表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

10分de古事記

作者: 和えもん
掲載日:2026/06/30

「天と地が初めてひらけたとき、高天原で唐突に最初の神様が生まれました」

「どんな神やねん」


「中心の神 結ぶ神 命の神」

「そんで?」


「すぐに姿を隠しました」

「は?」


「続いて他にも大切そうな神様が生まれました」

「そんで?」


「中略」

「本気か」


「割と古事記準拠よ」

「そうやけども」


「ついにイザナキとイザナミ(以下キミ)という夫婦神が生まれます」

「ついにも何も…」


「キミは先輩神の呼び出しを受けました」

「なんやねん」


『下の世界をみろ』

『なんかドロドロ』

『なんとかしろ』

『どうしろと』

『知らん』

『えぇ』

『やっといて』

『わかりました…』


「これが世界初のパワハラです」

「ブラック企業も真っ青やで」


「キミは長い棒でコオロコオロとかき混ぜてみました」

「聞き分けが良すぎる」


「するとオノコロ島という小島が出来たので」

「できるんかい」


「降りてみる事にしました」

「勇気あるな!?」


キ「俺の体には出来上がってなお余っているところがある」

ミ「私の体には出来上がっているが欠けているところがある」

キ「合わせてみよう」

ミ「さんせー」


「という会話を始めます」

「判断が早い」


ミ「あらいい男ね!」

キ「なんていい女!」


「そう言って合わせてみますが何も起こりません」

「展開も早い」


「そこへセキレイと言う鳥が現れ」

「どっから来たんや」


「シュッシュッと素振りをしてみせました」

「お前!!!」


「結果として蛭子と言う成りそこないの神が生まれ」

「朝チュンより早い」


「悲しみながら蛭子を船に乗せて流しました」

「蛭子ぉぉぉ!」


「いったん高天原へ昇って先輩に占ってもらいます」

「は?占い?」


「占いの結果、イザナミが先に声を掛けたのが失敗の原因とされました」

「順番の問題なん!?」


「改めて地上に降り」

「休む間がない」


キ「なんて良い女だ!」

ミ「なんていい男なの!


