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名前とお風呂と命の危機?

 

 くっそ、こういう時キャラ作ってると咄嗟に言葉が出ないから厄介だ。サーシャと話してるとこういう展開が多くて困る…………あれ? もしかしてサーシャにはキャラ作ってるってバレてね?

 

 ……いやいやいや、気のせいだ気のせい。単なる偶然だ……と思いたい。

 

 

 さて、どうすっかな。サティア達と風呂入ることになったけど……まだお互い子供だから気にしなくてもいいか。

 

「それじゃあサティア様……と、そういえばお前の名は何だ?」

 

 獣人の娘の名前聞いてなかったな。

 

「…………ん、わたし?」

 

 獣人の娘は自分に言われたと気付かなかったのか一度キョロキョロしたあと聞き返して来た。 

「ああ」

 

「そういえば、わたしもまた聞いてないわね」

 

 サティアは先に獣人の娘と話していたが聞いてなかったようだ。ちなみにサティアは獣人の娘を膝の上にのせて抱っこしている。……俺のいない間に仲良くなったね、君たち。

 

 

「…………わたしの……名前。………………名前…………わたしの名前は……わからない……」

 

「「え?」」

 

 この娘自分の名前を忘れてる?

 

「……あ、できそこない……って……呼ばれてた」

 

「それは名前じゃないのよ!」

 

 う~ん、これは虐待による半端ないストレスの結果記憶に障害が出てんな。

 ん~、名前なしか。いちいち獣人の娘って書くの……もとい、呼ぶのは面倒だし変だからこっちで名前をつけるか。

 

「それじゃあ、お前は今日からリセだ」

 

 ママンが俺が女に生まれていたらつけてた名前だ。

 

「……リセ。……うん、わかった。……わたしはリセ」

 

「リセちゃん……ね」

 

「それじゃあ風呂に……入ってくるのでサティア様はリセと話でもして時間を潰してください」


 

 そう言って俺は和室をあとにする。やっぱ風呂に一緒に入るのは無理だわ。サティアとリセは自分で身体洗えないだろうから俺が洗うことになりそうだし──少なくともサティアは前に一緒に入ったときはメイドに洗ってもらってた。さっさと風呂に入って飯食ってサーシャに頼もう。 

 衣装棚から替えの下着と部屋着を取り出し部屋に備え付けてある風呂に向かう。

 ……この風呂も元々は無駄にでかかったんだよな。部屋と違って、でかすぎると湯の消費とかでデメリットがあるから縮小工事して今ではだいぶマシになった──それでも一家族が楽に入れる位大きい──けど。 

 ちなみにこの家にはパパン用と俺用といつでも誰でも入れる大浴場(男・女・混浴)と交代・予約制の使用人用個室風呂の六種類の風呂があり、また客間には風呂はないけどシャワーがある。

 ……大浴場に何で混浴があるかはかなり謎だ。

 

  

 脱衣場に入ると洗面台鏡が目に入る。…………う~ん、俺の顔……子ギルに似てきてるような気が……将来慢心王になんの、俺?

 あの人○フォイの上位種っぽいしな……でも名前は征服王なんだよな。 

 ……まぁ何年か経てばわかるか。将来のことは置いておき、服を脱いで風呂に入る。

 この風呂は改装時に檜貼りにしたので良い香りだ。大理石貼りにするところを無理言って檜貼りにした甲斐がある。

 俺は先に頭と身体を軽く洗ってから先に風呂に入り、しばらく暖まった後にちゃんと身体を洗うことにしている。冬場かなりキツいんだけな。

 手早く頭と身体を洗い湯に浸かる。

 

 あ~、癒される~。風呂は命の洗濯とはよく言ったもんだ。今日は色んな意味で疲れたから普段より気持ちいいわ。

 

「……いで……ぁい……」

「……ん……ぁい?……」

 

 ふう、風呂はいい。このマッタリタイムは邪魔されたくないから、使用人には入浴中に脱衣場に来るなって言い付けてあるのでゆっくりできる。

 

「……じゃ……入るわよ」

「……ん……わかった」

 ん? 今誰かの声が聞こえ……

 ガチャ

  

「誰だ、ぼくの入浴中……は…………なぜサティア様とリセがここに?」

 

 入って来たのはサティアとリセ。サティアがリセの背中を押しながらやって来た。

 この娘たち何ひとの入浴中に乱入してきてんの?

