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神なる職業を目指して  作者: 晴天
第一章
7/14

EpisodeⅠ-Ⅰ

「んん……いてて……」


目覚めるとそこは森の中。

見渡す限り木、木、木、の森。

その中に唯一といっていいほど違うものがあった。

小さな祭壇。

かなり古く、所々苔むしているそれはどこかで見たことがあるものだった。


「ここはゲームでプレイヤーが初めて訪れる始まりの森です。マスター」


ああ、そうだった。

確か、人間種を選んだプレイヤーはここからチュートリアルが始まって最寄りの街へと移動するのだった。

そこまで思い至って、声のした方を見るとそこにはアイリスがいた。……って、あれ?


「どうしましたマスター?」


うーん、なんだろう?アイリスがいるにはいるんだが、違和感というか物足りなさがある。


「あ、もしかしてこれですか?」


そう言ってアイリスも気づいたようだ。

アイリスが指すのは己のしっぽ。

そう、そうなのだ。さっきまでは九本あったしっぽが今では一本しかなくなっている。


「どうやら、マスターがこちらに転生するにあたって私もレベルが1に戻ったらしいです」


うん。そうみたいだ。




アイリス

獣人種・フォ族

血統・銀狐

職業・近接 Lv1


特殊アビリティ


一尾の追撃

効果

レベルに応じてダメージボーナスが発生する(一部の攻撃には発生しない)




アイリスを見ていたらステータスのようなものが出てきた。

どうやら、体力や筋力といったものは表示されないらしい。


「アイリスを見ていたらステータスのようなものが出てきたんだけどアイリスは見える?」

「……いえ、私には見えないようです。たぶん、見えるのはマスターだけかと」


アイリスに見つめられると言うのは結構ドキリとすることだけが分かった。

うーん。自分のステータスは鏡にでも映してみなければ見れないのかな?




久我一季(クガイツキ)

人間種

職業・英雄王 Lv1


スキル・英雄の王道

人間種の全ての職業のスキルを使える(装備により一部のスキルは使えない)

全ステータス中上昇 対象・パーティ全体


特殊アビリティ


転生者の叡智えいち

効果

経験値二倍・鑑定・種族変更・職業変更・商売繁盛・転移・世界地図・神様交信




なんか自分の手を見ていたらあっさり出てきた。

しかも、大分チートな能力が多い。

ステータスを見るのは多分特殊アビリティの鑑定というやつだろう。

ゲームではパッシブスキルだった<転生者の知恵>が少し変わって反映されてるらしい。

これが神様の言っていたプレゼントなのだろうか?


とりあえずは新しく出ている種族変更をやってみるか。

……どうすればいいんだ?念じるのか?


『変更先を選択してください』


おお、できた。

機械的な声が頭の中に響く。

試しに獣人種へと変更。


『変更が完了しました』


また声が響くが、俺の身体はこれと言って変化がない。

耳もそのままだし、しっぽも生えていない。

ましてや鱗も出ていない。……はて?

ステータスを見てみる。




久我一季(クガイツキ)

獣人種・獣王族

血統・獣王

職業・獣王 Lv1


スキル・獣王の威風

獣人種の全ての職業のスキルを使える(装備により一部のスキルは使えない)

体力・筋力・スピード大上昇 対象・パーティ全体




と、なっていた。

どうやら外見は変わらないらしい。

特殊アビリティはさっきと変わらない。




他の種族も試してみたが、外見が変わるのは魔人種と精霊種、天人種のみらしい。

魔人種ではカラスの様な翼が生え、精霊種は透明な羽。天人種は真っ白な翼が生えた。

好奇心に任せてやってみたところ、最初から飛び方を知っているように自由に飛べた。

すげえ。


次に職業変更を念じてみたのだが、これは俺自身に作用するものではなく目標を選択するようだ。

そうだよな。一つの職業で全部の職業を含んでるんだ。俺には意味がない。

とりあえず目標はアイリスっと。


『変更先を選択してください』


現れたのは遠距離物理・魔法・回復の三つ。

今は近接だから選択肢に含まれないのか。

まあ、変更はなしと。


後は転移と世界地図。商売繁盛はゲームでもあった能力だから理解している。

転移はすぐ近くにしかできないみたいだし、世界地図も俺のいるあたりしか表示されない。


残るは……まあいいや。


『ちょい、君い。せっかくの一番のプレゼントを無視するとはいい度胸やないの』


頭に響く声。それはさっきの機械的な声ではない。

神様の声だった。


「って、そっちからもできるのかよ」

『まあ、滅多に儂からは掛けんよ。今回は君が無視しようとしたから掛けたまでじゃ』


うわー、迷惑。


『とりあえず君の能力は把握したか?』

「まあ、なんとか」

『そんじゃ、注意事項としていくつか儂から話すさかい。耳の穴よおくかっぽじって訊きい』


頭に直接響いてるしその必要はないと思うんだが。


『一つ、君が異世界人というのはアイちゃん以外には行ったらアカンよ。

そんなことでなんかに巻き込まれて死んだらつまらんからね』


まあ、言ってもこの世界の住人が信じるかは分からないが。


『二つ、アイちゃんの立場やけど、その世界では君の奴隷という立場やから好きにしてええよ』

「は……?」


アイリスが俺の奴隷?


『当たり前やないの。サポートキャラなんて概念はその世界にはない。

ちょうどいいのが奴隷やからね。アイちゃんも知っとるで』


後で訊いてみよう。


『あとはまあ、一回ぐらいは戦闘をその身で経験した方がええんちゃうの。

この世界はゲームとは違うしいい経験になるやろ』


戦闘か。

この辺はチュートリアルに使われるめちゃくちゃ弱いところだし、言われたとおり経験を積むにはいいかもしれない。


『それじゃ、儂はこの辺で。

君との通信やったらいつでも待ってるさかい、気軽にかけてきてやー」


プチッという音とともに神様通信は途切れたようだ。

つまり、神様交信というのは神様限定の携帯のようだ。


「あの、マスター。今まで誰と話していたんですか?」


……ほかの人には聞こえないらしいから場所は選ぼう。


誤字・脱字・内容の矛盾・感想など、どんどんお待ちしています。

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