「すると淡路島をはじめとした日本列島が生まれました」

「列島そのものが神なん!?」


「勢いで自然現象を司る神などが次々と生まれます」

「キミ凄いな!?」


「そして火の神カグツチが生まれたとき」

「なんか特別なこと起こるん?」


「イザナミは死んでしまいました」

「なんでやねん!」


「カグツチはイザナキに斬り殺され」

「なんでやねん!」


「イザナキは黄泉の国までイザナミを連れ戻しに行きました」

「なんでやねん!」


「黄泉の国で巡り合ったキミは姿が見えないまま会話を始めます」

「どんな話になんねん」


キ「愛しいイザナミ、迎えに来たぞ」

ミ「愛しいイザナキ…でも手遅れよ。黄泉の食事をとった私は帰れません」

キ「神生みがまだ途中だ!帰ろう!」

ミ「そこまで言うなら。黄泉の神と話してくるから待ってて。絶対に見たら駄目よ。」


「とっても長く待たされたイザナキは灯を付けて突入します」

「見たら駄目だ言うとるやろ!」


「イザナミの体には蛆がうごめき、雷がほとばしっていました」

「こっわ」


「イザナキが思わず逃げ出すと『恥をかかせたな!』とイザナミが激おこ」

「無理ないわな」


「逃げるイザナキを黄泉醜女が追って来ます」

「逃走中」


「所持品を投げると山ブドウやタケノコが生えて」

「なんでやねん」


「食べている隙にリードします」

「一安心やな」


「そこに後詰の軍勢が1500ほど」

「はぁ!?」


「再び走り出すイザナキ。ゴール直前の黄泉平坂には桃が3つ成っていました」

「なんでやねん」


「その桃を掴んで軍勢に向かって放り投げると…」

「どうなるんな」


「軍勢が全て撤退しました」

「御都合主義!」


「桃よ、いま私を助けたように、地上の国で人々が苦しんだ時には助けてやってくれ、と」

「いやただの果物に命令してどうすんねん」


「オオカムヅミという名の神にしました」

「桃は神様なん!!??」


「なお古事記を通じても神になった食べ物は桃だけです」

「なんで桃だけ!?」


「それはそうと追い付いてくるイザナミ」

「ラスボスきたー!」


「あわてたイザナキは千引岩で黄泉平坂を遮断します」

「そもそも気軽に行けるのが悪い」


「千引岩の向こうから愛しいイザナミが別れの言葉を告げます」

「もしかして感動のシーン?」


ミ「愛しいイザナキにこんな仕打ちをされたら

 私は地上の人々を1日に1000人縊り殺すでしょう…」

キ「愛しいイザナミがそんな事をするならば

 私は1日に1500の産屋を建ててみせる」


「こうしてイザナキは地上でイザナキ大神に

イザナミは黄泉の国で黄泉津大神となりました」

「対比がえぐい」


「黄泉の国から地上世界に生還したイザナキ大神は不浄な穢れでいっぱいでした」

「洗い落とせ」


「つくしのひむかのたちばなのおどのあはぎはらの泉で身を清めます」

「なんでお祓いの祝詞を唱えたん?」


「順番が逆で、神職がお祓いのために古事記を暗唱してるのよ」

「そうなん!?」


「洗い落とした穢れをもとに新たな神が生まれました」

「男一人で産めてるやんか」


「禊の最後にスサノオ・ツクヨミ・アマテラスの三貴神が生まれたので」

「アンタ太陽のくせに、ここで生まれたんか」


「イザナキ大神は三貴神に色々と託して引退します」

「世代交代はっや」


「海原を託されたスサノオは毎日毎日ずっと号泣していました」

「なんでやねん!」


「『おまえいい加減にしろよ?』と説教をすると」

「そらそうやろ」


「スサノオは母イザナミを求めてネノカタスクネへと旅立ちます」

「どうしてそうなった!?」


「高天原に立ち寄って挨拶しようとすると、アマテラスは激おこ」

「キレッキレやな」


「『高天原でまで悪さをする気か!』『そんな気はない!』と大喧嘩」

「収集がつかなさそう」


「神生み占いで勝負だ、男神が生まれた方が勝ちだぞ、となりました」

「だから、なんで占いやねん!?」


「なんと勝ったのはスサノオ」

「まじか」


「スサノオは俺様大勝利記念アメノオシホミミと名付けました」

「調子乗りすぎじゃね?」


「俺様大勝利記念アメノオシホミミはアマテラスの養子になりました」

「は?」


「次はスサノオが激おこで高天原で乱暴狼藉」

「それを防ぐために喧嘩してたんやろ?」


「アマテラスはスサノオを擁護します」

「なんでやねん!?」


「とても大きな被害が高天原を襲ったとき」

「どうなるねんな」


「アマテラスは天岩戸にひきこもることにしました」

「なんでやねん!?」


「世界から太陽がなくなるとみんな困ります」

「困るってレベルじゃないやろ」


「世界を救う作戦が準備され決行されました」

