世界とセトラー 2章時点
―世界について―
〈この世界〉
作中舞台であり、惑星地球。〈源世界〉とは並行世界の関係だと言われている。
魔法や魔力、世界に干渉する神々、魔物、異形の人類の存在といった点が異なっている。
神々によって〈リミッター〉と呼ばれる制限がかけられており、学問としての科学は発達しているが、活用出来る技術レベルだけがそこまで高くない歪な状態。
社会全体での人類の精神的、文化的成熟に加え、現代的な核滅亡が発生しえないため非常に長い人類史を有している。
〈源世界〉
主として20世紀後半から21世紀前半の日本国と、日本国に属する文化を指す。
〈源世界〉そのものは単一の世界を指すものではなく、細部が異なっている平行世界である場合も有る。
一般的に立憲君主制国家で、魔法技術が存在しない世界。科学技術に優れた先進国である点が共通しているとされる。
例えばトゥレスの前世が居た〈源世界〉では、彼の青年期に第三次世界大戦が起こっている。
〈神々〉
実在するとされており、有人格多神系。
八百万系と解脱系の2種に分かれるが、多くの者はごっちゃかつ等しく尊いものとして扱っている。
人の信仰に左右されて融合してしまうことも有る模様。
〈宗教〉
信教の自由を認めない国家はほとんど無いが、淘汰の末に〈源世界〉から伝わった神道と仏教が主に信仰されるようになっている。
ごく一部でそれ以外の宗教を信仰する者もいる。
〈リミッター〉
神が世界に仕掛けたとされる制限。
科学技術の発展を押し留めたり、人間の名前を人種毎に分けたりして、この世界特有のファンタジーに近くて遠い雰囲気を作り出している。
〈魔物〉
〈源世界〉と共通しないこの世界固有の生物。危険性も持っているが、その多くが人間にとって有用な存在。
人間は何故か彼らの殺傷に対して嫌悪感を抱くことが出来ず、また〈源世界〉と共通する生物を攻撃する時に感じる高揚が生まれない。
死亡後は人間が合掌することで世界に還って行く。
あまりに人間に都合の良いそれらの特性から、神々が用意した存在だとする説が有る。
―人類について―
〈人類〉
基人系、五精系、獣相系、幻世系の四系統に分かれるが、全人種間で生殖が可能な子孫を残せるとされている。
そして、肉体を〈源世界〉から持ちこんだ転移型セトラーにもそれが当てはまることから、明らかに通常の人間に見えない人種でも生殖隔離の発生していない生命体、つまり同種。全人種がDNA上では「ホモ・サピエンス」だということになるのである。
父母の人種どちらかを受け継ぎ、基人系を除いてハーフという存在は無い。
隔世遺伝は発生しないことも確認されており、人種という形質の遺伝パターン自体がDNAから独立した別個の遺伝媒体によって構築されていると考えられている。
一部の人種では、相手がどの人種でも自分の人種と性に固定された子供しか作れないといった物も有る。
また、色素系の決定等が〈源世界〉とは微妙に異なる場合が有る。
〈セトラー〉
別世界にルーツを持つ者の総称。20世紀末から21世紀に日本に生きていた人間が転移、もしくは転生して世界に顕現した者を指す。
〈トリッパー〉
以前はセトラーの代わりに「世界間移動者」という意味で使われていたが、元の世界に戻れない事から原義の「(帰れる程度の)小旅行者」には相応しく無く、マイナスの意味にも捉えられる呼び名であることを不憫に思い、せめてより良い意味合いの言葉で呼んであげたいと思った現地人が考案したのが「移住者」「解決する者」を意味する〈セトラー〉である。
現在ではセトラーを見下して呼ぶ際に使われる蔑称で、日本人を「ジャップ」等と呼ぶようなものになってしまっている。
といっても、使われる機会はもっぱら〈源世界〉から転移してきたばかりの無知なセトラーによる濫用、あるいはリアクター化して攻撃性の増大した現地人によるものくらい。
〈転生者〉
セトラー・トリッパーの区分。一般的にこの世界で生まれた個体で、〈源世界〉で生きていた頃の記憶を持つ者。
下位区分に出生時型や記憶復旧型、憑依型等が有る。
〈転移者〉
セトラー・トリッパーの区分。一般的に〈源世界〉にいた頃と同じ肉体と命を持つ者。
下位区分に神隠し型や召喚型等が有る。
召喚型は過去に大流行したが、今は人道的見地から召喚術の使用は人権を著しく侵害する重犯罪として扱われるようになっている。
〈現地人〉
この世界で生まれ、〈源世界〉関係者の関与が少ない環境で育まれた人間の総称。
社会そのものに現代日本人の善性面を煮詰めたような人格に育成する仕組みが出来上がっているため、お人好しで倫理感の強い者が多い。
〈リアクター〉
〈源世界〉に生きた経験・記憶は持たないが、セトラーの実子やセトラーによって養育されるなどして強い影響を受けた人間。
影響の原因となるセトラーの人格や個人差も有るが、現地人と異なり我欲に任せた濫行を厭わない者が多々見られる。
また、リアクターが現地人をリアクター化させる場合も有る。
―魔力、魔法等―
〈魔力〉
科学とは異なる生命の限界を超えるためのエネルギーの源。
神威・霊威・界威の三つを区別せずに呼ぶ際の俗称であり、宗教的な「魔」的性質を帯びているわけではない。
神威
魔力形態その1 神々など自身とは異なる存在から直接供給されるタイプ。
強力だが不安定。担い手の信仰心や精神性によって、供給元に運用法を制限されたり供給量を左右されてしまう。
霊威
魔力形態その2 自身の体から沸き出る魔力を扱うタイプ。
