表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/70

第二話『多重なあいつの多重な事情』4

 「じゃあ僕は一年五組だから。ありがとう」

 そう言い水野は教室に入っていった。嬉しい一時でした。

 「さて、俺も自分の教室に行こう」


 

 俺が教室に入ると一瞬教室内の生徒全員が向いたが、すぐに視線を戻した。やっぱり昨日の事がひびいているのか。まあまだあまり生徒が集まっていないようで良かった。とりあえず質問攻めにはならなさそうだ。

 「ああ!!! 杉山さん、大丈夫でしたか!!」

 この声の主は花澤だ。

 「昨日は色々とごめん。本当に大丈夫だから」

 「もう本当に心配で仕方がありませんでした。まさか入学式の途中で急に倒れるなんて」

 「すまん。それ、少しトラウマになっているからあまり話題に出さないでくれ」

 「すいません!! もう言いません!!」

 心配するのも無理はないが。

 「では私は自分の席に戻りますね」

 そう言い花澤は戻っていった。

 「あれ? 姫野は?」

 俺は周りを見渡したが、姫野の姿が見えなかった。俺は一度教室を出た。(あまり長居はしてなかったが)

 

 「あ!! 杉山君ぅぅぅんん!! 待ってたよ!! テヘっ☆」

 「まず、そのぶりっ子止めろ。あいつもそんなことしないぞ」

 何だよ、テヘって。少し残念そうな顔をした桜はこう答えた。

 「チっ……。さすがにこれぐらいじゃあ響かないか。そんなにヘタレじゃないんだ、ヘタレ君」

 今時そんなのに落ちる奴なんていないだろう。

 「なら、ヘタレって言うな。それにさくら、俺は探してたんだぞ!」

 「いきなり下の名前で呼ぶとは案外大胆なんだね、ヘタレ君」

 ああ、こいつめんどくさい。それにヘタレって言うな。

 「あいつと区別するためだよ。勘違いするな」

 「別に分かってるよ。僕はね、屋上に居たんだよ」

 道理で見つからないわけだ。俺は時間の許す限り探したが見つからず、戻ってきたら教室の前にいたのだ。全く無駄骨だ。待っていたほうが良かったな。

 「屋上で何していたんだ?」

 「君はそれを聞くのか!? だから君はヘタレなんだよ。僕はぼっちが好きなの!!」

 どこまでも変な奴だな。まあぼっちも悪くないと思うが。俺も中学生時代そうだったし。

 「そういうことか。だからヘタレって言うな」

 「ぼっちは素晴らしいものなんだよ!! 一人で自由に過ごせるし、誰とも争うこともない。なのにリア充どもは……」

 お前もそういうキャラか。嫉妬って怖いな。裏で絶対藁人形打ってるだろう。今はもう古いかあ。

 キーンコーンカーンコーン。聞き覚えのあるチャイムが鳴り響いた。

 「鳴ったな。とりあえずHRホームルームだから、教室に入ろう」

 「チっ……。そうだね、入ろう」

 たく、どこまで嫌な奴何だ。俺はそう思いながら、桜と一緒に席へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