「どんな作戦やねん」


知恵の神オモヒカネ『まず鶏を鳴かせます』

芸事の神アメノウズメ『裸踊りを舞います』

アマテラス『なんで笑っていられるん?』

『アンタより立派な神が生まれたからお祝いしてんだよ』

アマテラス『んなわけないやろ(チラッ)』

鏡を見せて『アンタのことやで』

アマテラス『出てくわ』


「こうして世界は太陽を取り戻しました」

「謎すぎるわ!」


「大騒動の原因となったスサノオは高天原から追放されます」

「どっちかいうとアンタの方が罰を受けるべきと違う?」


「スサノオが地上に降りるとクシナダヒメという女神が生贄にされそうな場面でした」

「いきなり!?」


「俺がヤマタノオロチを退治してみせる!」

「さっき号泣してたやつと同じなん?」


「大量の酒を飲ませて酩酊したところで退治しました。ヤシオリ作戦です」

「それシン・ゴジラで聞いた!」


「死体処理を行っていると尾から立派な剣『アメノムラクモ』が出てきました」

「なんでやねん」


「スサノオはこの剣を高天原のアマテラスにプレゼントします」

「その後は?」


「クシナダヒメと結婚して地上で暮らすことになりました」

「ヒーローものやん」


「この続きはスサノオの六代先の子孫が主人公になります」

「六代!?」


「しばらく時間が経過した出雲の国あたりでの出来事です」

「はぁ」


「因幡の白兎というやつが割と自業自得な理由で苦しんでいました」

「1行!?」


「そこに通りがかった、あとで大国主となる若造は優しく助けます」

「ガマの穂くらい描写しろや」


「大国主はスサノオの六代先の子孫で、多くの兄たちがいて、弱い立場でした」

「せやな」


「あるお姫様へ求婚しにいく旅の道中でパシられている状況でしたが」

「最後尾の荷物持ちやな」


「白兎は『お姫様が選ぶのは大国主さんですよ』とおべっかを言い始めます」

「妄言にしか聞こえん」


「本当にお姫様が大国主の若造を選びました」

「なんでやねん」


「嫉妬に狂う兄たちが大国主を殺します」

「死んだ!?」


「母の涙で復活しました」

「イザナミと違いすぎない?」


「また殺されて二度目の復活」

「なんでやねん」


「母はアンタ逃げな、と根の国行きを薦めます」

「スサノオがいるんよな」


「スサノオは大国主を迎え入れると」

「これで安心やな?」


「死の試練を三回ほど与えます」

「なんでやねん!」


「その試練から大国主を助けたのはスサノオの娘スセリビメ」

「なぜ助けたんや」


「大国主に一目ぼれしていたのです」

「ならしゃーない?」


「古事記では一目ぼれさえすれば大抵の困難は乗り越えられます」

「そんなバカな」


「スサノオがしぶしぶ大国主を認めて少し油断すると」

「『お前に娘はやらん』なん?」


「大国主はスサノオを罠にはめて宝物やスセリビメと共に大脱走」

「激おこやろ」


「スサノオは罠から脱出し『頑張れよー』と送り出します」

「なんでやねん!」


「無敵になった大国主はこの後も多くの女神と結婚」

「無敵なのは嫁さんたちの力なんじゃね?」


「大国主の国は大きく発展しました」

「めでたしめでたし」


「そんなあるとき高天原の天照が下界を見て言いました」

「再登場するんか」


「『あの国、私が治めるべきじゃない?』」

「は?」


「『そうですね』『良い考えです』という厳正な会議の結果」

「イエスマンやないか!」


「大国主の元へ高天原から使者が派遣され、買収されました」

「買収!?」


「2度も使者が取り込まれたことに業を煮やした高天原からは」

「しかも2度も!?」


「ついに武力の化身タケミカヅチが派遣されます」

「タケミカヅチはどこで生まれてたんだっけ?」


「カグツチの血から」

「生誕エピソードが雑やな!?」


「タケミカヅチが

『お前らの治世はうしはく統治や。理想の統治はしらす統治や。

 だから天界の姉御が国を譲れ言うてるんやぞ?どう思うんや?』

 と優しく語り掛けると」

「インテリヤクザやろ」


「大国主は『息子に聞いてくれ』と丸投げしました」

「自分で答えろや!!」


「コトシロヌシは『いいと思います』と即答しました」

「脅迫に屈しとる!?」


「のちにコトシロヌシは恵比寿さまとして信仰を集めます」

「あの七福神の!?」


「タケミナカタは『納得いかない』と不服を申し立てました」

「漢気があるやんか」


「タケミカヅチと相撲で勝負した結果、諏訪まで逃げました」

「オンバシラで有名な諏訪大社!?」


「『他に異論がある者は?』と優しく語り掛けるタケミカヅチ」

「怖い優しさやな…」


「大国主は『譲りましょう、その代わりに…』と条件交渉を始めます」

