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4:お金持ち

「おい!起きろー!」

そんな怒鳴り声と共に俺は目を覚ました。

「もうちょっと優しく起こしてくれてもいいのに」


「うるさい。今何時だと思っているのだ」

何時だろ。そう思い腕時計を見る。11時50分・・・・・・アレックスが怒鳴り込んできた意味がわかりました。

ごめんなさい。俺が悪かったです。

「うぉ。何だその時計。もしかして、お前の世界のものか?」

俺は、ベッドから降り、背伸びをする。

「そうですよ。アレックスさんにも上げましょうか?」

俺は、そう言って腕時計を召喚し、アレックスに渡す。

「はい」


「はい。じゃねぇよ。何だよその魔法」


「ひ・み・つ」


「うぜぇ!そうだ。お前、金が無いとか言ってたけどこれ売ればいいんじゃねぇか?」

そうか。その手があった。後で時計屋に売りに行こう。

「後で時計屋行きましょう」


「おう。それでお前の借金が返せるな」


「まずは腹ごしらえしましょう。あ、でもそのまえに時計屋行きましょう。今日は俺が奢る」


「それはいいな。名案だ」

俺は、アレックスに時計屋に案内してもらった。時計屋にはやはり大きいサイズの時計しかなかった。

あらかじめ召喚しておいた10個の腕時計を受付のおじさんに差し出す。

「これいくらで買ってくれる?」

おじさんは時計の1つを手にとって虫眼鏡でよく調べている。

「こ、これほど小さく精巧なものはみたことが無い。1つ白金貨1枚でどうだ?いや、まて、この時計の動力は何だ?」


「たぶん。ソーラー電池だと思いますよ」


「そ、ソーラー電池とはどういうものなんだね?」


「光ですよ。光で動きます。例えば、太陽の光で動きますよ」


「ほう。す、すばらしい。1つ白金貨2枚でどうじゃ?」


「えぇ、いいですよ」


「そうかね、よし、今払うから待っててくれ」

そう言って、おじさんは奥の部屋へ行った。

「おい。お前、いきなり大金持ちになったな」


「そうなんですか?」

アレックスに通貨について聞いたところ、葛銅貨1枚で1ガオン。葛銅貨100枚で銅貨1枚。銅貨10枚で銀貨1枚。銀貨100枚で金貨1枚。金貨500枚で白金貨1枚だそうだ。

