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機動女神エターナル・レッド ケモ耳ニャン子は俺の女神様?  作者: さば・ノーブ
邂逅の章 堕ちて来たのはニャン子?!
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俺は早計だったのか?その2

気絶してしまったユージ。


気がつけば翌日になっていたんですが・・・


問題ありか?

いや、そうじゃない。

大有りだ!!

悪夢だと思ったよ。

夢でまさか飛び膝蹴りを喰らうなんて、悪夢としか言えないじゃんか。


しかも痛かったし・・・って、あれ?


痛かった??




「アルジ~、アルジのユージぃ~」


まだ悪夢が続いていたのか?

俺らしいのを呼んでいる少女の声が聞こえるんだが?


「起きニャさいよぉ~アルジのユージぃ~」


聞こえて来るのは悪夢の元凶。


「もう朝だニョ~」


そうか・・・一晩越えたのか。



・・・・え?



腹の上に何かが乗っかっている。


そうか、これが悪夢の元だったのか・・・



・・・って、おい?!


「どわあああぁッ?!」


飛び起きようとして腹の上に乗っかってる奴に気が付いた。


「ニャ?!起きたニャ?」


目の前にあったのは俺のTシャツ。


確かに俺が普段着ているTシャツなのだが。


「これニャ?借りたのニャ」


そうか・・・着る物が無かったのか・・・そうか。


・・・って?!


目の前に・・・ほんの僅か数十センチ前に。


「アルジのユージは細身ニャんだニャ」


起きようとしている俺の眼の先には、Tシャツを張って強調している豊かなモノが。



 たらたら・・・



冷や汗が噴き出すよ。

また悪夢の連続が始ったのかって。


「うわっ!どけよニャン子」


「ニャン子じゃなくアリシアと呼ぶニャ」


ジトっと見下ろしたアリシアが、名を呼べって言うんだ。


「分かったからどいてくれ、アリシア」


青少年には刺激が強過ぎるし、朝から見せられるものじゃないよ。


「分かったニャ!アルジのユージ」


変な笑いを溢すアリシアが俺から退くと。


「もう朝になってるニャ」


カーテン越しに入って来る朝日を指して教えてくれた。

まだ、昨晩の出来事が夢現ゆめうつつな俺に。


「ほらニャ!」


カーテンをバッと開いて、振り返る赤毛の少女には。


「ケモ耳・・・尻尾付き・・・はぁうッ?!」


やっぱり幻なんかじゃない。

赤毛の少女はやっぱり現実のモノだったんだ。


俺のTシャツを着て、俺の・・・・


「待て待て待て待てぇ~ッ?!なぜに俺のボクサーパンツを穿いてる?!」


「ショーツないからニャ」


あ・・・そうですか。


「違うぅッ!そうじゃなくて!

 なぜ俺の服を勝手に着てるんだぁッ!」


「だって・・・着替え持ってないからニャ」


・・・そうなの?


「じゃぁ~なくって!男物だろそれは!」


「アリシアは気にしてないニャ?」


だぁ~~~~~っ?!不感症娘がぁッ!


「郷に入っては郷に従えって云うニャ」


「さいですか・・・」


これはトンでもない事になった。


キラキラ墜ちて来る朝日に照らされたアリシアは俺のTシャツとパンツ姿。

首には蒼く光るネックレスのような物を着けていた。


「ああ、これニャ?アルジのユージとお話しできるようにって」


俺がマジマジ見詰めていたから、翻訳機だと説明してくれたんだけど。

そんな事を訊きたかったんじゃないし、訊こうとも考えてなかった。


真面目な話、俺がどうして目を釘付けにされていたのかは、アリシアがこの世のモノとも思えなかったからさ。


朝日を浴びる赤髪。

陽の光が肌を一層白く際立たせ、着けているTシャツやパンツを透過させて魅せる曲線に。


まるで女神のように感じていたんだ。


「?どうかしたニャか?」


気が付けばガン見していたんだろう。

アリシアの独特な言葉使いが俺を現実に呼び戻したんだ。


「いや、それよりもだ。

 その恰好じゃぁ、まだ寒いだろ?特に朝晩だと冷えるから」


今は春の盛りとはいえども、朝晩は10度くらいしかなかったから。


「そうニャね・・・」


一瞬考えてから頷くアリシアに。


「じゃぁ・・・羽織る物を出すよ」


そう。

そうすりゃ、俺の眼も釘付けにならずに済む。

意外なほどに可憐で可愛いと分かってしまったから、アリシアが。


衣装ケースから引っ張り出して、あれこれと考える。


女の子が羽織っていても可笑しくないようなのをチョイスして。


「これでも着て居たら良い。

 もしサイズや色が気に喰わなかったら此処にあるモノの中から選んでくれ」


俺が選んだのはパーカーと丈が膝上のカーゴパンツ。


「助かるニャ」


自分でもTシャツパンツ一丁姿は気が引けていたのだろう。

早速袖を通したアリシアを観て、俺もやっと落ち着きを取り戻せたよ。


「ちょっと大きいけど、どんな感じニャ?」


丈の長いパーカーの袖を捲るアリシア。


「ま、俺達の星には良く居る姿とでも言っとくよ」


ケモ耳と尻尾さえなかったらだけど。


「そうニャ?!なら・・・早速行動するニャ!」


いや待て待て!