「これが平和な交渉なん......?」


「大国主『天にも届くような立派な祭壇を作ってくれたら逆らいません』」

「よその神話なら崩壊するやつ!」


「それが出雲大社です」

「要求が通っとる!?」


「大国主もよく頑張ったので褒めてあげたのです」

「懐柔とも言えるような...」


「以上が国譲りの物語です」

「はぁ…」


「大国主を平和に説得した高天原サイドは代官を派遣することにしました」

「平和とは...」


「高天原を騒がせたあの俺様大勝利記念の子、ニニギです」

「キラキラの方で呼ぶな!......そっちしか覚えてないけども!」


「ニニギは天叢雲剣と八咫鏡とよくわからない勾玉を天照から受け取って」

「雑すぎるやろ!」


「地上の高千穂という場所に降りると、コノハナサクヤヒメに一目ぼれしました」

「また一目ぼれ!」


「サクヤヒメの父である山の神は喜んで、姉のイワナガヒメもお嫁さんとして差し出しました」

「国生みの時の山の神やな」


「面食いなニニギはイワナガヒメを送り返します」

「おいこら!」


「繁栄と長寿を祈って嫁に出したのに!これでは繁栄できても短命に終わるぞ!とぷんぷん」

「それ最初っから言ってやれや。罠やで」


「この出来事によりニニギとその子孫は天の神だけど人の寿命という設定が公式化します」

「めったメタやん」


「それはそうとサクヤヒメとの新婚生活に向かい合うニニギ」

「はぁ」


「一度の行為により妊娠したサクヤヒメに『本当に俺の子?』と口走ります」

「バッカモーン!!!」


「サクヤヒメの怒りは大爆発」

「そりゃ怖いわ」


「『なら占いよ!炎の中で出産して無事だったら確かにあなたの子!』と言い放ち」

「そんな占いがあるか!!!」


「火を放った産屋の中で見事に男の子を産みました」

「ここまでだいたい女神の方が肝が太いやん!」


「サクヤヒメは富士山に鎮座していると言われています」

「噴火したらニニギのせいなん?」


「ニニギとサクヤヒメの子である山幸彦は海の神の女神と結婚し」

「また一行!?」


「山幸彦の子もまた海の神の女神と結婚した結果、初代神武天皇が生まれました」

「加速が止まらない!」


「神武天皇は九州から挙兵して奈良あたりを目指し、負けました」

「譲られてないやん!」


「『太陽の子孫なのに太陽に向かって戦ったらダメだろwww』と精神論で殴られたので」

「作戦も何もないやん」


「東に回り込んで戦ったら勝てました」

「作戦成功しとる!?」


「足が3本ある八咫烏が登場したのもこの辺です」

「日本サッカー協会のあれ!」


「最終的に橿原の地でヤマトの成立を宣言」

「橿原神宮があるとこやな」


「トンボを意味する秋津洲あきつしまを国名として」

「それ本州の別名でもあるやつやん」


「地上みんなが一つの家に住んでいるかのような国を目指す布告を出します」

「八紘為宇ってやつやな」


「その後は色々あって現在まで続いています。古事記はまだ終わりません」

「この一行で何千年分を端折ってるねん!」




「と、いうわけで!」

「なんやねん急に」


「このネタツイをご覧ください」

「なんやねんな」


――


合コンのさしすせそ


サクヤヒメ

しろうさぎ

スサノオ

せきれい

「その並びはニニギが疑っても無理ないのニャ」


――



「このネタで笑うためには古事記の知識が必要でしょう?」

「いやあんたまさか」


「概ねそのためにこの作品が生まれたの」

「ニニギの登場後にさらに加速した理由も、それか」


「興味を持ったら自分で調べる余地を残すのも親切よ☆」

「どうだかなぁ...」



「最後は古事記に記された日本の理想とする建国精神をもう一つだけ」

「ヤマトタケル完全カット!?」


「仁徳天皇の『大御宝』ね」

「はいはい」



飢饉に襲われたあるとき、仁徳天皇は外を見て言いました


外で炊煙が上がっていない、これは生活が苦しいのでは?

租税をしばらく中止し、私自身も粗末に暮らすぞ


数年が経過して、炊煙を確認できる頃には、天皇のお館が

修繕が必要なほどに傷んでいました


そろそろ租税をしてもいいのでは?

いや、まだである。もうしばらく待とう


さらに数年が経過したころ、民百姓は自らの意思で租税を納め、

お館の修繕にも心から協力したと言います


国の民こそ最も大事な宝物。『大御宝』というお話です。





この短編は

シン・コジキ~天照ちゃんの高天原チャンネル!~

の提供でお届けしました


挿絵(By みてみん)

https://ncode.syosetu.com/n1856mb/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