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機動女神エターナル・レッド ケモ耳ニャン子は俺の女神様?  作者: さば・ノーブ
邂逅の章 堕ちて来たのはニャン子?!
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それ美味しいの?その1

帰ってきたら気付いたんだ。


朝から何も食べちゃぁいなかったことに。


あ、そうだ。

萌の持って来てくれた弁当があったっけ?

アパートに戻って来た俺達は、今後の方針を決めるべく・・・



「あニャニャ?それは何ニャ?」


喰いそびれていた弁当に手をつけようとしていたんだが。

萌が持ってきてくれてた弁当箱を開いた瞬間、クンクン匂いを嗅いだアリシアが訊いて来たんだ。


「あ、アリシアも食べる?」


自分の分も鞄から取り出した萌が、気を利かしてアリシアに勧めたんだ。


「アタシは食欲無いから、これ食べていいよ」


おや?食い気の多い萌にしては珍しいこともあるモンだ。


「クンクン・・・確かに食物の匂いがするニャが、これは何にゃ?」


差し出された弁当箱を見詰めて、不思議そうな顔をしているアリシアが訊いたんだ。


「アリシアは弁当を知らないんだな。

 これは日本人のお弁当という携帯食料箱なんだ」


異星人だからという訳じゃない。

外国人にだって珍しいモノなのかも知れないし、説明しておいたんだが。


「原住民の文化なのニャ?!」


「文化というか、食事を造って持ち運ぶ容れ物だよ。

 日本人だから米の食事だけど、サンドウィッチとかパン食の場合もあるんだ」


文化が変われば容れ物も変わるし、食べ物も変わるからさ。


「ニャンと?!この地球ちたまには数多くの文化が存在するニョか?」


物珍し気に弁当箱を眺めているアリシアに、


「ほら、食べてみなさいよ」


自分の分を勧めてから、俺をチラ見しやがる。


「なんだよ?」


「ゆー兄ぃも食べなさいよ、ほら」


ズイッと弁当を押し付けて来るんだが?今日の弁当が何か?


「なんか訳ありなようだが?」


「へ・・・い、いやほら。早く食べないと傷んじゃうかもって・・・あはは」


・・・怪しい。

きっと何か曰くがあるんだな。


萌は素知らぬ顔を見せてるが、俺の勘は怪しいと睨んでいた。


「萌・・・この弁当は義理母アメリア)が作ったのか?」


「え・・・えっとぉ、そうよぉ~(棒)」


俺の顔を観ていない萌・・・完全に怪しい。


「そっか・・・そういう訳か」


反射的に本能が危険を教えて来る。

だから俺は、アリシアが先に食べるのを待つ事にした。


「そうだ、飲み物でも持って来るわ(棒)」


疑われないように、さも当然を装い弁当から逃げるてみる。

チラッとアリシアが弁当に手を伸ばす処を確認して。



弁当箱を持ち上げてクンカクンカ匂いを嗅いでいたニャン子なアリシアが。


「それニャぁ・・・食べるニャ」


いきなり思いっきり口を開いたかと思ったら。


「え?!マジ?」


萌がドン引きする。


「あ・・・」


俺はそう来るとは思いもしなかった。


「バク・・・バクバク」


箸も手も使わず・・・弁当を何もかも混ぜこぜにして口に放り込みやがったんだ。


「わぁッ!アリシア、ストップストォ~プゥっ!」


想定外だったのは萌もだったろう。

慌てて止めに入り、


「なんてことすんのよ、この馬鹿猫娘がぁッ!」


もぎゅもぎゅ食べるアリシアに一喝しやがった。


「混ぜこぜにしたら味なんて分からなくなるでしょーが!」


うん?そこなのか萌?食べ方じゃなくて??


「今日のお弁当は自信作だったのに!

 これじゃあ、何の為に食べさせたかも分かんないじゃないのぉッ!」


おや?どうやら俺は勘違いしていたのかも。

もぎゅもぎゅ食べるアリシアを掴んで訴える萌に、何かしら鬼気迫るモノを感じたんだが?


「あなたに私の味付けを自慢したかったのに!それじゃあ味なんて分かんないでしょーがッ!」


ほほぉ・・・


肩を揺さぶって訴えてる萌に、アリシアはカクンカクンと頭を振り続けられてるんだが。


「なぁ萌?今さっき義理母が造ったとか言わなかったか?」


「ひゃぁッ?!アタシとした事がぁッ!」


・・・萌も損な子だったか。

まぁ、大体分かっていたんだが。


「自信作とか言ったな?」


「あは・・・あはは・・・味付け変えたの」


むぅ?どういうことだ?


「昨日のおでん、ゆー兄ぃが薄味だって言ったから・・・変えてみたんだ」


もはや隠し通せないと思ったのか、白状しやがった。


「そう言う事だったのか。最近どうもおかしいと思ってたんだ」


「なっ?!なによ、アタシだって料理位するんだからね」


違うんだ、萌の味付けが悪いという意味じゃない。

やたらと食べもんを持ってくるようになったからさ、俺に。


「萌・・・俺を誰かの試験台にしているんじゃないのか?」


「え・・・?」


惚けたって駄目だ。


「彼氏でも出来たか?それともこれから告白するのか?」


「え・・・?」


ポカンと俺を見詰める萌。

と、いきなり真っ赤になりやがると。


「こっ、告白ぅ~?!」


慌てて絶叫しやがる・・・図星だな。


「ななな・・・何言うのよぉッ!」


「いいんだ、萌。お前が誰に告白するのかなんて訊かないからさ」


真っ赤になっていた萌の眼が吊り上がったんだが?