出力、容量ともに個人差が有る。装備品や運動能力の強化など、主に自身やその近くに展開する魔法への変換効率が高い。
界威
魔力形態その3 自身の周囲に存在する魔力を扱うタイプ。
自分以外へ交感する能力に左右される。遠距離に作用させる魔法に向く。
〈魔法〉
魔力を扱って成立させる科学では成立しない技法。魔力同様、宗教的な性質は無い俗称。
神令
神威を使用する基人種の主力。遠近両用の固有動作の補助を行う。セミオート的で融通が利きにくいが、霊法・界理に比べると格段に扱いやすい。
霊法
霊威を使用。肉体や装備を強化したり防護障壁の構築を行う。マニュアル的。
界理
界威を使用。遠・中距離に干渉する魔法。いくつもの行使技法が有る。マニュアル的。
五行
〈源世界〉における古代中国で生まれた五行思想。それがこの世界の魔法の基盤として有効になっている。界理系では重要だが、神令系では関係が薄い。
―PA―
セトラーたちが転生した時、もしくは転移した時に得る特殊能力の総称。
発動は神威由来の魔力によるため神令に近いが、信仰を必要とせず、効果も性能も多岐に渡る。
1人につき3つまでの並行保有が確認されている。
過去に数千人のセトラーに対して東山ニコラウスが行った調査によると、
シングルホルダー 約6割
ダブルホルダー 約3割
トリプルホルダー 約1割
このような比率となっていた。
大当たりとされるようなPAを一つ持つシングルホルダー、外れとされるようなPAを三つ持つトリプルホルダーといったケースも有るものの、保有数が多い者程少ないため、一般的により多くのPAを持つ者の方が「神々、もしくは世界から優遇されている存在」と見なす風潮が有る。
極限定的に現地人やリアクターへ、セトラーから何らかの手段でPAを委譲されるケースも存在する。
〈チート〉
PAの別名であり、トリッパーと同様にこの世界においては蔑称。
トリッパーは原義が「小旅行者」で、由来が「世界間移動者」を指すスラングだったが、原義が「ずる」「騙し」な上に、スラングとしての由来すら「不正行為」という負の語句であったため、トリッパー以上に忌避されている。
〈源世界〉で言う中指を立てるサインの意味の言葉のような扱い。
〈エフェクトPA〉
視力で確認できる形で世界に影響を及ぼす能力。
西郷の〈不器っちょバディ〉
トゥレスの〈影法師〉
キースの〈迷彩〉
が該当。
〈インビジブルPA〉
視力で確認出来ないが、世界に影響を及ぼす能力。
ベネットの〈フカシの旗印〉
トゥレスの〈傷飼〉
ウノの〈聞針〉
が該当。
〈武装型PA〉
特殊な効果を持つ武器や防具を出現させる能力。
自己修復や顕現の自在性等、固有兵装との共通点が多い。
ウノの〈烈光弓〉
が該当。
(ストレージPA〉
物体を保管する能力。
近似の効果をもたらすスクエアスロットやその派生魔法の発明によって価値が低くなり、現在では外れ扱いされやすくなっている。
ニコラウスの〈活字中毒〉(正規の保有者ではなく、母親から何らかの手段で譲渡)
が該当。
〈タレントPA〉
保有者に特定の職業活動を有る程度保証出来る能力を与える。
その職業を行うに当たっては一人前と呼べる程度の技術を身につけられるため、自活能力に乏しい転移型セトラーでは特に当りとされる。
しかし、その一方で下限の底上げにはなるが能力の上限まで引き上げはしないため、最強を求める者や幼少期からの鍛錬が可能な転生型セトラーからは外れ扱いを受けやすい。
大沢の〈魔窟主〉
が該当。
クリミナルについて
そのPAが保有者のセトラーの人格を含めて、何も処置をしないのは危険であるという判定を受けること。
PAの性能そのものが危険か否かに加え、セトラーの人格の危険性についても調査した上で登録と使用制限の封印が行われるが、使用制限判定を受ける様な保有者から届け出が出されることは滅多に無い。
何かとセトラーが立ち寄りやすいため冒険者役場で判定が行われることが多いが、一応各国各自治体でも審査、判定、措置は可能。
また、他者の尊厳を侵害する能力として判定されやすいPAそのものを〈クリミナルPA〉と総称する。
〈マインドPA〉
他者への精神干渉を行う能力。
高性能になると人権侵害になる洗脳や人格、思想への直接干渉が可能になるためクリミナルの認定を受けやすくなる。
〈ステータスPA〉
他者の能力や所持品を閲覧する能力。
数値化された能力値等が確認出来るが、能力値が世界に対して絶対的な支配力を持っているわけではないため、ほとんどが「仮に数字で表現したら」という前提の下に出る測定値。
個人情報保護の観点からほとんどがクリミナルの判定を受けて制限される。
〈バーグラリーPA〉
他者の能力を奪う能力。
個人が有する技術や能力といった無形資産を奪い自らの物とするその特性から、最悪のクリミナルPA
として知られている。
〈コピーPA〉
他者の能力を自らも扱えるようになる能力。
バーグラリー系程悪質ではないが、保有者の利己性によって他者の無体財産権を侵害するため多くがクリミナルの判定を受ける。
見取り学習能力の向上程度に収まっている能力も有るが、程度によってはクリミナルの判定を喰らうことも。
丘崎の〈対界侵蝕〉はマインド系とコピー系に近い特性を持つが、丘崎が制御出来ない暴走を起こさない限り心中にしろ技能にしろ主が開示しなければ相手に伝わらず、丘崎自身の精神性が悪用とは縁遠い物であったためクリミナルの判定は免れている。
微修正 2016.05.20