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全力疾走

 

え~と、たしかこの町の転移法陣は…


「あっ、ちょっと…」

「ん?

どうかし…痛っ」


サティアが警告するように声をあげたので理由を聞こうとしたところで何か硬いものにぶつかる


……どうやら建物の壁にぶつかったようだ

マジで目が効かなくなってんな


「あ、心配しなくても大丈夫ですよ

このくらいで魔力制御を乱すことはありませんから」


「いや、そうじゃなくて…」


例え後頭部を殴られようサティアの身柄を預かってる状態で魔力制御を乱すわけがない


「あ、これが転移塔ですね」


どうやらぶつかった壁が転移法陣が設置してある建物のようだ


「…ぼっちゃま、お待ちして……って如何なさったのですか!?

それにサティア様まで…」


転移塔に入ると聞き覚えのある声が聞こえてきた

どうやらぼろぼろの俺を見て驚いているらしい


「サーシャか

なに、ちょっとしたアクシデントがあっただけだ……だが遺灰は手に入ったぞ

サティアさまとは偶然会ってな…


それよりお前は何故ここに?

リセのことを任せていたはずだが……まさか、リセになにか…」


「いえ、ご心配なく

リセちゃんのことは先生にお任せして来ました

私よりも先生の方が遅延は上手ですから

なので私はぼっちゃまのサポートに、と思い…」


「そうか、それならちょうどいい

うちまで転移を頼む」


「はい、そうですね

無事……とは言い難いですが、フェニックスの遺灰は手に入りましたし、ぼっちゃまは休んで下さい」

 

うちまで転移し、リセを寝かせてある俺の部屋まで急ぐ


「ぼっちゃま、そのお身体で走るのはお止め下さい

あの娘にはまだ余裕がありますからぼっちゃまの治療の方を先に…」


「まだ余裕があるとはいえリセが苦しんでいるだろうがっ!」


全身から血を垂れ流しながら走る俺を引き止めようとモブメイドが声をかけるが、一喝して走り去る……が


「それならぼっちゃま、せめてこれをお飲み下さい」

うちに帰ったあと、すぐにいなくなったサーシャがいつの間にか戻ってきいて治癒の魔法薬を渡してきた

どうやらこれを取りに行っていたらしい


「助かる」ゴクッ


サーシャから瓶を受け取り一息に飲み


「《風雨雷霆-テンペスト・ドライブ-》

サティアさま、多少荒くなりますが……頑張って下さい」


「え?頑張って……って、きゃぁぁぁああ…!!!」



魔法薬で体力・魔力共に多少回復したのでテンペスト・ドライブをかけ全力疾走する






「ああ、やっぱり回復した分無茶しましたか…

サティア様は大丈夫でしょうか?

ぼっちゃまなら荒い走りはしないでしょうけど、あのスピードでは……

ちょっと様子を見てから出発しますか」

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