逃亡
Side マルス
あ~、身体ダルい
昨日はちょっと無茶し過ぎたな
身体は全身筋肉痛だし魔力の流れも悪い
特に身体の方はかなり重症
目が覚めても起き上がることができん
まるで上に何かが乗っかってるような感じだ
……つーか、実際何か乗っかってね?
確かに筋肉痛で身体に力が入らんけど、起き上がれない程じゃないし
目を開けて周囲を確認……するまでもなく、俺の目に飛び込んできた色は白と黒と青銀……うん、スッゴい見覚えのある色だね
起き上がれない原因はリセとサティアだったか…
左右の腕に乗っかる形で俺を挟んで寝ている
「おや、目が覚めたかの?」
「あ、おはようございます」
「あ~、起き上がらずともよい……と言うかその状態では無理であろ」
「ええ、まぁ……ではお言葉に甘えて
リセの治療はちゃんと済んだみたいですね」
「うむ、まぁあれだけ上物の素材が集まったのじゃ
妾の手に掛かれば造作もない
さて、妾も疲れたから暫し眠らせてもらうぞ」
もう朝なんだが……
「今から、ですか?」
「誰のせいじゃと思うておる…
ついさっきまでドラゴンの解体をしておったのじゃ」
……通りで昨日のローブ姿じゃなくて、来客用の寝間着なわけだ
髪がしっとりしてるからシャワーも浴びていたんだな
「それじゃあ、すぐに部屋の用意を…」
「ああよい、わざわざ用意せずともお主のベッドを借りるからの」
そう言ってベッドの上に乗ってくる
いや、俺のベッドって…まぁまだまだ人が寝れる余裕があるからいい……けど
「なんでぼくの上に乗るのですか?」
リセとサティアの間にある俺の胴体部分に乗ってくる
「む?このスペースは妾のために空いておったのではないのかの?」
そんなわけねーだろ
「とりあえず、そろそろ起きたいので退いてもらえるとありがたいのですが…」
「仕方ないのぅ……ほれ、そなたも退かぬか…」
「あ、別に起こさなくても…」
腕から引き剥がすだけでいいからわざわざ起こす必要はないので止めると
「む?
姫はまだじゃが、こっちの猫娘は既に起きておるが…」
そんなことを言われる
その声を聞いたリセの身体がビクッてなったから本当に起きているようだ
「リセ、もう起きているのか?
起きているなら退いてくれないか?」
「……はい…」
そう言うと素直に退いてくれる
そういや、なんでリセは俺に乗っかってるんだ?
布団の中に潜り込んでくることはあっても、くっついてくることはなかったのに
「……あ、の……ご……しゅ…じ……う~……し、失礼します!」
リセはしばらく何か言いかけていたが、結局諦めどこかに走り去って行った




