ルシファー&ヴィーナス
地面に突き刺さった死亡フラグを尻目にサティアを洗脳していると、徐々に生徒が集まり始める
どの生徒も本気で走ってはいるが死亡フラグのように全力ではないため、到着時間に差がついたようだ……何人かは全力だが単純な実力不足で足が遅いだけのようだが
到着した生徒は皆一様に教室に最後まで残っていた筈の俺たちが先に来ていることに目を丸くしている
「どうやら皆到着したようじゃな」
「あの~、先生たちはどうして先にここへ?
私が教室を出た時には移動する素振りすらなかったような気がするのですが…」
ロリババァが全員到着したことを確認していると、一人の女生徒がロリババァに質問してきた
「妾たちは転移で来たからのぅ」
「なっ……転移って、そんな高等術…ズルいですよ!
そちらのお二方も先生の転移で一緒に来たんでしょう!?」
「ズルいって何がじゃ?」
確かにそれは疑問だ
別に競走してた訳じゃないし…
だが周りの生徒は女生徒に同意するように首を振っている
「だって、この魔装作成は作成場所に来た順からの作成するルールじゃないですか!?」
そんなルールなんてあったっけ?
でも、これで納得できた
道理でみんな我先に走りだしたわけだ
「何を言うて居るのじゃ
こやつらは既に魔装を持っておるわ
先ほど教室で確認したじゃろうが」
「……あ、そういえば…
え、でも、むの……王女サマも?」
今このメス、サティアのことを無能とか言いかけてたな…
「無論じゃ
それにじゃ、仮にこやつらに魔装がなくとも、問題はないかの
教室からここまで程度の転移ならこやつらも自力でできるし」
いや、俺はできるけど、サティアは魔法陣の補助がないと厳しいぞ?
「え、でも……王女サマは星属性で…」
「阿呆か、転移は無属性じゃから属性なぞ関係ないわ
そこまで疑うのなら……姫よ、お主の魔装を見せてやるがよい」
「は、はい
来て<ルシファー><ヴィーナス>」
遠回しに馬鹿にされていたサティアは突然指名されていたことに驚きつつも、魔装を展開する
サティアの手に現れた魔装は2つ
左手にアクアマリンのみたいな青い宝石で作られたような弓、右手に青銀色の籠手だ
「…魔装が2つ?」
「正確には2つで1つの魔装じゃな
弓と籠手という組み合わせは珍しいが、双剣や剣と盾などの組み合わせがオーソドックスじゃな
……じゃが、基本的にお主らに配布した最下級の魔装石では作成不可能なものじゃ」
魔装石にも格があり最下級は当然模造品……ある意味偽物と言えるイミテーション
魔装石の格が低いと、いくら本人に能力があっても出来上がる魔装はショボいし場合によっては不完全──逆もまた真だが──で、2つで1つの魔装だと不完全さは片割れしか作成できない、という形でもろに顕れる
「うむ、ではそのまま……空に向かって魔装の能力を使うのじゃ」
「はい」
サティアは返事を返すと弓──ヴィーナス──を空に構え、魔力を籠める
覚えてない方もいるかもしれませんが、サティアはハーフエルフという理由とは別に、星属性という無能な属性なので軽く扱われています