農民が1ヵ月に稼ぐお金は、銀貨5枚程だと言う。やばい、お金持ちだな。

腕時計10個で、白金貨20枚をおじさんから受け取り、店の外に出た。時計屋のおじさん、よく白金貨20枚も持ってたな。さすがは、王都の時計屋というところだろうか。

「んじゃ、飯食べに行くか」

アレックスに高級レストランへ連れて行かれた。この世界にもレストランがあるんだな。

「いらっしゃいませ」

レストランに入ると、店員が挨拶をしてきたが、どうやら馬鹿にされてる感じがする。

「お客さん。ここは高級レストランですよ?お金は在るのですか?」

ムっとした。むかついたので、俺は白金貨1枚をポケットから出して店員に見せる。

「これでもお金が無いというのかい?」

白金貨を見た店員は、血相を変えて謝った。

「し、失礼しました。どうぞこちらのお席へ」

店員に案内され、席へと向かう。その途中、店内にいる客から、じろじろ見られた。

「ご、ご注文が決まりましたら、このベルでお呼びください」

ベルを机の上に置くと、店員は小走りで逃げるように去っていった。

「おい、ユウキ。白金貨を見せるなんて何を考えている。取ってくださいと言ってるみたいなもんじゃないか」


「そうなんですか?」


「当たり前だ。白金貨なんて中級貴族でも年に何回しか見られない代物だぞ。それと、気になってたんだが敬語は止めてくれ」


「あぁ、分かった。今度から気をつけるよ」


「じゃぁ、料理決めるとするか。お前が奢ってくれるんだから高い料理食べなくちゃな」


「おい・・・・・まぁいいけど」

アレックスと俺はメニューを見て、料理を決める。

「うぉ。すげぇ、今日はドラゴンのステーキがあるじゃないか。これにしよう」


「じゃぁ、俺もそれにしようかな。今日はってどういう事だ?」


「ドラゴンの肉なんてめったに手に入らないからな、いつでるか分からないんだ。まぁ高いけどお前なら買えるだろ」

メニューを見ると、今日のオススメ欄でドラゴンのステーキ・金貨1枚とかいてあった。

「なるほど。高いが買えるな」

俺は、ベルをチリンチリンと2回鳴らし、店員を呼ぶ。

「ドラゴンのステーキ2つ」


「お飲み物は何に致しましょうか?」


「何があるの?」


「今日のオススメですとドラゴンの血でございます」


「ドラゴンの血って飲めるの?」


「はい、大変美味であると聞いております」


「じゃあそれをお願い」


「かしこまりました」

店員はそういうと、厨房へ戻っていった。

「アレックスはドラゴンの血を飲んだことある?」


「あるわけないだろ。めちゃくちゃ高価なんだぜ?だが、飲んだら1週間かすり傷程度の傷はすぐに治るらしい」


「へぇ、そんな効果があるのか」

待つこと10分、厨房から料理が運ばれてきた。

「じゃ、乾杯しようか」

ワイングラスにドラゴンの血を注ぎ乾杯する。血特有の鉄の味はせず、あらゆる果物を混ぜたような味がした。

美味しすぎる。ステーキはナイフで簡単に切れ、舌にのせ、少し噛むとジューシーな汁があふれ出てくる。

「こんな美味しいもの初めて食べましたよ」


「金貨1枚だけのことはあるな」

ステーキとドラゴンの血をたっぷり堪能した後、会計をして外に出た。

「いやぁ、合計金貨5枚もしただけあって美味しかった。ありがとう」

ステーキが金貨1枚。ドラゴンの血が金貨1枚と銀貨50枚だった。

「いえ。今までのお礼だよ」


「そうか。では、ギルドへ行こうか?」


「あぁ」

ギルドへついた俺達は、依頼の紙が貼ってある掲示板でどれがいいか決めることにした。

依頼は、ギルドランクより2つ上までしか受けられないので、俺1人だと依頼ランクがCまでしか受けられないが、アレックスとPT扱いになっているので、AランクかSランクのものを受けることにした。

