7:オークション
※2月2日誤字修正
ピピピピッピピピピッピピピピッという音に、俺は目を覚ました。
音の正体は、腕時計のアラーム。昨日、朝9時になるようにセットしておいたのだ。
・・・・・・もうアレックスはいない。馬車で村に帰ったはずだ。
ベッドからおり、背伸びをする。
「さてと、朝ご飯食べないとな・・・・・・」
昨日のレストランで食べようかな・・・・・・それとも違うところの方がいいかな・・・・・・と言ってもどんな店があるか知らないしなぁ・・・・・・
だが、このまま部屋の中で考えていてもしょうがないので、外に出たから考えるのことにした。
宿を出て、町ぶらぶらと歩く。
お!いいもの発見。焼き鳥を売っている露店を見つけた。串刺しの肉を焼いているおじさんに声をかける。
「これ1本いくら?」
「銅貨5枚だ」
「5本くれ」
銅貨を25枚おじさんに払い、焼き鳥を5本もらう。
うん。うまい。日本の焼き鳥と同じくらいの味だ。
焼き鳥を食べながらぶらぶら歩く。なぜか焼き鳥5本だけで腹がいっぱいになってしまった。
今の時間は9時30分。オークション会場に行くのは11時なので、暇・・・・・・なので、俺はギルドへ行くことにした。別に依頼を受けるつもりは無いが、暇つぶしのためである。
ギルドに入ると、受付のお姉さんが声をかけてきた。
「おはようございます。今日は依頼を受けに来たのですか?」
「いや・・・・・・違います。暇だから来ただけ」
「それなら、闘技場で訓練をされていかれたらどうです?」
「分かりました。あ、その前に聞きたいことがあるのですが・・・・・・」
「いいですよ。何でしょう?」
「PTを組む相手はどうやって見つければいいんです?」
「それは、ギルドにいる人に声をかけたりして組んだり、後は、奴隷ですね」
「ど、奴隷ですか?」
「えぇ、貴族の方が魔物を討伐しにいかれる時は、奴隷を連れて行きますよ。命令したら死ぬまでご主人様を守りますから」
この世界に奴隷制度があるなんて・・・・・・
「奴隷って高いんですか?」
「最低でも、金貨10枚以上はしますよ」
安いな。俺も奴隷を・・・・・・もしオークションで出品されたら買おう。
「そうですか。ありがとうございます。では、俺は闘技場で訓練してきます」
「お気をつけて」
と言って、競技場に向かおうとして、あることに気づいた・・・・・・競技場がどこにあるか分からん!
「あの、競技場ってどこですか?」
「そこの角を曲がった所ですよ」
そう言って、奥の通路を指さす。
「ありがとうございます」
もう1度頭をさげて、競技場へと向かう。競技場は、体育館に似た所だった。
「おや?ユウキ君じゃないかね?」
懐かしのギルドマスターがいた。懐かしっていっても、昨日あったばっかりなんだけど。
「あ、どうも。おはようございます」
「アレックス君はどうしたのかね?」
「アレックスは、村に帰りました」
「そうか。それで、ユウキ君はここへ何しに?」
「俺が暇だ、と受付のお姉さんに言ったら、この競技場で訓練してきたら?と言われたから来ました」
「そうか。では、ケイン君と相手をしてもらおう」
そう言って、横にいる少年を指さした。髪が赤色だ。
「お前弱そうだから、怪我しないように相手してやるよ」
ムカッ。ムカムカッ。
「よろしく」
絶対にケッチョンケッチョン×2にしてやる。
「さて、それでは・・・・・・始め!」
ギルドマスターが開始を合図した途端、俺は頭の上に魔力30分の1を使って火の玉を出現させる。
「行くぞ!」
「ちょっと待って待って!!」
ん?なんだ。赤髪の少年が両手を上げ、降参のポーズをとっている。少し火の玉を大きく作りすぎたかな・・・・・・40分の1でよかったかも・・・・・・降参した相手を攻撃するわけにも行かないので、火の玉を消す。
「降参なのか?」
「当ったり前だ!あんな大きな火の玉くらったら死んでしまうだろうが。しかも何でギルドマスターと同じ大きさの火の玉を作れるんだよ」
何でって・・・・・・そりゃぁ、スキルレベルが高いから?
「ユウキ君。さっきの火の玉は、全力で作ったのかね?」
30分の1なんだけどなぁ・・・・・・それを言ったら、まずい気がする。
「そうですよ」
「そうか。では、魔法無しでケイン君と相手をしてもらおう。剣を持っているということは剣術ができるのだろ?」
剣術レベルは45だったな。
「できます」
「魔法無しのお前なんか弱いと思うから、怪我しない程度に相手してやるよ」
懲りないやつだな・・・・・・
「では、始め!」
俺は、剣を抜き、赤髪少年の剣に向かって、振り下ろす。傷つけたら危ないからね。
赤髪少年の剣が折れた。否。斬れた。
「ストーップ。待った待った」
また、降参のポーズをとる赤髪少年。何がしたいんだ?
