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神なる職業を目指して  作者: 晴天
第一章
10/14

EpisodeⅠ-Ⅳ

「まあ、時間はかかったがやっと着いたな」


数日かけて着いた街の名前は<クレイ>。

この辺では一番大きな街である。


昼間は探索やレベル上げも兼ねて通り道の街道や森を進み、夜は転移によって前の町へと戻ると言うことを繰り返していた。


「冒険者ギルドにはどうやって行けばいいんだ?」

「えっと、この道を真っ直ぐ行けばすぐにつくと思います」


街の中心へと伸びる道幅の大きな道路を進んでいくと、アイリスが言った通りギルドのものらしき建物が目に入った。

その建物はほかのものよりも少し大きく、盾の前に交差した剣と杖、その下に片手銃という職業の武器を象徴とした看板がかかっている。


「冒険者登録ってどうすればできるんだっけ?」

「名前と職業を記入して登録料を払えばそれで冒険者へと登録できます」


記入式かよ……。


「それで大丈夫なのか?」

「はい。記入した後にはちゃんと職業の検査もありますので」


検査あるんかい!

まあ、それなら大丈夫か。


「って、それなら俺はどうなるの?」


英雄王なんて職業、普通じゃ絶対にないだろ。


「さ、さあ?神様に訊いてみたらいかがですか?」


ですよねー。

俺は神様交信と念じてみる。


『はいはいもしもし?こちら神様交信クレイ支部でーす!』


……よし。切ろう。


『ちょっとちょっとちょっと!頼むから切らんといてー!』


と、思ったらかなり切実な声が頭の中に響いた。


「ふざけないでください」


俺は小声で神様に向けてそう言う。

普通の音量だと周りの人に不信がられるからだ。


『ええやないの。久々に君から交信があったんやから』


ほんと暇なんだな。神様。

暇つぶしでこんなクエストを出すだけはある。


『で、冒険者登録やったね。

まあ、今後もそう言うことになったら面倒やから、とりあえず君の職業は人間種の近接ということにしとくわ。

希望があれば他のに変えるけど、あるか?』


用件もお見通しか、すごいんだかすごくないんだか分からない神様だ。


「いや、それで十分。ありがとう」

『礼はいらん。頑張ってレベル上げてまた儂のとこまで来い』


そう言ってプツンッと神様交信は切れた。


「神様って意外といい人だな」

「どうでしたか?マスター」

「ん。人間種の近接職にしとくから大丈夫だってさ」

「そうですか」


アイリスもそれにホッとしたような表情になる。


「親切なんだかそうじゃないんだか判断に困る神様ですね」

「ほんと、そうだよなあ」


まあ、心配事は神様の手によって消えた。


「じゃ、さっさと冒険者登録済ませちゃうか」

「はい」




「こちら冒険者ギルドクレイ支部です。本日のご用件はなんでしょうか?」


建物の中に入るとそこは昔の町役場みたいなところだった。

いくつかある窓口には受付嬢が待機しており、それぞれに冒険者と思わしき人物たちに対応している。


その一つに俺とアイリスは並び、ようやく順番が来た。


「えーっと冒険者登録をしたいんだけど大丈夫ですか?」

「はい。冒険者登録ですね。……こちらの用紙に名前と職業をお書きください」


渡されたのは大分目の粗い紙だった。

藁半紙よりも雑かもしれない。


「そちらの獣人種の方は貴方の奴隷ですか?」

「あ、はい」

「それならば、職業の下に所有奴隷を記入する欄があるので、そこに名前、種族、職業をお書きください。職業の確認は主である貴方と一緒に行います。記入はそちらで」


注意事項とともに指された場所へと移動する。


「そういえばさ、こっちの世界の文字ってどんなの?」


と、そこで意外と大事なことに気が付いた。


『文字は君の世界の字でええよ。儂が力使ってその世界で通じるようにしとくから。あと、読めるようにもしとくから』


アイリスに訊ねたつもりなのだが、帰ってきたのは神様の返事。

もしかして……。


「もしかして神様、俺達の事見てる?」

『そりゃ、暇つぶしやもん。見んでどうするん?』


そうですか……暇つぶしだもんね……見てて当たり前か……。

って、ということは……!


「あの、神様。もしかしてもしかするともしかするんですが……」

『うん。見とったよ。毎晩毎晩お熱いねえ』


死にたい……。

訊く前に答えられちゃったよ。


『って言うのは嘘で、そん時はさすがに見とらんよ。……その反応からすると100%そうやろうけれど』


くそっ。乗せられた。

にやけた神様の顔が頭の中に思い浮かぶ。


『あと、奴隷は取引できるもんやからね。君にその気があるのかは分からへんが、ハーレムを作るっちゅうこともできるで。我々としてはそっちの方がいいんじゃがのう』

「我々って、ほかにも神様がいるのか?」

『ああ、それは気にせんでもいいよ。んじゃそう言うことで。読者様は神様です!ばははーい!』


最後によく分からないことを神様は言って交信は切れた。

なんだよ読者様は神様です!って。神様はあんたじゃないのか?


ともかく、文字の問題はまたもや神様の手によって解決した。

それにしてもハーレムか……。

……うん。考えておこう。


誤字・脱字・内容の矛盾・感想など、どんどんお待ちしています。

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