俺はスキルレベルが高いからな。


依頼

内容:アルクス池の周りに巣を作って生息しているオーガを討伐。

報酬:オーガ1体につき銀貨1枚。

依頼ランク:A


依頼

内容:火属性ドラゴンの討伐

報酬:討伐達成で金貨5枚。

依頼ランク:S


どっちにするか悩んだが、アレックスと相談し火属性ドラゴンの討伐の依頼を受けることにした。

「なぁ、ユウキ。この依頼はギルドランクがB以上のPTでやっと討伐できるか出来ないかなんだぜ。やっぱりやめた方がよくないか?」

と、アレックスは猛烈に反対したが、俺はこの依頼を受けた。

「期限は、今日から1週間。途中放棄の場合は銀貨5枚の罰金ですがよろしいでしょうか?」

はい。と答えると、ギルドカードに依頼内容が書き込まれた。

「よし。じゃぁ行こうか」


「行こうか、じゃねぇよ。お前、武器も防具も何も身に付けてないだろうが」


「そうなの?」


「そうなの、じゃねぇよ。お前の事を言ってるんだよお前の!」


「え~。だってもったいないじゃん」

アレックスが、どうしてもと言うから、防具屋で防具を買うことになった。

「おぉ、いらっしゃい」

防具屋に入ると、店長らしき髪が無いおじさんが挨拶をしてきた

「この店で1番性能の高い防具をくれ」


「うぉい。お前、金がもったいないんじゃなかったのか?」


「アレックス。俺のモットーは、買うとなれば1番高いやつだ!」


「一番性能の高い防具となれば、ドラゴンの鱗製だな」


「なんか、レストランでもドラゴンの料理があったんだけど、ドラゴンって頻繁に討伐されてるの?」


「いんや。ドラゴンはたくさんいるんだけどな。何たって強いからあんまり討伐されねぇのさ。だが、昨日にAランクのPTが、土属性のドラゴンを討伐したって聞いたな」

「へぇ。じゃぁ、今日食べた肉はそのドラゴンの肉だったんですかね」


「へぇ、ドラゴンの肉を食べたのかい。いいねぇ。はい、これでいいかな?」

禿げのおじさんが茶色のアーマーを持ってくる。

「これはな、魔法で普通に触ると柔らかいが、一定の衝撃の大きさを超えると元の硬さ戻るように作られている」

なにそれ、魔法って便利だな。着てみたら、まるで何年も使っていたかのように体になじんだ。

「凄いな。いくらです?」


「初めてのご利用だから少しまけて、金貨10枚だ」

意外と安いと思うんだけど、俺の金銭感覚がおかしいだけなのか?

「アレックス、どう思う?」


「普通は金貨15枚ぐらいする代物だから、お買い得だぜ」


「じゃぁ、これ金貨10枚、はいっと」

俺はレストランでもらったお釣りの中の金貨10枚をおじさんに渡す。(俺のポケットの中に白金貨19枚、金貨95枚入っている)

「ありがとう」


「おう、また来いや」

おじさんにお礼を言って、店を出る。

「次は武器屋に行くぞ」


「なぁ、アレックス。このお金どうにかならないのか?」

ポケットに入った金が重くて、ズボンがずり落ちてくる。

「普通はそんな大金持って歩かないからな・・・・・・確かお前、空間魔法使えたよな?」


「何で知っているんだ?」

確か王宮魔術師のスキルをコピーした中に、空間魔法が入っていたよう気がする。

「ギルドマスターからお前のギルドカードもらったんだけど、お前の所に行く途中で、いきなりスキルが増えて驚いたから、今も覚えている」

ギルドカードって勝手に更新されるんだな。知らなかったぜ。

「スキルはあるし、使えるんだと思うけど、俺は1回も使ったことが無い」


「じゃあ、どうやってあんなにスキルレベルが高かったんだ?もしかしてお前の固有スキルか?」


「うん。まぁ、そういうことにしといて」


「お前って本当に・・・・・・凄いよな。他のスキルレベルだって俺よか高かったし、習得が難しいっていわれてるスキルもあったよな」


「ま、まぁ」

この話題はやばいかもしれない。話しを戻そう。

「それで空間魔法が使えたら何なんだ?」


「俺の知り合いが使っていたのは、空間に穴をあけてそこに物をしまうんだとさ。討伐した魔物を入れてたりしてたな。時間が止まっているらしくて、腐らないんだ」

へぇ。ゲームでいうアイテムボックスみたいなものか。

「俺にもできるのかな?」


「俺は魔法使えないけど、スキルがあったら出来るんじゃないか?」


「出来るんですか?じゃぁ、やって見ます」

空間に穴をあける・・・・・・か。『空間魔法』発動・・・・・・あれ?『覗きの魔眼』だったら勝手に見えたのに・・・・・・。

やっぱりイメージだよな・・・・・・もう一度『空間魔法』発動。目の前の空間をカッターで切るようなイメージ。

と、空間が切れた。中は黒い空間が広がっている。やった。成功だ。お金をその空間に入れるイメージをすると、ポケットから金貨が出てきて空間に入ったら、勝手に空間が閉じた。

「やった。出来たぞ」


「もう俺は驚かねぇ」


「よし。じゃぁ、武器屋に行こう」

俺はアレックスに案内され、武器やへと向かった。




第4話・・・・・どうでしたでしょうか・・・・・・・

感想や、評価を入れてくれたら嬉しいです。登場人物の希望や登場人物の名前、こんなスキルがあったらいいな、とかも、お待ちしております。希望等の物は、作者に直接メールで送っていただければ嬉しいです。

変な文章や表現があれば、遠慮なくご指摘ください。

武器屋のオヤジの名前が決まらない・・・・・・どうしよう・・・・・何かいい名前ありましたら教えてくださいm(_ _)m



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