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リセの魔力検査

 

 足元に『たまたま』落ちていたある物をさりげなく拾いサティアとリセの手を引いて大広間を後にする。

 パパンあとのことは任せた。

 面倒事はパパンに丸投げ…………たぶんパパンは王様にスルーパスするだろうけど。パパンがやるのはせいぜい俺とサティアの婚約を公表して、俺がサティアを庇ったのは『サティアの価値を落とさずに王族を切り崩す足掛かりにするためだった』って噂を流すくらいかな。王様は絶対公表しないし。これで王様は俺とサティアの婚約に表立って反対できないようになったな。



 大広間から離れ、サティアの部屋に戻って来る。


「ね、ねぇ。勝手に出てきちゃってもよかったの?」


 確かこの後の予定はサティアの誕生パーティーって名目の舞踏会だったな。……まぁ騒ぎ出したのは貴族から死体か奴隷にクラスチェンジする奴らだから。


「気にしなくてもいいですよ」


 だいたい奴らはサティアを祝う気なんてまったくないし。この手の催しは苦手なんだから一回スルーできたのを喜べばいいのに。


「それよりサティア様、リセの属性は気になりません……「リセちゃんの属性?」……か?」


「…………?」


 サティアの沈んだ気分を盛り上げる為にさっきのことから話題を逸らす。

 リセのことだと反応が速い…………と言うか速過ぎる。リセが自分のことなのに早速置いてきぼりになってるぞ。


「ええ、リセの属性です。リセはまだ魔力検査を受けていないので今日検査する予定だったのですよ」


「…………そうなの……?」


 あれ、昨日リセに言ってなかったか? …………そういや、魔力検査だとしか言ってなかったな。

 サティアの魔力検査のことは前々から話してたからそのことだと思ってたか。


「…………でも、検査には……あの…………水晶が……」


「それならここにある」


 さっき大広間でパクっ…………拾った水晶を取り出し、


「これに触って見ろ」


 リセに渡す。


「…………はい…………キャッ」


 リセが触った瞬間、眩い光が水晶から溢れだす。光が落ち着き、水晶に映し出された映像は…………黒い背景に赤と青と銀の球体…………この世界の月だ。

 つまりリセは月属性か。



「これは…………月属性だな。光系統の闇派生だからかなり珍しい属性だ」


 リセに幻影が通じなかったのはこのせい……だけじゃないよな……。月属性は融合型だけど複合型の性質を持っているし。


「光系統だからサティア様と一緒に魔術の練習ができ「本当!」るな」


 だから反応が速いよ……。

 …………そういや何でサティアは星属性なのに光の魔術が使える?

 全属性派生だから光の魔力も持っているが雑ざりすぎな上に融合型だからとても使えたもんじゃないはずなんだが……。






 う~ん、わからん。

 ゴロリからもらった知識を総動員してみたが検討もつかん。とりあえず光の魔力が使えるから、それで魔力制御を鍛えればそのうち星属性魔術を使えるようになるから無能とは呼ばれないだろ。


 思考の海から脱出し意識を現実に戻すと、サティアがリセと魔力制御の特訓中。二人とも魔力を球の形にし宙に浮かせている。



 始めたばかりなのに第一段階の魔力放出と、第二段階の簡易魔力造形はクリアしているのでリセはなかなか才能があるみたいだな。

 第三段階は数を増やすか、自在に操るか、球を大きくするか…………など、内容が枝分かれするけど何を選ぶんだろうな?



 二人とも楽しそうにやっているので水を差すのも難だから………………家捜しでもして暇を潰すか。

 とりあえずは本棚かな。

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