異変
・
夢を見た。
綺麗な女の人がいた。
何故かわからないけど、その人は、焦っていた。
はやく、はやく、はやく・・・・・・。
・
「!?はぁ、はぁ・・・。」
また、いつもの夢か。なんだかこのごろ見る回数が増えている。
誰かに相談したいけど、そんな友人なんて、私にはいない。
どうせまた、馬鹿にされるか、裏切られるか・・・。
そこまで考えると、今まで封じ込めていた思いが湧き出てきた。
・
「くるなバケモノ!!あっちに行け!!」
たくさんの人々から浴びせられた言葉。
今まで何度も引っ越した原因。
だからこそ、ここでは静かにすごしていたい。
私はミコト。今はロンドンに住んでいる。ミコトって名前でも、れっきとしたイギリス人。純粋じゃないけど。
別に、純粋じゃないからって、バケモノって言われていたわけじゃない。
私は・・・・。
・
物心ついたときから普通じゃないものが見えていた。はじめはみんなが見えていると思ったから、普通に話題に出していただけ。
みんなが見えないんだって気がついたときには、もう、遅かった・・・。
「どうしたの?ミコト。元気ない。」
私に話しかけるのは薄緑色の謎のモノ。半透明だから生物じゃないのはわかるけど、自分からは、何も話してくれないから、よくわからない。
「なんでもないから。」
私は微笑んで言った。
「ありがとう、ソレ。」
ソレは薄緑色の身体で、くるっと一回転して見せた。
「そう?ならいいや!!」
ソレは子供のようにかわいらしく笑っていった。
「・・・心配してくれたの?」
「うん!!友達でしょ?」
「・・・うん。」
私は心の底から笑った。
友達。その言葉が胸の中で響き渡った。生き物から言われたわけじゃない分、少し複雑だ。
でも嬉しい。とても。
だからソレがあんなことになるなんて、思いもしなかったんだ。
・
「ね~え?あんた、変なものが見えるんだってぇ?」
私に話しかけてきたのはいつもクラスを仕切っている子だ。
ここは高校の教室の1-D。私は普通に本を読んでいた。
「え・・・・・?」
いきなり言われて私の頭は思考回路不能した。
その子はいきなり私の黒髪をひっぱった。
「痛い!!やめてよ!!」
私が叫ぶと、その子が私の顔を殴る。
「うるせーー!!大体、お前生意気なんだよ!!ちょっとみんなもこいつ懲らしめましょうよ。」
周りの人たちがいっせいに殴ってきた。
「お願い!!やめてください!!」
ゴスっと誰かの蹴りが、みぞおちに入って声すら出せなくなる。
「・・・・・・っ」
「やめてよ、じゃないでしょう?私みたいなバケモノを殺してくださいだ、と思うなぁ。」
彼女は歌うように言うと、一転して低い声で言った。
「死ね。バケモノ。」
おかしい。
殴られて朦朧とした意識の中で思った。
何で・・・、何で、みんなこんなに興奮してるの・・・?
私は必死に教室から逃げ出した。
みんなが追ってくる前にトイレに逃げ込んだ。
「・・・っ、ハア、ハアっ」
ドアに寄りかかり肩で息をする。
ガツンとドアが何かでたたかれた。
「助けて。」
私は懸命に祈る。
「お願い。誰か助けて。」
すると、ポンっとソレが現れた。
「ソレ・・・・。」
「殺してほしい?」
その可愛い身体からは予想もできない言葉がでてきた。
「え・・・・・・・?」
「悩んでる暇なんてあるの?」
ない。恐らく私はドアが破壊された後、何かに取り付かれたような様子のみんなに殺されてしまう。
そのとき、私の顔の真横から何か棒のようなものが突き出してきた。
「ひっ・・・!!」
いくつもの足音が教室のほうに向かっていった。たぶんもっと強力な武器を取りに行ったんだろう。
もう、時間がない。
そして、私の覚悟は決まった。
「お願い。あいつらを、殺して」
初めての投稿です。よろしくお願いします。
いやぁ、なんだか緊張するなぁ。
ミコトちゃん、なんだか危ないことになりそう・・・。
あ、ミコトちゃんのフルネームはミコト・ハミルトン。
まぁ、あまりフルネームででないと思います。はい。
これからもどうぞよろしく。