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五人少女シリーズ

十二日の木曜日の次の日のゲームで対戦する+おまけ:サイコパスの独り言

作者: KP-おおふじさん

五人の少女たちのプロフィールについて、簡単に言えば


留音→普通のユーザー

衣玖→頭脳派ユーザー

西香→吸着ユーザー

あの子→援護上手

真凛→こういうゲーム超上手い


という感じで察していただければと思います。


なお詳しくはこちらのコードから参照できます。

https://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/1289141/



「ガソリン!ガソリンあったぞ」


「いいわね」


 開始からすぐに入った家で留音はガソリンを見つけたことに興奮してボイチャでみんなに報告する。まだ殺人鬼”ジェイムソン”の特殊能力は溜まっておらず、今なら車やボートにガソリンを入れることで脱出に近づく。


「でもマップ無いな、四人乗りってどっち?わかる?」


 場所がわからずにとりあえずウロウロし始める留音。


「あ、もうバッテリー入ってるのか、誰か鍵あったらもう脱出出来るな」


 その時ゲーム内に響く「キ、キ、キ、パ、パ、パ」という効果音。ジェイムソンの能力が開放されていく音だ。プレイ中のユーザーは緊張感を高める。


「二人とも、四人乗りが右のヤツ」


 衣玖はまだ近くには来ないはずと走り回って四人乗りの車を見つけた事を報告する。だが留音は「まってマップ見つからない」とまだウロウロしている。


「ねぇあなた、車直せます?」


 西香は一人で誰かに話しかけているようだ。今みんなで話しているのはゲーム外ボイチャだが、西香はゲーム内ボイチャで他プレイヤーに話しかけている。


「これ、ちょっと置いときますからお願いしますね」


 衣玖はマップで確認すると、マップ右側ではなく左にある車に2つの生存者アイコンが動いているのを見つける。


「やばい、西香が普通に裏切ってる」


「裏切っているとは聞き捨てなりませんわね。二人乗りはノーマークでしたからぱっと直してあの子と脱出しようと思ってるだけじゃありませんの」


 あの子とは今直させたプレイヤーではなく、彼女らの仲間である五人目の天使の事である。その子は今強キャラである”トニー”を呼んだらしい。それをみんなが褒め称えた。(なお詳しい描写はしない)


「よし、車まで来た。うわ、もう誰か死んでるじゃん……とりあえずナイフあるからガソリン入れるわ」


 留音はやっと見つけたマップの導きで四人乗りの車を見つけ、車の周りに仕掛けられた罠を避けながらガソリンを入れるのだが、修理が得意なキャラでは無かったため一度ミスってしまった。


「やばい、あー来るかも、ジェイムソン……あー来た!!ガソリン入ったけど死ぬかも!」


 留音の画面が乱れ、そこにスポーツマスクを被った殺人鬼がのそのそと歩いて登場した。留音が失敗した時に発した音を聞いた殺人鬼が瞬間移動スキルを使って飛んできたのだ。


「逃げられそう?今ヒューズ見つけたからすぐ直す」


「なんとか逃げてみるけど早くしてな!ちょっとやばそうだなこれ」


 留音は全速力で近くの家に飛び込む。ジェイムソンは歩きながらその家の扉を持っている武器で破壊し始める。留音は窓を開けながらジェイムソンの侵入に備える。タイミングを見計らって窓を使って家を脱出して時間を稼ぎ、衣玖にヒューズを直させるため、追いつかれる直前まで待とうとジリジリジェイムソンを睨んでいる。


 ジェイムソンは扉を壊した後、その場で少し静止すると能力発動を行う。留音側の画面が乱れたため留音は「室内シフトグラブ」を警戒して窓を飛び出た。


 よしよしと留音。シフトという高速移動を使わせた事で追いつかれる心配が少し軽減される。だがそこで衣玖が騒ぎ始めた。


「え!?ちょっと待って!?なんでこっち来るの?!失敗してないのになんでこっち!あー!捕まった!死んじゃうー!!」


 マップでは留音のいる四人乗り車の近くの家と、衣玖のいたヒューズのある家では大きく離れていた地点にも関わらず、ジェイムソンは衣玖の目の前に現れ、修理中だった衣玖にゆっくりと近づき、グラブで即死攻撃を繰り出す準備に入った(留音の前に現れたのは瞬間移動スキルではなく、高速移動スキルだったためにすぐに衣玖の元に飛んでくることが出来たのだ)。だが近くにあの子のキャラがおり、フレアガンで攻撃することで掴まれた衣玖を離させた。


