表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/70

第六話『痛い病と弱点』4

 土曜日。それは俺にとって一番大事な日で最も好きな日だ。英語でサタデーだ。何か放り投げている感じ良い。それはフライデーか。

 日曜日は明日から学校かというような絶望感を味わうので大嫌いだ。それに比べて土曜日マジ神。

 それなのに……。

 「土曜日に休めないのは間違っている!!」

 そう、俺は姫野の勉強会のせいで神DAYが無くなるのだ。神も英語にしたらゴットデイだぞ。

 本当に最悪だ。

 「姫野、来ないなぁ……」

 ちなみに姫野の勉強会は姫野の家でやる事になった。

 普通の女子なら喜んで行くのだが姫野だしなぁ。全然嬉しくない。返って腹が立つくらいだ。

 それにしてもいつ来るんだよ、姫野。俺は姫野の家を知らないので待ち合わせは高校の前でしている。

 俺の神dayを返せ。

 「はっはっははは!!! 待たせたな、雑種!!!」

 今変な高笑いが聞こえたが気にしないでおこう。何か変なゴスロリの服着てるし。

 「あ~。ほんとに来ないのか」

 「無視とはいい度胸だ、雑種!!」

 「俺もう帰ろうかな」

 「お願いします!!! 我の事を無視しないでください」

 その急に腰が低くなったのを確認し尋ねた。

 「お前は誰だ? 俺は姫野叶を待っているんだ。それに俺は雑種じゃない」

 「ふっふっふっ……。我の名を忘れたのか?」

 「ああ、忘れた。というより今が初対面だ」

 そう言うと姫野に似た誰かがしょぼんとした。そういうキャラか。こいつは……。

 「なら今名乗ろう!! 我は姫野茜ひめのあかねだ!! そして別名『赤き月の姫』と呼ばれている!!」

 間違いない。こいつは中二病だ。中二病とはその名通り中二の大思春期に自分は何かを持っていると勘違いしてそれになりきると言う痛い病だ。

 ちなみに俺はそもそも呪いのせいでそんな経験もしていない。まあ経験しない方がいいが。

 「俺は杉山懸だ。これから勉強会するんだぞ、茜。お前の茶番に付き合っている暇はないんだぞ」

 「それは分かっている。だが我のしている事は茶番ではない!! 使命だ!!」

 はぁ……。茜も茜で面倒だな。もしかして一番疲れるかもしれない。

 「分かったよ、中二さん」

 「我は中二病ではない!! 至って正常だ!!」

 ちなみに自分が中二病である自覚していないのは余程の中二病であり重症だ。

 「じゃあ、行くぞ。中二の家に」

 「だから我は中二ではない!!」

 「うるせぇ、少し静かにしろ」

 「はい!! ごめんなさい」





 「へぇ……。ここがお前の家か」

 姫野の家は高層マンションの最上階にあるらしい。お金持ちだな。にしてもすげぇ……。

 姫野のマンションからは町全体を見渡せる。夜景も見てみたい。

 「ふっふっふっ。我のブラッドキャッスルは!!」

 「ああ、凄いな」

 腹が立つので棒読みで返した。そのかっこ悪い名前のせいでここのマンションの評判落ちるぞ。

 日本語に訳すると血の城である。というかここ城じゃないだろう。英語を習っていくと段々日本人がダサい言葉を使っている事が分かってしまう。

 某ゲームでアースクェイクと言う魔法があったが日本語に訳すると地震だぞ。昔アースクェイクって叫んでた自分が恥ずかしい。いや決して中二病ってわけじゃないぞ。本当に。

 後他には……以下略。

 「お願いだから、苛めないで」

 こいつチョロイな。今にも泣きそうな目で俺を見ている。こういう姫野は案外可愛い。

 本当にいつもこんな顔しててくれよ。そうしないと目に毒だぞ。

 「いやぁ、もう少ししてやろうか」

 俺が少し調子に乗ってそうからかった瞬間。

 『止めろ!! それは俺の嫁だ!!』

 「痛い痛い。痛い!!!」

 おい、呪い。お前そういう趣味かよ。やっぱり非リアなんだな。あくまでいたずらはさせないと。まあいいけどな。

 「すまん、茜。今の冗談だ」

 「ふん。分かっておる。我の特殊能力を使えば」

 こいつも少し調子に乗ってるだろ。それとも相当の中二病なのか。どちらにせよ、

 「やっぱり苛めようか」

 『止めろ!! 変態!!』

 どっちがだよ。お前の方が何十倍も変態じゃないか。痛い痛い。分かったよ、止める。

 「じゃあ、連れてってくれ。お前の家に」

 俺は頭痛に耐えながらそう茜にお願いした。

 「もちろん」

 そう嬉しそうに答えた茜は俺を家まで連れて行った。茜は中二病なだけで案外良いかもな。

 まあ今そんな事考えている暇ないか。くそっ、呪いめ。

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