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機動女神エターナル・レッド ケモ耳ニャン子は俺の女神様?  作者: さば・ノーブ
邂逅の章 堕ちて来たのはニャン子?!
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本当のアリシア その2

アリシアに感化されたのか?


萌は空想を頭に描いているようです?!

機動少女のアリシアが、ふっとため息を漏らしたのを俺は見逃さなかった。


交された俺達の言葉に反応したのは間違いないとみて良いだろう。

いいや、それとも態度にだったのかもしれない。


「なんだよアリシア、俺達に何か話でもあるのか?

 辛気臭い顔で観られたら不幸な出来事を勘ぐっちまうだろ?」


萌に笑いかけていた俺から、突然受けた指摘は図星だったようだ。


「え・・・えっと。

 姫と騎士って言うあたり、萌たんは空想家なんだなぁって感心しただけよ」


そこなのか?騎士と姫ってのが関係あるんだな?


「空想家で悪かったわね。

 でも、ゆー兄ぃはアタシにとってのナイトだったんだからね。

 あの日・・・あの時には」


プイっと顔を逸らした萌が、過去に遭ったバケモノの話を持ち出して来やがった。


「アタシが化け物に襲われた時、ゆー兄ぃが助けてくれたんだ。

 もしもアタシが姫だったのなら、ゆー兄ぃは騎士とでも呼べる存在よね」


萌がそっぽを向いていたと思えば、騎士というあたりで俺を観やがった。

俺を観たみどりの瞳には、頼れる者への憧れが浮かんでいた。


「残念だが萌。

 その時の事は記憶していなんだぜ。何が起きたかも覚えていないんだからな」


翠の瞳が痛くて、俺は記憶していないと言い張った。


「ゆー兄ぃが記憶していなくったって、アタシが覚えてるもん。

 化け物に立ち塞がってやっつけてくれたのを、今でも目に浮かべられるもん」


だからさぁ萌、覚えていないんだって俺は。


「萌たん、その時の話を詳しく聞かせてくれない?」


萌の昔話に興味を惹かれたのか、アリシアが前のめりになって頼んで来た。

萌だけが知る過去の出来事に、何かが秘められているとでもいうのか?


「アルジのユージに隠された秘密が、解き明かされるヒントになるかもしれないの」


おや?俺かよ?萌かと思ったぜ?


「ゆー兄ぃの?

 ・・・そっか、それなら話さない手はないわね」


おい?萌まで前のめりになりやがって。


二人は俺をちらりと見ると、にんまりと笑い合いやがった。

なんだか、俺が悪いことをしたような気分になるんだが?



「あのね、アタシがまだユージと出遭ったばかりの頃なんだ。

 ある晩の事なんだけど、突然家に侵入者がやって来たの・・・」


ぼそぼそ話し始める萌。

その辺りの事情は覚えてはいるんだが・・・


「熊太お父さんの研究した資料を寄越せって。

 でないとアタシを人質にするぞって脅されたんだよ、アメリアお母さんが。

 アメリアお母さんは強情なんだよ、アタシよりも研究資料を優先したの。

 絶対に教えないって・・・アタシを人質に獲っても無駄だって・・・

 そんな時、ユージが駆けつけて来てくれたのよ」


そう・・・だから萌はアメリアさんを信用しない。

萌も本当の母親だから我慢しているんだよな家に居ることを。


二人の仲が悪くなったのも、この日以来だと思う。



「侵入者は男子が駆けつけて来た事に逆上して、アタシを強引に連れ去ろうとしたの。

 その時だよ、侵入者が化け物に成ったのは。

 人ではないバケモノの姿を曝け出して来たの、醜い豚男みたいな姿形を現したの」



ブルっと震えたのは、思い出したからだろう。

怖い記憶を辿らせて行き着いたのは、思い出すのも悍ましい姿だったのだろうか?


確かに俺も記憶の隅っこで観た様な気がするんだが。

残念なことに、俺の記憶はそこで途切れちまっていた。


どうやってなのかは萌にしか分からないのだそうだ。

萌を掴んだバケモノは、アメリアさんや俺から逃げ出しやがったんだ。


「捕まって藻掻くアタシの前に、蒼き光が現れたの。

 ううん、あれは・・・ユージの光だったと思うの」


震える萌が回想を紡ぐ。


「だって・・・ユージの剣が化け物を吹っ飛ばしたんだから」


その辺りになったら、俺は意識を失っていたんだよなぁ。

だから萌が後になって教えてくれたんだけど、信じられないんだよ。

この俺が化け物相手に闘うなんて。


昔話を話した萌に、アリシアは何を感じ取っただろう?


「一つ訊いても良いかな萌たん。

 蒼き光って言ってたけど、それはアルジのユージから発せられていたの?」


「うん、そうだったと思う」


確証があるのかよ萌?すんなり認めても良いのか?


「あの光はね、ユージの躰から溢れ出ていたんだと思うんだ。

 まるで魔法か精霊を宿しているみたいな、とっても力強く感じたんだ」


挿絵(By みてみん)


おいおい・・・また空想が過ぎるぜ萌。


「魔法・・・ね。

 案外的を得ているのかもしれないわね」


萌から俺に視線を向け直したアリシアが、クスッと微笑みやがるんだ。


そこで気が付いたんだよ俺は。

機動少女アリシアが俺に向けて微笑んだ意味が。


どうしてその時の記憶が残されていない?

バケモノをやっつけるなんて偉業を成し遂げておきながら、何も覚えていないその訳を。


「もしかして・・・ニャン子アリシアと同じだって言うのか?」


機動少女に成ったアリシアの記憶はニャン子には残されない。

それは人格までもが別人となっている証でもあったのだが。


「それはどうかしらね。

 機動少女は機械によって変身出来るのよ?