「ギルドマスター。何なんですかあの人は」
赤髪少年が、ギルドマスターに泣きつく。
「仕方が無いな・・・・・・魔法も剣も無しで、ケイン君と戦いなさい」
「始め!」
俺は、身体強化を使い赤髪少年に殴りかかる・・・・・・まぁ、結果はお察しの通りだ。
赤髪少年は、泣きながら家に帰って行った。
「魔法と剣無しで、自由に戦ってきなさい」
と、ギルドマスターに言われたので俺は、闘技場の中にいる人と順番に相手をして貰った。
中には、俺と同じ身体強化のスキルがある人もいて、良い訓練になった。
オークション会場へ向かうため11時50分には、闘技場を出た。訓練のおかげで、身体強化のスキルがレベル8になった。
オークション会場へ向かっている最中に、スキルコピーするのを忘れていた事に気づいた。畜生!
オークション会場についた俺は、建物に入ろうとしたが、門番に止められた。
「おい小僧。ここはお前みたいなのが来る所じゃねぇぞ。帰りやがれ」
まったく・・・・・・子どもだからって馬鹿にして。
「キールさんに用があるんだけど」
「キール様のお知りあいでございましたか。失礼しました!」
そう言って、建物の中に入れてくれる。
オークション会場の手前にある部屋をノックする。
「入れ」
「失礼します」
「おう。ユウキか、さっそくオークションに出品したいドラゴンとやらを見せてくれ」
はい、と無限収納から、ドラゴンを出す。
「火属性のドラゴンか・・・・・・傷は・・・・・・ついていないだと?!これをどうやって倒したんだ?」
「水魔法でバシャ―ンってやったら、ドラゴンが落下して死んだ・・・・・・」
「まじかよ・・・・・・お前、気に入ったぜ!」
男に気に入られても・・・・・・嬉しくない・・・・・・
「あの、このオークションは奴隷とかって出品されるんですか?」
「おう。たくさん出るな。だが高いぞ?まぁ、このドラゴンが高く売れれば奴隷の10人や20人買えるかもしれんがな」
そんなにドラゴンって高く売れるのかな?
「俺もオークションに出たいんですけど、どうすればいいんですか?」
「奥の扉から、会場に入って席に座っとけ。11時から始まるから。それじゃ、このドラゴンは持っていくぞ」
そういった途端ドラゴンは消えた。キールさんも空間魔法使えるんだ・・・・・・
俺は、キールさんに言われた通り、会場に入り席に座ってオークションが始まるのを待った。
・・・・・・・・・・ザワ
・・・・・・ザワ・・・ザワ
・・・ザワ・・・ザワ・・・ザワ
ザワザワ・・・ガヤガヤ
と、だんだん人が増えていく。腕時計の短針が11時をさした直後、ステージの幕が上がり司会らしき男が出てきた。
「さて皆様。今日もお待ちかねのオークションを開催いたします!」
「今日の最初の商品は・・・・・・ドラゴンの死体です!」
あれっ?あれって俺が倒したドラゴンじゃないか?そうか、キールさん1番最初に出してくれたのか・・・・・・
「この火属性のドラゴンで傷が1つもありません。どうやって倒したのかは知りませんが・・・・・・金貨150枚から始めます」
「151枚」
「152枚」
「153枚」
「155枚」
「160枚」
「165枚」
「170枚」
「180枚」
「190枚」
「200枚」
凄いな・・・・・・どんどん上がっていく。競り合ってるのは4人だな・・・・・・
「210枚」
「250枚」
「き、金貨300枚だ!」
「金貨310枚」
お、1人脱落したな。
「金貨330枚」
「350枚」
と、こんな感じで上がっていき、金貨498枚で落とされた。白金貨一枚で落としてくれたらいいのに・・・・・・
ドラゴンの後は、遺跡から掘り出された魔道具や剣、防具などが出品された。ちなみに、発掘された剣で、俺が持っているより良い剣はなかった。
「さて、物の出品は終わりました!次からは奴隷の商品です!まずこちら、獣人族、12歳、処女の奴隷です。金貨15枚から」
耳があるな・・・・・・エリスも獣人族だったのか!?オッ!かわいいな・・・・・・獣人族ねぇ・・・・・・よし、買おう。
「20枚」
「25枚」
「30枚」と、俺。
「35枚」
「40枚」
「45枚」
「50枚」
「60枚」と、俺。
「70枚」
「80枚」と、俺。
「ぐ・・・・・・81枚」
「85枚」と、俺。
「ぐ・・・・・・クソッ」
お、皆あきらめたようだ。
「他にはおりませんか?では金貨85枚で落札です」
この後に、俺は奴隷を3人買った。
獣人族がもう1人と、精霊族1人、ドラゴン族が1人だ。
精霊族は金貨115枚もしたし、ドラゴン族は金貨210枚もした。
ドラゴン族は、進化する種族みたいだ・・・・・・フリーザみたいに2回変身するんだって・・・・・憧れだから買ってしまった。
俺は、金貨491枚払って、奴隷を受け取った。(もう1人の獣人族は81枚だった)
そして、ドラゴンの落札料金(出品代銀貨1枚は商品を買うとなくなるらしい)498枚を受け取った。
今日の利益は、金貨7枚となった。戦利品は、奴隷が4人。(4人とも女の子だった。)
さてと・・・・・・新しく部屋を借りなくちゃな・・・・・・
ユウキは4人も奴隷買ってしまいました・・・・・・どれも女の子です。羨まし・・・・・・いや、けしからん!
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