表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/40

第27話


「とりあえず、戦闘自体は順調ね」

「ユニークモンスターなどもいませんでしたしね……Eランク迷宮でここまで戦えるって夢見たいです」


 嬉しそうに話しているリアとアンナ。

 せっかくのところ申し訳ないが、俺は二人に問いかける。


「ユニークモンスターって……なんだ?」


 一応、ゲームなどで聞いたことはあったが、俺の知っているものとは違う可能性もあるので確認だ。


「迷宮に稀に出現する魔物よ。本来の魔物よりも数段強かったり、強くないけど珍しいアイテムをドロップするとかまあレアな魔物よ」

「……そうなんだな。万が一遭遇してたらまずかったか?」

「まあ、全員で撃ち続ければなんとかなると思うわよ。結局のところ、あたしたちが勝てるかどうかってハンドガンでダメージが通るかどうかの問題だしね」


 だよな。俺たちの武器であるハンドガンが効く相手なら倒せる。効かない相手なら倒せない、だ。

 そんなことを話していると、またスモールウッドマンが現れた。


 敵の攻撃が当たらないよう、距離を置きつつ、弾丸を放っていけば、終了……。

 俺のやることが本当にないな。


 それでもレベルアップはしていくわけで、どんどん体は動くようになってきている。


 戦闘への適応が早いのは、召喚された影響なのだろうか? はたまた、俺に戦闘への才能があったのか……。まあ間違いなく前者だろうな。


「ご主人様、あちらボス階層に繋がる階段が見えてきましたよ」


 アンナが指差した方向には、ボス階層に繋がる階段が見えた。

 Eランク迷宮は全部で三階層までなので、次がボス階層だ。


「ボスモンスターはやっぱりかなり強いのか?」

「つ、強いです。ただ、攻撃を回避して、ハンドガンが打ち込めるかどうかというのは変わらないと思います」


 アンナもだいぶ自信がついてきたようだ。さて、どうしようか。


「……もしも、ボス階層に入ったら戻ってこれないとかはあるのか?」

「いえ、引き返せますよ。ボスからうまく逃げ切れれば、ですけど……さ、最悪の場合は私たちが時間を稼げばいいと思います」

「……いや、皆に何かあったら困るって。大切な仲間なんだし……危なかったら、皆でうまく逃げるぞ。他の階層みたいに、階段まで引き返せば大丈夫なんだよな?」

「は、はいっ」

「それなら、様子をみながら戦ってみようか」


 無茶をする必要は別にない。

 俺にとって、強くなることに時間制限などはないからだ。

 あくまで俺は、俺のペースで強くなればいいわけで、安全第一でやっていけばいい。


 波瀾万丈は必要ない。のんびり、確実に、堅実に今の生活を豊かにすればいい。

 第一、せっかくここまで話せる相手ができたのに、それを失いようなことはしたくなかった。

 クラスメート達と離れた今、俺の情報を共有できる話し相手は大切だ。


 三階層を無事突破した俺たちは、階段を進みながら食事をする。

 今日のお昼はハンバーガーだ。俺はそれを口にしながら、アイテムボックスから魔力ブーストの準備をする。

 俺の準備にすぐに気づいたのはナーフィだ。


「ん?」


 こてんと首を傾げてくる。

 俺が何をするのか気になったようだ。


「念の為、もう少し強い武器でも召喚しておこうと思ってな」

「ん」


 気になるようで、ビッグマッグを食べながらナーフィが近づいてくる。


 ……今の魔力で足りればいいんだけどな。

 俺は自分の魔力を使用し、召喚魔法を発動する。

 しかし、召喚しきれない。

 やはり足りないか。魔力ブーストを行い、さらに魔力を回復する。


 ……気持ち悪い。全身を無理やり揺さぶられているような感覚に襲われ、食べたものを吐き出したくなる。

 食事をする前にすれば良かった……。そう思っていたのだが、無事俺の片手には新しい武器が召喚された。


「……ハンドガンよりも大きいですね」


 こちらをみていたアンナが問いかけてくる。リアもまた、興味深そうな表情をしている。


「ショットガンだ。ハンドガンで倒しきれなかったときは、こいつを使おうと思ってな」

「威力もあるのよね?」

「まあな。ハンドガンに比べると射程は落ちると思うけど、その分当てた時の威力はかなりのもんだと思う」


 俺はそれを握ると、なんとなく使い方が分かってくる。

 FPSのゲームで見たものと同じだ。確か、ポンプアクション式、って言うんだったか? あれを行って弾を装填する必要があるはずだ。


 なんとなく握ってみると使い方がわかるのは、俺が召喚主だからだろうか。


 俺は銃弾を手に取り、同じものを召喚し、装填していく。

 全部で四発か。先に弾を装填しておけば、プラス一発の合計五発。

 ハンドガンに比べれば量は少ないが……まあ、威力はそれ以上にあるはずだ。


 あとは実戦で試せばいいだろう。アイテムボックスにしまってから、ハンバーガーを食べドリンクを飲む。


「マッグシェイク……美味しいです」

「あたしは、このコーラってやつ結構気に入ったわ」

「……ん」


 ナーフィは炭酸飲料が苦手なようで、チビチビと飲んでいる。シュワシュワが苦手ではあるようだが、味自体は気に入ったようだな。


 しばらく食事をしていくと、三人とも満足してくれた。

 食後の軽い休憩も行ったところで、問いかける。


「そろそろ、大丈夫か?」

「ええ。もうあたしたちは大丈夫よ。能力もかなり強化されたみたいだし、これなら問題ないと思うわ」

「そうか、期待してるぞ」


 俺の言葉に、三人ともが頷いてくれたので、俺たちは階段を降りて、ボス階層へと降りる。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

「面白そう」「続きが気になる」と感じましたら、『ブックマーク』と広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけますと嬉しいです!

皆様の応援が作者のモチベーションとなりますので、是非協力よろしくお願いいたします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 攻撃対象が木なら火炎瓶とか も効くのだろうか?
[一言] ぼす部屋からの出入りが自由なら、入った所から撃ちまくれば無傷で勝てますな。 効かなければそのまま逃走すればいいし。 それとショットガンは30m前後が一番効果的な距離と言いますね。 それ以上…
[一言] コメントにショットガンの装弾数について色々言われてますが、ポンプ式であれば4発タイプのマガジンチューブがあるのでおかしくないです。それ以前に4+1しか入らないポンプ式ショットガンありますし。…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