「逃げて逃げて!読まれてるから家入って!」


 衣玖はあの子と別行動を取りヒューズのある家に逃げ込む。歩いてゆっくりと追ってくるジェイムソンに備えて、シフト警戒でグネグネと走り回る衣玖とあの子。ジェイムソンはあの子の方ではなく、近くの家に入った衣玖を追いかけている。


「ルー!今のうちに車動かして!」


 衣玖は一度2階建ての家に入り、ジェイムソンのセンス能力とシフト能力を警戒して一番奥の窓から外に出た後でもう一度その家に入り込み、それを何回か繰り返すことで今度は留音が車を直す時間を稼ごうとしている。基本的に足の速さでジェイムソンは生存者に敵わない。だからジェイムソンの特殊能力さえかいくぐることが出来れば、逃げる戦法で時間稼ぎは出来るのだ。そうした思考で相手の裏を読む衣玖だが、窓を抜けてもう一度入り込んだ家の入口、その物陰にジェイムソンは潜んでいた。衣玖のキャラは恐怖値の蓄積により画面が真っ暗になっておりジェイムソンの姿が見えなかったのだ。


「どぇえ!?嘘!なんでここにいるの?!あああああああ!死ぬー!!さようならー!」


 ジェイムソンは無慈悲に的確なグラブを使い、衣玖は無慈悲に掴まれ、IQを感じさせない絶叫をした後衣玖はドアで頭を割られて死んだ。


「おい衣玖!もう死んだのかよ?!」


 留音はバッテリーを見つけ、別の生存者が落とした車の鍵も手に入れたことで車を動かす準備が万全に整っていた。


「だって真凛強すぎない!?なんであそこで待ってるの?!じーっと扉の影で私が戻るの読んで待ってたのよ!っていうかもう三人死んでるじゃないの……やたら悲鳴が聞こえると思ったら……あ、トニーも死んでるのね……」


 というわけで、殺人鬼キャラは真凛が担当している。


 その裏で西香は二人乗りの車を他のプレイヤーに修理させ、一人で乗り込んで全速力で発進させていた。あの子の場所を確認して合流するまでに、あの子は留音を残して脱出出来ないと言うが、留音はあの子にだけは生き残って欲しいと行って背中を押す。西香と共に脱出することだけはものすごいシャクである。


 だが二人を乗せた車は目の前に突如現れた真凛ジェイムソンによって破壊される。西香は車を飛び出してあの子に「わたくしが囮になるからお逃げください!」とジェイムソンの前に躍り出た。


「(さぁ真凛さん私を殺せるものなら殺してみなさい……ポケットナイフ二本とスプレーで万全の対策が……)」


 ポケットナイフを持っていればジェイムソンのグラブ攻撃を一度回避した上で長い時間スタンさせることが出来るのだ。そんな西香に対し、ジェイムソンは攻撃力の劣る殴り攻撃を始めた。


「あー!ちょっと!なんで!掴みなさいよー!」


 生存者側には逃げる猶予も出来るため、殴り攻撃だけで生存者を殺そうとするのは乱戦時がであり、1対1ではあまり使われない。だが真凛はそれに拘り、まるでポケットナイフを持っていることをわかっているかのように西香を攻撃する。西香も逃げながらマチェットを拾って振るうのだが、ジェイムソンは攻撃をピンポイントでガードして捌き切った上で西香の体を貫いた。


「西香も死んだか……だがあいつは四天王漏れの最弱……」


 留音はつぶやきながらあの子を迎えに行く。


「やっぱり流石ね真凛のジェイムソンは……サイコパス臭が洒落にならないわ……」


 衣玖が死亡後に見られる他プレイヤー視点で見ながらそう言った。


「あの、皆さん……少し気になっていたのですが……」


 死んでしまい、コントローラーを手放した西香が雑談する。


「なんでジェイムソンって言うんです?敵の名前はジェイソンですわよ?このゲームだって十二日の木曜日じゃなくて十三日の……」


「おいやめろ、いろいろあってこのゲームはその辺厳しいから気遣いしてんだよ、ってあー!ジェイソン来た!ジェイソン来た!」


 留音が決まりを忘れて叫ぶ。真凛が能力を使ったことを確認し、シフトグラブを警戒して真後ろへの反転Uターン回避を行おうとするも、それすら読んでいた真凛のジェイムソンが簡単にグラブを成功させるのだが、その背後からあの子がバットで援護攻撃をしてスタンを取らせ留音を守る。短いスタンで復帰したジェイムソンはシフト移動で離れる二人に瞬時に近づき、あの子をグラブすると強く抱きしめて殺してしまう。


