上げれば満月だ。

アイツが夜空から降って来て、早いものでもう2週間か。


それまでならバイト帰りを狙って、萌が現れたもんだったな。

俺に宿題をやらせる為とか言って。




 ずざっ!



俺の感慨を蹴破って、足首にこつんと靴先が当たる。


「そう・・・いつもこんな調子で・・・って、萌!」


振り返った俺は、当然そこに萌が居るものとばかリ思ったんだ。


「「えへへ~、やったね」」


とか言いながら、俺にウィンクして来る義妹もえが居るとばかり。


「・・・って。誰だよお前は?」


俺に蹴りを見舞って来たのは。


「アンタ・・・蹴られ慣れてるな」


ニヤリと哂う・・・


「だったらさぁ、今度は斬られてみない?」


見知らぬ少女が立っていたんだ。




 ざわッ!




満月の明かりを受ける・・・紫髪の少女が立っていた。

前髪に半ば隠れた瞳の色が、月明かりで分かる。


紅く光る瞳と深く沈んだ夜色の二色の双眸。

二色の瞳・・・オッドアイを向けて笑いかけて来るんだ。

現れたオッドアイの子。

ユージを目当てにして来たみたいですが?


彼女はユージにどんな用があるのでしょう?


次回 アサシン・シンバ その2

抜かれた剣がユージに迫る?!今度こそニャン子の出番ではないのか?


アリシア 「アルジのユージ、晩御飯ニャぞ」


期待しないほうがよさそうですね・・・・

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