  

「え、だって……さっきサーシャさんがお風呂に入るようにって……」

「……ぁ……」

 

 いや、確かにサーシャが一緒に入るよう言ったけどさ。ほら、リセは恥ずかしがって身体をなんとか隠そうとしてるし…………あれ、リセは無感情になってると思ってたけど恥ずかしがってる?

 羞恥心に関してはサティアより豊かなのかよ……。

 あ、サティアの後ろに隠れた…………まぁ、隠れるまでに全部見たけど。

 

「どうしたのリセちゃん?」 

 しばらく何も食べてないからか肋骨が浮き出てるし、手足もかなりガリガリ。子供ってことも相まって色気なんて全然なかったけど。

 それに対して今見えてるサティアの身体は子供らしからぬ色気がある。胸こそ膨らんでないものの、ウエストは軽くくびれていて手足もキュッと締まっている。

 

「ね、ねぇ……あまりじっと見ないで……」

 

 ……はっ、なにじっくり品評してるんだよ、俺は。

  

「すみません」

 

「服屋さんでもじっと見ていたけど、どうしたの?」

 

 子供ってどうして答えにくい質問ばっかりしてくるんだろうね。 正直にエロい目で見てました、なんて言えねえよ。

 

「え~と、それは……サティア様のお身体が綺麗だからですよ」


 

 嘘ではない範囲でごまかす。

 

「あ、ありがとう……。そ、それならもっと見てもいいよ」

 

 ゴフッ

 やべぇ、俺この娘に殺されるかも。耳まで真っ赤になりながら誘惑? とか可愛すぎだろ……。

 まだ子供で助かった。股間の乖離剣が休眠状態でなかったら即座に押し倒してた自信があるわ。 

「いえ、それより早く入ってはどうですか? 風邪を引いてしまいますよ」

 

 しばらく視姦したいのは山々だが、それをグッとこらえてサティア達に提案する。

 

「そ、そうね。リセちゃん入りましょうか」

 

 サティアはサッと自分とリセにかけ湯をし、入って来る。

 

「……ぅ……」

 

 一方リセはなかなか入ろうとしない。ふむ、羞恥心はそれなりにあるから原因は俺かな。

 

「リセちゃん、おいで」


「……ぅん……」

 

 しばらく躊躇っていたが、湯船からサティアが呼び掛けると頬お赤らめながら入ってきた。 

 ……本当、俺のいない間にずいぶんサティアになついたな。リセにとってサティアは地獄のような状況で助けてくれた人だからなついてんのかな。……でもリセって死にたがってなかったか?

 生物的な生存本能か?


「ね、ねえ。……身体……洗ってくれないかしら」

 

 しばらく考えているとサティアからなにやら衝撃的な一言が。

 ……ああ、この娘自分で服を着たり脱いだりできなかったし、やっぱり身体を洗ったり出来なかったか。 ……やっぱメイドが必要…………メイドか……。

 

「……リセ、お前が洗ってみるか?」 


 メイドとして使うつもりだからリセに……経験させてみるのも一つの手。


「……やり方が……わからない……」

 

 だと思ったが、この娘も元は最上位のお嬢様だから人の身体の洗い方なんて無理……ん?

 

「もしかして……お前も自分の身体を洗えないのか?」

 

「…………(コクリ)」

 

 …………つまり、二人とも俺に洗えと? …………ふう、俺今日死ぬかも。

 

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