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服選びと禁断の品?

「まぁいい、こっちはこっちで服を選ぶぞ

この店で平民服一式揃えた場合の最大の金額はいくらだ?」


「そうねん年齢にも依るけどん、だいたい金5くらいかしらん」


「ふむ、それならこっちも3セットで金5が予算だな

1セットあたり小金貨2枚弱だな」


サティアがどのくらいの金額の服を選ぶかわからんからな



「そうねん、これなんかどうかしらん」


クリーチャーが一枚のハーフパンツを薦めてくる……けど


「説明してなかったな

獣人に着せる為の服を買いに来たんだ

だからズボン類はショートパンツくらいだな」


尻尾の所為で穿けないもんな

 

「あら、そうなのん?

貴族様が獣人の為の買い物をするなんて珍しいこともあるのねん」


クリーチャーはハーフパンツを棚に戻し、スカートを物色しながら呟く


確かに珍しいといえば珍しい

この国の亜人差別は地位と比例するように酷くなっている

貴族は高確率で亜人差別主義だし、平民でも富裕層はその傾向にある


「新しい奴隷を急遽うちで使うことになってな…」


「そうなのん?

でもイスカンダル家は奴隷の元締めだから急な話でも奴隷用の服のストックくらいあるんじゃないのん?

それに……純粋に疑問なんだけど、うちの服は奴隷用にするには贅沢じゃないのん?」


まぁ、確かに奴隷用の服のストックはあるし、ここの服は値段的にもデザイン的にも贅沢

 

「ただの奴隷じゃなくてぼくのペットだからな」


ペットの世話は飼い主の仕事です



「ふ~ん、そうなのん?

そういえばどんな娘なのん?」


どんな娘か……どんな娘なんだろ?

ほとんど話してないからどんな娘なのかわからん


って、この場合外見を聞かれてるんだよな?


「黒髪で蒼眼、猫の獣人でそっちの毛色は白だ

髪の長さは……」


今はだいぶ長いけど傷みまくってるから切らないといけないから…


「ショートだな」

 

「ショートねん……それならボーイッシュな娘なのかしらん?」


「いや、もともと髪は長めでちょっとした事情で切るはめになっただけだから違うはずだ」


半年程度で伸びるような長さじゃなかったからな


「う~ん、それじゃあやっぱりスカートねん

黒髪だとどんな色でも似合うから逆に迷うわねん…

これなんかいいんじゃない?」


クリーチャーはそう言いながら三枚のスカートを見せて来る


一枚目は黒を基調としたティアードスカート、二枚目は赤いフレアスカート、三枚目は白を基調としたフリルスカート


どれも尻尾のことを考慮しているらしくミニスカートだ


……ふむ、なかなかいいセンスだが…


「悪くはないがスカート一枚であとはワンピースとズボンがいいな」


「そう?

それじゃあどれを選ぶのん?」


それなら…

 




しばらくクリーチャーと共に服を選び続け、今はサティア達が向かった辺りに移動中

理由は


「もう、防捲加工のスカートが欲しいなら最初に言って欲しかったわん」


防捲加工という特殊な魔術加工を施されたスカートがそこに置いてあるからだ


防捲加工、それは数多の男達の野望を打ち砕いた魔術加工

これは数代前のイスカンダル家の当主の発明でその効果は



スカートが風やちょっとした動きなどで捲れなくなる


というものだ


ちなみにこの発明を発表をしてしばらくの間うちの領地の治安が悪化したらしい


悪化の原因は男達のデモ

反対運動が半端なかったらしく、うちの領地史上最悪の治安だったらしい


今でも反発が大きく禁術指定の嘆願が王城に毎月来ているらしい

 

この反対運動、貴族で直接参加しているのは少ないけど、裏で支援しているのは結構いる


正直、最初より勢いが落ちたとはいえ数世代経過した今でも継続しているあたりどうかと思う


ちなみに勢いが落ちた一番大きな理由は二次元の世界でしか見たことないような股下0cmのスカートを穿く女性が現れ始め『アレはアレでよくね?』って考えが広まったからという…

まぁ他にも女性からの冷たい視線に耐えられなくなったとか、太ももが良いとか、そんな理由もあるけど


あと、この加工布の生産と出荷をある程度抑えるって声明を出して、価格が高騰したのも大きいとは思うが…


今も直接反対運動をしているのは直球でエロい奴か、チラリズマー(見えそうで見えないけど時々見えるのが良いのであって、完全に見えない『一瞬の美』がないものはダメらしい)くらいか?

……賛同者は男の7割くらいがそうらしいけど

 


上の服とショートパンツは選び終え、ワンピースとスカートを選びに高級服のコーナーにやって来たわけだが


あの服の山は何なんだろうな?

たぶんサティアに関係あるんだとは思うが…


「さっき選んだのと同じようなのを持ってきてくれ

ぼくはあそこに行ってみるから」


「は~い、わかったわん」


とりあえず、スカートをとワンピースのデザイン自体は選び終えてるからクリーチャーに持ってこさせ、服の山がある試着室近付き


「これは何事だ?」


試着室の前に立っているアンナに話し掛けてみる


「あら、イスカンダル様、もう服は選び終えたんですね

こっちはまだまだ時間がかかりそうです」


「何かあったのか?」


「いえ、何かあったわけではないのですが、王女様が気に入る服がないみたいで…」


この服の山に気に入ったのがないって……


……あ、気に入ったのがないんじゃなくて、今まで接してない服だから何がいいのかわからないだけなんじゃね?


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