「おい!まりーん!今殺したのあの子だぞー!!お前それでいいんかー!!」


 同じ家に住んでいる五人だ、真凛に聞こえるような大声で叫ぶと、奥の部屋からドタドタと走る音がする。真凛があの子に謝りに行ったことを察して留音は今のうちに車に辿り着いてエンジンを掛け始動させた。あの子に謝り終えた真凛が瞬間移動で留音の車の前方にジェイムソンが現れ、のそのそと車の進行方向を立ち塞がるように位置を取っている。ジェイムソンは車で轢き倒せず、それどころか車を破壊して止めてしまうのだ。それを警戒して森林のオフロードを無理やり通って進み、最後の脱出ゲート前の舗道に出た。


「よし、よし、脱出出来る……」


 留音は一人で類まれなドラテクで進み、もう脱出というところで瞬間移動して車の目と鼻の先に現れジェイムソンが現れ、バックする間もなく止められてしまう。


「なんで?!モーフで目の前に出るのなんで出来んの?!」


 急いで車を降りて逃げようとする留音だが、あっさり捕まって頭にぐっさりと槍を刺されて死んだ。


「あー怖……まさかこんなに何にも出来ないとは……」


 留音は酷く疲労したようなため息をついて「あなた 死亡」の表示を見ている。


「ね……強すぎて……」


 リザルト画面で開始数分で全キルされた画面が表示され、次のマッチではジェイムソンが真凛に当たりませんようにと願うのみ。



ジェイソンプレイ中、真凛の独り言


「ヒューズと……四人乗り……はい罠罠……」


「二人乗りに乗ろうとするのは西香さんくらいだし放っておこう」


「あ、見つけた……まだ追えないかな……どうしよう」


「え、なんでこの人殴ってくるの?シフト無いからか」


「舐められてる。やだやだ、絶対殺そ……」


「はい終わり。ふふっ一人目」


「電気壊して~、どうしようかなぁ~。あ、いるねぇ……なんで一人でいるのかなぁ……誘ってるのかなぁ……殺しちゃうぞ……」


「トミーきたー……あはっ、ショットガン外してる……ナイフあるけどいいや、掴んじゃおう。……あれ?ナイフ持ってないの?罠外したか……わぁは~このキルモーション苦しそう~へへ」


「あ、誰かガソリン溢した?四人乗りかな」


「見ぃつけた……留音さんっぽい……あれ、なんであんまり逃げないんだろう……あ、時間稼ぎか、誰かヒューズ直してる?」


「やっぱりいた~、衣玖さんかな。衣玖さんだったらここで逃げて……」


「やっぱり戻ってきたぁ……ふふふ、おやすみなさい」


「あ、車動いてる……こっちは二人乗りだから……西香さんでしょこれ」


「ふふふふ、どうせナイフ持ってるから立ち向かってくるんだなぁ……?殴れ殴れ~っ……はい終わり」


「残りの二人は留音さんとあの子か……これどっちのキャラだっけ留音さん、みんな同じに見える……」


「こっちかな……げっちゅ。あ、このIDはあの子か……この子用に設定しておいたキルで……好き好きむぎゅー!……あーごめんねごめんね……」


「さてあとは留音さん……いつでも殺せるけどこのまま終わったら可哀想かな……ちょっと泳がせてあげよっと……」


「頑張れ頑張れ~……モーフ溜まった。この辺飛べばいいかな」


「よーし留音さん捕まえた……刺して~、はいズブズブズブ……この殺し方かっこいい~」


「あー楽しかった。ボイチャ合流しよっと」



PS4版も発売されたところですが、アプデが止まってしまったのは残念ですね。

トップ4の方にはPS4版も盛り上げていただきたいですな。


あと真凛のセリフ考えてる時に「シロちゃんにもプレイしてもらいたいな」と思いました。

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