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親バカとシスコン

Side マルス


あぁ~、いってぇ~


サティアがいきなり大きな声をあげるから耳がキーンとしやがる


隣でリセも耳を押さえて悶えてるし


ネメア様とラミエル様は早々に耳を押さえて回避したみたいだが、まともにくらった俺は耳がいまいち働かん

たぶんリセも同じ感じだろう……俺に抱きついているプリム様がまるで堪えた様子がないのは何故だ?







あ、だいぶ回復してきた……けど、サティアは何で泣きそうな顔……いつもみたいにイジられすぎて涙目になってる萌える表情じゃなくて、なんか悲壮感が漂っているんだが…


俺がピヨっているうちに何があった?


「え~と、いかがなさいました?」


「な、なななな、何でもないわっ!

わたしはこれで失礼するわ、またねリセちゃん、るーくん」


サティアは早口にまくし立てると去って行った



うん、明らかに何でもない様子じゃないな

おもいっきりどもってるし、俺のことるーくんって呼んでるし

 

「あの…いったい何が…」


「う~ん、ちょっとね…

いま、マールくんにできることはあまりないわ」


「できることは……あの日のことをサティアにちゃんと言うことくらいね」


あの日……って言うとサティアが拉致られた日のことか…


仕留め損ねた奴が腹いせにサティアに斬りかかったのを背中で受け止めて死にかかったんだよな…

まさか毒が塗ってあるとは思わんかったし…


「それはダメですね、そんなことするとサティア様が傷つきます」


嫌ってる人間に助けられるのは嫌だろうし、物語みたいに助けられた結果惚れるってのもよくない

サティアはゲロスと違ってビッチタイプの女じゃないからいきなり態度が変わることはない

それまでの俺に対する態度と好きって感情の板挟みで最悪サティアの心が壊れる……サティアの俺への感情が好き→嫌いになった時もかなり不安定だったからな



サティアが俺を嫌いじゃなくなったのなら言っても問題ないだろうけど…

 

「さて、サティア様を送り届けましたし、ぼくたちはこれでお暇させていただきますね」


サティアもいなくなったし、このままここに居ると俺がサティアの代わりにイジられるから退散したい


「あら、いいじゃない、ゆっくりしていけば」


「そうよ、マールくん久しぶりにうちに来たんだし」


「帰っちゃ、や~」


三人とも俺を止めるが、それに早く帰らないとあの二人が来そ…


「サティアちゃ~ん」

「サティア───!我が胸に飛び込むがいい!」


ちっ、来やがったか…


さっき、一生懸命見ないふりしながらドラゴンブレスで吹っ飛ばしたのに復活が早い


入ってきたのは

バァル・セスト・アストライア

レグルス・セスト・アストライア


この国の国王と第一王子、サティアの父親と兄だ


ちなみにミドルネームがサティアと違うのは二人が国王と王太子だから

セストは国名であると同時に、国王と王太子のみに許された名でそれ以外の王族は光を意味するクァンの名を名乗ることになっている

 

面倒なことにこの二人はサティア大好きな親バカとシスコンで、かつてのサティアが大好きだった俺を未だに目の敵にしている


……サティアが絡まんかったら普通に仲がいいんだけどな…


「む、サティアちゃんはどこだ」

「マルス、サティアをどこに隠した!」


やっぱり真っ先に俺に絡んで来たか


「サティア様ならもう部屋に戻りましたよ」


「本当か?隠しておる訳では無かろうな?」

「父よ、サティアの匂いはここからしないから嘘ではないようだ」


「そうか、それならばサティアの部屋へ……行く前に、我が妻プリムに抱きついて何をしておるか!?

プリム、こっちに来なさい」


いや、プリム様の方が抱きついて来てるんだが…


「や、マーくんと一緒にいる

バァくん痛いことするから嫌い!」



「……痛いことって何かされたんですか?」


この人サティアが絡むと頭のネジがフルパージするけど、それ以外はまともな人だったはずだが…

サティアが絡んでも公私混同もあまりしないし……だからこそサティアの扱いがあまりよくない訳なんだが…

 

え?それより王子の匂いがどうこう言ってたことにツッコめ?

いや、こいつ妖○王オベ○ロン(笑)こと須○さんばりに匂いフェチだからツッコむだけ無駄だし


「バァくんね、わたしをはだかんぼにして、おまたを触ってきたり、おまたに何か細くて短い棒みたいなのを入れてくるの

痛いって言ったらすぐにやめてくれたけど、白くてどろどろしたのをおまたに出すんだよ」






さぁ、どうしよ

知りたくもない情報を知っちまったんだが…


国王夫妻の性生活はもちろん、王様が短小だなんて知りたくもなかった

それにたぶんだが痛いって言ったらやめたんじゃなくて、単純に早○だったっぽいし



「……それはもう6年も前の話ではないか…それに、あれからもうそんなことはしてないであろう」



まぁ、純然たる政略結婚とはいえ一回も手を出さないのは不味いとのはわかるが、その辺りをよくわかってない頭の中が子供な人を相手にほぼ無理やりでヤるのはどうなの?


一回しか手を出してないみたいだが……その一回で孕ませたのはすごいな

 

政略結婚とはいえ、王様の方はプリム様に愛情があるようだが……プリム様はそれ以前の問題だな…





とりあえず、子供ということになってる俺はわからないフリした方がいいんだろうな……いくら普段から子供には見えんでも、この方面でまで詳しいのは天才とか麒麟児とかじゃ誤魔化せん

………たぶんラミエル様は誤魔化せんけど

あの人勘が鋭すぎなんだよな…


プリム様を抱え上げ、王様から離れる


「な、何故離れる?」


思いっきり蔑んだ目をしながら


「いえ、どういうことかはわかりませんが、最低なことをしたように思えましたので」


「あ、あれは国王の責務として…」


……ふぅ、王様はアホだな

そんなこと言うと


「あ・な・た、少しお話があります……こっちに来なさい」


「ええ、女の子を義務感なんかで抱くなんて最低よ」


女の人は怒るに決まってるだろ

特にネメア様とラミエル様はプリム様をサティアと同じように可愛がってるんだから…



王様はネメア様に拉致られ退場、ラミエル様は俺がいるから残っているけどそのうち合流するんだろうな…

 

とりあえず、王様がこの世から退場しないことを願いつつ、サーシャに持たせている昨日サティアに買った服等をラミエル様に渡す


「これは?」


「昨日サティア様に献上した服です

平民向けの服に興味を持たれたらしく、二着ほどプレゼントさせていただきました」


「まぁ、ありがとう

……それにしても、どういう機会で興味を持ったの」


……この人、気付いてるな……視線がさりげなくリセに向かってやがる

さぁ、どうするか……普通は貴族自らが奴隷に服を買うなんてあり得ない……何でこの人こんな鋭いんだろ…


「……む、そこの獣人の娘は何者だね?」


若干放置気味になったレグルスがラミエル様の視線からリセに気付いた

よし、ナイスタイミングだシスコン王子


「ああ、その娘はぼくの奴隷のリセだ」


この王子にはタメ口……だって演技でもこいつを敬う気持ちなんて起きないもん


「……ふむ、この娘、余にくれないか?」






あ゛?


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