あの日の少女
立ち上がったのは頭から髪と同じ茶色の牛耳と角を生やした、牛獣人の大柄な男だ
「何だ?
あと先に名乗れ」
なかなか見所がありそうなので名前は覚えておきたい
「自分の名前はゴンザレス・ヨッシーノ
ゴンズと呼ばれております」
ヨッシーノ……吉…いや、この連想はやめておこう、牛のこいつには不吉すぎる
「なぜ……なぜ、あなたは我らが神を殺めたのですか!?」
…見所がありそうと思ったが、気のせいだったようだな
「あなた……いや、お前はなぜ我らから神を…」
いきなり口調が崩れたな……言ってる途中で感情が盛り上がったのか?
何でそこまでキレるかな?
俺が春一番を殺したのは一回……一昨年だけで、それ以降……去年は普通に春一番は発生しているはずだが…
「そして、俺の目の前から春の奇跡を奪ったのだ!?」
なるほど、あの時現場にいたのか……ならキレても仕方ない……か?
「目の前で突風なぞ吹かれると鬱陶しいことこの上ないからだ」
「そ、そんな理由で我らが神を殺めるとは……お前はそれでも男か!?
貴様はあの奇跡の幻想園を不意にしたのだぞ」
いや、奇跡の幻想園て……また大げさな
そこら中でパンチラが見えるだけだぞ
「ふんっ、あいにくだが女には不自由してなくてな」
「…ぐっ、このクソリア充がぁ…
貴様にはわからんのだ、モテない男の苦しみが
そして目の前にいた理想的な女子の秘密の花園を垣間見できそうな瞬間を潰された我が絶望が!」
それは正直悪かったと思わんでもないが、声を大にしていうのはどうかと思うぞ
周りの女からゴキブリの死体を見るような目で見られているんだし
「いや、彼女は春一番のすぐ傍に居たから、一糸纏わぬ姿すら見えたやもしれん!」
そういや、春一番が突風を起こすときにすぐ傍にいたらスカートが捲られるだけじゃなくて、着ているもの全て吹き飛ばされるんだっけ………………ん?
春一番のすぐ傍に居た?
「我ら牛獣人にとって理想の美の体現…」
確か、牛獣人の理想の美はホルスタインだっけ?
「白と黒のコントラストの美しい、幼き猫獣人の彼女の生まれたままの姿が!」
白と黒の猫………は?
それ、どう考えてもリセじゃん!
あ~、道理でさっきなんか違和感というか、既視感があったわけだ
あの時春一番のすぐ傍に居たのはリセなんだからな
「…白と黒の、幼き猫獣人………リセちゃんのこと?」
「なんとっ!
姫は我が女神のこと「ひっ!」を知っ……てぁっ」
牛野郎の口から出たから特徴からリセに思い至ったサティアの呟きを聞いた牛野郎がサティアに詰め寄ろうとしたので、触手で足を引っかけて転ばせ
「《エレクトロ・アクアゲイザー》」
「ゲパッ」
股間目掛けて雷水で一撃を加える
転ける勢いと吹き上がる水の勢いでサンドイッチされると痛いじゃすまないだろう