 アルジは機動ポットなんて持っていないでしょう。

 それなのに変身出来る筈がない・・・とある異能を持ち合わせてでもいない限り」


とある異能?!


「そう・・・召喚よぶ者の中でも最たる力を放てる。

 特異点と呼ばれる者の中でも最上位であるブレイヴナイトは、ポッドを必要とはしないわ」


・・・勇者じゃねぇか?

そんなのが俺な筈が無いだろー?!


「ブレイヴナイト?!

 なんだかカッコいいじゃんか、ゆー兄ぃ?」


萌は・・・勝手に舞い上がってる様だ。


「萌たん、でもね。

 アルジのユージがブレイヴナイトだと、仮に仮定したら。

 誰が助けを待つ姫に相当するというのかしら?」


あっさり、アリシアに拒否られた?!


「そんなの・・・アタシじゃ駄目?」


駄目です。



「・・・プ」


吹き出しやがったぜアリシアが!


「なッ?!なによ!

 どうせ仮の話なら、アタシが姫様役になってもおかしくないでしょ?」


「いえいえ・・・お似合いかもって・・・思ったのよ」


言うに事欠いて、萌が姫だと?

仮にも姫様なら、もっと貴賓高いだろ?


悪態を心の内で愚痴る俺。


「そ、そう?そう・・・だよね?」


おいおい、本気にしちゃうだろ義理妹もえが。


「そうよ萌たん。

 アルジのユージがナイトなら、姫様は萌たんでいけると思うのよ」


・・・辞めんか、元糞猫娘。


ジト目で二人を観ていると、萌が胸を張って言いやがったんだ。


「ごほん!それなるブレイヴナイトよ。

 今よりそなたは、姫を宿したもえに悠久の誓いを交わすのよ。

 そなたユージはわたくしの夫となる日まで、護り抜く事を誓いなさい」


翠の瞳が俺を観て微笑んでいた。

冗談にしては真剣にも取れる声で、俺に求めていたんだ。


「さぁ・・・今直ぐ。

 バァズの誓いを交わしなさい、ブレイヴナイトユージよ」


バァズ?

なんだよそれは?

勝手に誓いの文句を設定したのか?


お道化ている方には見えないけど、萌がふざけている様にも観えないけど。



「姫が望むのであれば。

 このブレイヴナイトが誓いましょう。

 永久とこしえに姫を護り、永久の愛を捧げましょう」


俺もなんだか悪乗りしちまったよ。

義理妹に愛の告白をするなんて、どうかしちまってたんだろうさ。


だけど・・・本気でそう思った日もあったんだよな。

数年前のあの日には。


バケモノを倒したのが俺だと言った萌が、震える躰で抱き着いて来た時には。

か細く健気で・・・美しい少女もえを抱き寄せて。




「あ~ッ?!マジ?マジに交わしちゃったの?」


素っ頓狂なアリシアの声で我に返ったよ。


「あれ?ゆー兄ぃ・・・何をしてるのよ?」


ついでに萌の戸惑う声で・・・我に返ったんだ。


「え?・・・なんだこれは?」


気が付いたら。

俺は萌の手を跪いて捧げ持っていたんだ。

まるで映画の中のワンシーンみたいな恰好で。




挿絵(By みてみん)




姫に誓いを交わす騎士の姿みたいな形で。


「お二人さん・・・まさか?」


アリシアはずっと観ていたのだろうか?


「まさか・・・本当に?結婚する気なの?」


「はぁッ?!(×2)」


萌も俺も・・・意識を無くしていたらしい。


臣下の誓いを交わす姫と騎士のような恰好をしていた俺達に、アリシアが驚きの声を上げやがったんだ。


「ふふふッ、これで機動少女に成っていた甲斐があったわ。

 ニャン子には内緒にしといてあげる・・・アタシだけの秘密にしておくから」


ほくそ笑むアリシア。


「アルジのユージ!

 ニャン子なアリシアに言っておいてよね。

 もっと頑張らないと、保安官になんてなれないわよってね。

 折角勇者の下僕になれたんだから、しっかり頑張るのよってね!」


俺を勇者だとのたまうのか機動少女よ?


「だからね御主人様アルジ

 悪い奴等から姫を護ってくださいな。

 勇者は誰よりも先ず、愛すべき姫を守らなくてはいけませんのよ?」


悪ふざけが過ぎるぜアリシア?


「分かったよ機動少女のアリシア。

 ニャン子が目覚めたら、しっかりと伝えておくぜ」


何だか夢のような話だったよな。

俺がブレイヴナイトで、萌が姫だなんてさ。

冗談にしろ、面白いじゃないか?

退屈な毎日からの脱却になるかもしれないんだからさ。


「ゆー兄ぃが・・・・ポ」


そういやぁ、俺って萌の手を持って何をしていたんだ?


頬を紅く染めて立ち尽くしている萌を見て不思議に思うんだが。


まぁ・・・気にしないでおこう。


「ニャン子なアリシアに戻ったら、言う事がごちゃまんとあるな」


機動少女はポッドに戻って行った。

髪が短くなり黄色いリボンで結わえられた・・・


そしてニャン子に戻ったんだ。


俺の上から舞い降りて来た・・・ケモ耳尻尾有りの。



俺の女神・・・ニャン子アリシアへと・・・ね。


蠢きだすドアクダー。


地球上に進入しているのはニャン子だけではないのです。


次回 本当のアリシア その3

異星から来ているのは正義ばかりじゃない。敵の幹部は動き始める?!

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