「この・・・このッ鈍感ッ!」


吠える萌がドンと、テーブルを叩きやがった。

何をそんなに怒ってるんだ?

俺に知られて恥ずかしいんだろうけど?


「ははは!鈍感ですまんこって」


「すまんじゃなぁ~いッ!」


敢えて笑って済ませようとしたんだが、萌は更に激おこぷんぷん丸になっちまったけど?


「どこまで・・・鈍感なの」


一つ年下の義理妹が、今度は頭を抱えてずぅ~んと落ち込んでしまったようだ。


「もぎゅもぎゅ・・・ぎょっくん」


気にも留めていないニャン子が完食していたのも気付かずに。




「美味しく頂いたニャ・・・うぷ」


口の中から食べられない端切れを摘まみ出して、アリシアが満足げに笑うと。


「萌たんが造ったンニャ?大したものニャ!」


萌を褒めたんだ・・・本気で。


「そ?そう?!ホント?」


「ウニャ、嘘ニャンて云えないニョ。本当に素晴らしいと思うニャ」


ニャンニャン頷くアリシアに萌の表情がパッと晴れ渡る。


「そうでしょ~、自信あったんだぁ~」


うむ・・・どうやら本当に大丈夫みたいだな。


「そうニャ・・・食後の飲み物が欲しいのニャが、アルジのユージ」


「ああ、お茶でも飲むか」


冷やしてあったお茶をポットから移し替えてアリシアに渡してやると、旨そうに一気飲みしやがる。


「ぷはぁ~にゃあぁ」


ほわんと、ニャン子が一息ついた。


「じゃぁ俺も喰うかな」


テーブルに戻って箸を執る。

弁当箱には色目も美しく、いろんな献立が並んでいたが。


「先ずは伊達巻から・・・」


卵焼きを口に運んだ・・・


「・・・うっ?!」


俺がどんな感想を言うのか、俺がどんな誉め言葉を言ってくれるのかを期待の眼差しで観ている萌。


・・・だがなぁ・・・


「塩辛えぇええええぇッ!」


俺は正直なんだよ。


「にゃんでぇ~ッ?!」


飛び上がりやがった・・・萌が。

期待を損ねて申し訳ないが、塩辛過ぎて伊達巻とは思えんのだが。


「そんなに味付け濃かったっけ?!」


慌てて俺から伊達巻を取り上げる萌が口に放り込みやがる・・・と。


「うええぇ~~~~」


涙目になりやがった。


「塩が固まってたの?なぜにこんな味付けにぃ~?」


何ともなく食べたアリシアを、萌が恨めしそうに睨むのだが。


「ウニャ?そうかニャァ・・・一緒くたにして食べれば美味しいニャ?」


するか!

異星人の味覚を疑うわ!



挿絵(By みてみん)







で。

仕方がないからカップ麺を萌とつついたんだが・・・


勿論、アリシアに俺の弁当を食べさせることにして。



アリシア「満足ニャ~~~~~(至福)」


俺・萌 「畏るべし・・・ニャン子娘」







帰宅した俺達を見送った土安教師。

優男の仮面をかなぐり捨て、スマホを取り出し相手に繋ぐと。


「どうやらこちらの存在を知られているようだぞ」


繋がった相手に保安官補助手が現れたと話したのです。


「「そうか、ならば急がねばならんな」」


電話先からは、何かを急かして来ますが。


「だが、まだブツは手に出来てないぞ」


「「だから急ぐんじゃないか」」


堂々巡りですが?


「これから手にするにしても2・3日は優に懸かってしまうぞ?」


「「それでは後ろに手が回ってしまう」」


捕縛を懼れているんですね。


「それは不味いな」


「「だとすれば・・・?」」


嫌な方向に話が行ってませんか?


「保安官が来る前に人質を取らねばな」


「「助手を?出来るのか?」」


ほら。


「いや、それこそ刑が重くなるぞ?捕まったらことだ」


「「だったら誰を?」」


もしやそれは?


「俺に良い考えがある」


「「どうせ良からぬ事だろ?」」


交している会話から連想するに。

土安は誰かを人質に獲って捕縛を逃れようとしているようです。

しかし、アリシアではなく誰を?


「まぁ、今日中に計画を実行する。お前はブツの確保に当たれ」


「「むぅ・・・しくじるなよ?」」


指図された相手は、渋々同意したみたいです。


「任せろ、俺は優男だからな」


うん?優男がどう言った意味を持つというのでしょう?


それにも況して、土安が秘密結社の要員だったとは。

地球も狭いモノですねぇ(ご都合主義にも程がある!)・・・




ごちゃ混ぜって、アンタ?!

皆さんはこんな馬鹿げた真似しちゃぁ駄目だよ?


挿絵(By みてみん)


話は変わってドアクダー・・・

本当にこんなに単純で善いのでしょうか?


アリシア「時短って奴ニャか?」


そうとも・・・・謂わない!


次回 それ美味しいの?その2

腹ごしらえを終えたのなら?やることは・・・一つ!

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