「ちょっと待てよ。その姿で表をうろついたら目立ってしまうぜ」


「何故ニャ?今良く居る姿と云ったニャ?」


だから・・・尻尾とかケモ耳が目立つでしょ。


「俺達を観てくれよ!ケモ耳なんて生やしてないし、尻尾も無いだろ?!」


「それを言われれば・・・ニャンとも」


慌ててケミ耳に手をやるアリシア。

どうやら間違いなく取り外せないようだW


「しょうがねぇな・・・外出するのなら変装しないと」


「変装にゃ?」


アリシアの眼が輝いたようだが、気にしちゃいけない。


「変装って言えば、これは定番だろ」


そう言って俺が取りだして来たのは。


「帽子とマスク。それに伊達メガネ」


「なんニャかねぇ?」


落胆するのはアリシアが何を期待していたのかを告げていた・・・気がする。


でも、着けて観たら・・・


「どうかニャ?これで分らにゃイカ?」


・・・・。


「でも、耳を帽子に居れていたら聞き辛いニャ」


そうかもしれない。


「それに、尻尾は納められニャいしぃ~」


モフモフだからね。


「マスクと眼鏡は引っ掛ける処が無いニャ」


あ。人間の耳に併せて造られてるからねぇ・・・


「そうニャると・・・加工が必要ニャ」


任せました。


待っててと言われて鋏と輪ゴムを貸してあげた。


そして待つ事数分。

意外な事にアリシアは工作が巧かった。


帽子の両頂部をくり抜き、眼鏡とマスクの紐を連結し。


「どうニャ?これなら使い物になるニャ」


帽子から飛び出た赤毛のケモ耳は、帽子に造りつけられた飾りに観える。

マスクと伊達メガネが巧く顔を隠している。




挿絵(By みてみん)





カーゴパンツの後ろからはモフモフの尻尾が穴から飛び出ているけど、それさえもコスプレショップに売ってる着け尻尾に思えてしまった。

だって、本物の獣人がこの世界に居る筈もなかったから。



「まぁ・・・なんとか誤魔化せてる気がするよ」


「そうニャ?それなら頑張った甲斐があるニャ」


なにをどう頑張ったのかは聞くまい。


それよりも・・・だ。


「アリシアはこれからどうやって情報を求める気なんだ?」


そうだよ。そこが問題なんだよな。


「うう~~ん」


考えてなかったのかよ。

アリシアは考えに考えた末。


「この辺りに人が大勢集まってるのは何処かにゃ?」


俺に訊いてきやがった。


「そうだなぁ、ショッピングモールは結構離れてるし。

 一番近くて多くの人が居る場所となると学校かな?」


俺はまたしても失敗を犯した・・・・


「学校ニャ?そこはどれ位の人数が居るニャ?」


「俺の高校には300人くらいかな」


まぁ、普通の高校だからねぇ。


「300人ほどニャ?少ないニャぁ~~」


「ほっとけ」


3クラスで90人、それが3学年で270人。教師なんかを併せたら300人ほどになるだろうからね。

俺の通う高校、東雲しののめ高校だとそれくらいだ。


「じゃぁ、アルジのユージに付き添って貰うニャ!」


「おい?!学校に来る気なのかよ?」


俺に案内させて・・・アリシアが?!


「そうニャ?何か問題でも?」


「あり過ぎるだろ!」


キョトンとするアリシアに、俺は声を大にして言うんだが。


「変装してるから安心にゃ!」


「そういう問題じゃねぇ~ッ!」


こんな目立つアリシアを連れて行こうモノなら。


「大丈夫ニャ!連れていかないニャらツイて行くだけニャ!」


憑かれたのか、俺?!


悪びれない異星人なケミ耳少女を、俺は心底懼れたよ。

これが俗にいうかれた人って奴なんだろうって。


笑顔で俺を観ているアリシアを観て。


「とうとう化け猫に憑りつかれちまったな、俺」


「??ニャ?」


天を拝む気になってたんだ・・・


これから起きる厄介ごとを慮って。

ニャン子はアリシアを伴って?


そんなルーズな高校が在るのか?

いや、そこは・・・お話ですから。見逃して?


次回 俺は早計だったのか?その3

その少女、問題あり!唯でさえ目立つのに・・・お尻にモフモフがあるの?!

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