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檻の中の少女

? Side

 

 くらい、いたい、くるしい……。

 わたしがここに来てどれくらい時間が経ったのかな?

 

 何でこんなところに入れられたの?

 

 何でお兄ちゃんたちはわたしに魔術を撃つの?

 

 何でパパって呼んじゃダメなの?

 

 何でママに会えないの?

 

 

 

 

 

 

 ……わたし、何か悪いことしたのかな?

 

「……ねぇ、パパ…」

 

「だから、貴様のような穢らわしい存在がパパと呼ぶなっ!」

 

 だったら何て呼べばいいのかな?

 けがらわしい、ってどういう意味なの?

 

 

「…ご、ごめんなさい。……あの、ママは?」

 

 ここに閉じ込められてから一度もママを見ていない。どうしたのかな?

 

「ふんっ、貴様のような出来損ないを産んだ女などとうの昔に死んでおるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………え、死んだ?

 

「それもこれも貴様の所為だ。貴様のその『耳と尻尾』の所為で心を壊し、自殺しおったわ」

 

 耳と尻尾?

 ここに閉じ込められた日に頭とお尻に生えてきたコレのこと?

 

 わたしのせい?

 わたしのせいでママが死んだの?

 

 わたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせいわたしのせい

 

 

 

 

 わたし、何で生きてるの……。

 

 

 

 ママを死なせた……ううん、殺したわたしが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ママが死んだと聞いてから何日くらいたったの?

 

 

 

 

 

 あれからごはんも食べてないしお水も飲んでないのに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 お兄ちゃんたちもわたしに魔術をぶつけてるのに……

 

 

 

 

 

 

 わたし

 

 

 

 何で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 死なないの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だれかわたしを殺して…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もうどれくらいなんだろう…。

 お兄ちゃんたちもパパもだれも来ない。

 

 

 

 

 

 

 

 わたしのこと忘れちゃったのかな?

 

 

 

 

 

 

 嫌だな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 早くわたしのことを殺して欲しいのに。

 

 

 

 

 魔術をぶつけて来るのはさいしょはお兄ちゃんたちだけで。

 パパはたたいたりけったりするだけだったのに、いつの間にかパパも魔術をぶつけて来るようになったから早く死ねると思ってたのに…。

 

 パパの魔術はお兄ちゃんたちのよりも痛かったから……手とか足とかなくなったゃったから期待してたのに。

 

 なくなったゃった手や足はまた生えて来ちゃうし…。

 

 そういえばアレからかな?

 パパたちが来なくなったのは…。

 

 ギィィィ──

 

 あ、パパたちが来たのかな?

 あれ?いつもよりあしおとが多い気がする…。

 

 

「さぁ、君たちせっかく覚えた魔術も使う機会がなくてはつまらないだろう?」

 

 わたしのいるお部屋の前にパパがいっぱいのわたしと同じくらい年の子たちといっしょにやって来て何か言ってる。

 

 みんなわたしの耳と尻尾を見て驚いてる、この子たちもわたしに魔術をぶつけてくれるのかな?

 

「かと言って動かない的やその辺りの獣では味気がない。

 そこで我が家に生まれた穢れた血の娘を的に提供しよう」

 

 けがれた血の娘ってわたしのことだよね?

 やった、これだけいればわたしも死ねるよね。

 

「さぁ、遠慮はいらない、ちょっとやそっとでは死なないから存分に楽しみなさい」

 

 パパがそう言うと横一列に並んで呪文をとなえだした。

 その中にはお兄ちゃんたちもいるし、わたしやお兄ちゃんたちよりも歳上の子もいるみたい。

 

 みんなたどたどしいけど大丈夫かな?

 ちゃんとわたしを殺せるかな?

 

 

 

 

 ……あの耳の長い女の子は誰なんだろう?

 

 一生懸命みんなに『やめようよ』って言って止めてるけど…

 

 

 

 

 

 邪魔しないでよ

 

 まわりの子たちが呪文をやめちゃうじゃない。

 

 

 

 あ、隣にいた男の子と女の子に押し退けられた。

 

 

 

 

 

 こんなにいっぱいいるのになんでわたしを殺せないのかな?

 

 ただ痛いだけでぜんぜん死ねそうにないよ…。

 

 みんな手加減してるのかな?

 そんなことしなくていいのに…。

 みんなを止めてた女の子はみんなの魔術のあいまに『ごめんね』って泣きながら治癒魔術でわたしを治すし…。

 

 パパもなんで今日は魔術をぶつけてくれないの?

 

 

 ってあれ?

 パパいつの間にかいなくなってる?

 

 ギィィィ──

 

 あ、パパが戻って来たのかな?

 あれ?パパの他にもう一人いるみたい。

 

 男の子みたいだけど…。

 

 

 

 もしかして……今度こそわたしを殺してくれる王子さまかな?

 


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