異世界人の属性
いや、でも比較的マシな人選だしな……。まぁ、報告書を見ての判断で、俺が直接調べたわけじゃないからもっといいやつがいたかもしれないけど。
……とりあえず警戒しとけばいいか。
「さて、この者達に聞きたいことがある者は居るかの? 多少ならば一限目に食い込んでもよいぞ」
このクラスに割り振ったヤツらの判定基準はサティアの脅威になるかどうか。
まずゴリマッチョは排除。コイツらは見た目だけでサティアが怖がる。
次にチャラ男やヤンキー系など、女に迫るタイプも排除。まぁ、このタイプは城に生息する地雷に手を出してるから入学段階で弾かれたヤツが多いけど。
そして、テンプレ的な主人公タイプも排除。基本的に見下される立場にあるサティアは声を掛けられる可能性が高いし、そもそも俺が関わりたくない。
「ほぉ~い」
あとは下二つのタイプの取り巻きタイプも排除してある。こいつらから男に繋がる可能性が高いからだ。ちなみに、本当は知り合いとかも排除したかったが、そこまで絞ると該当者がいなくなるため、それは断念した。
「うむ、やはり最初に手を挙げるのはお主じゃな、ルーベンスよ」
「Iクラスの切り込み隊長としては当然やな!
で、わいが質問してもええの?」
「他に居らぬからよいじゃろ」
ロリババァが質問を促すと他のヤツは異世界人相手だからか、尻込みしていたが、死亡フラグは迷わず手を挙げた。
……お前は切り込み隊長じゃなくて、特攻隊長だろ。死亡フラグ的な意味で。
「ほいじゃあ、とりあえずバストサイ……」
「まぁ、恥を晒すような質問をするならば特別課題を出すがの」
セクハラ質問をしそうになった死亡フラグをロリババァが牽制。サティアの時にも似たようなことをやってたから、ロリババァも予想できていたのだろう。
「じょ、冗談やがな。言い切ってないから、セーフやろ?」
「……今回は大目に見てやるかの。ほれ、早くいうがよい」
「ほいじゃまあ、属性は何なん? ちなみにわいは雪な」
「ボク? ゴメン、さっきも言ったけど、ボク男だから……」
「いやいや、ちゃうがな。冬に降る雪やって」
属性か……。コイツら……と言うかクソ共はちょいと特殊なんだよな。
「あはは、冗談だよ。ボクは水と風だよ」
「私は火と光です」
「アタシは風と火、風の方が得意かな」
「私はその、地と水、と風と火……です」
「……闇」
「「「え?」」」
「あの、何かおかしかったでしょうか?」
俺とサティアを除いたクラス一堂から異口同音で困惑の声が漏れ、それに対してクソ共側が困惑する。
「あ~、驚くのはよくわかるが事実じゃよ。この者らはほぼ全員が多属性持ちじゃ」
「え~と、雨とか熱風とかの複合型派生とかやのうで、いくつもの属性があるっちゅうこと?」
「うむ。この者らは複合型派生と違い、威力の減衰なく所持する属性を使えるのじゃ。
まぁ、逆に属性を辿って派生属性を扱うことが困難になっておるがの」
「……あの、複数の属性を扱うは……無理、なんですか?」
「まあの、城で教育されなんだか?」
「ええ、そういったことは特に」
どういう教育したんだよ、王城のヤツらは。クソ共が多属性ってのは予想の範囲内だったから、そのあたりはすっ飛ばしたのか?




